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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 システム定義


システム環境定義

〈このページの構成〉

形式

set形式

〔set mode_conf=AUTO|MANUAL1|MANUAL2〕
〔set static_shmpool_size=静的共用メモリの総量〕
〔set dynamic_shmpool_size=動的共用メモリの最大使用時の総量〕
〔set shmpool_attribute=free|fixed|hugepage〕
〔set user_command=ユーザ環境設定コマンド〕
〔set server_count=最大サーバ数〕
〔set user_server_ha=Y|N〕
〔set system_terminate_watch_time=システム終了監視時間〕
〔set start_scheduling_timing=BEFORE|AFTER〕
〔set system_init_watch_time=システム初期化の待ち時間〕
〔set user_command_online=システム開始完了コマンド〕
〔set preend_warning_watch_time=終了準備警告監視時間〕
〔set user_command_online_tp1mngr_id=Y|N〕
〔set default_value_option=システム定義のデフォルト値変更オプション〕
〔set ha_switch_error_retry_count=待機系OpenTP1起動失敗時のリトライ回数〕
〔set ha_switch_error_retry_interval=待機系OpenTP1起動失敗時のリトライ間隔〕
〔set redirect_file_name=出力先ファイル名〕

コマンド形式

なし。

putenv形式

〔putenv DCCONFPATH 定義ファイルの格納ディレクトリ〕
〔putenv DCADMDEBUG 0|1〕
〔putenv DCUAPCONFPATH ユーザサービス定義ファイルまたはユーザサービスデフォルト定義ファイルの格納ディレクトリ〕

dcputenv形式

〔dcputenv DCCONFPATH 定義ファイルの格納ディレクトリ〕
〔dcputenv DCUAPCONFPATH ユーザサービス定義ファイルまたはユーザサービスデフォルト定義ファイルの格納ディレクトリ〕

機能

OpenTP1システムの実行環境を定義します。

プロセスサービスがOpenTP1システム開始時にシステム環境定義を読み込みます。

システム環境定義を変更した場合,OpenTP1を正常終了してdcresetコマンドを実行してください。

説明

set形式のオペランド

mode_conf=AUTO|MANUAL1|MANUAL2

 〜《MANUAL2》

OpenTP1システムの開始方法を指定します。

AUTO

自動開始になります。

MANUAL1

手動開始になります。ただし,前回のOpenTP1システムが異常終了した場合は,自動的に再開始します。

MANUAL2

手動開始になります。

前回の終了モード(正常終了・強制正常終了・計画停止A・計画停止B・強制停止・異常終了)とここで指定する開始方法の組み合わせによって開始形態が決まります。

前回の終了モードと,mode_confオペランドの指定値の組み合わせによる開始形態の違いを,次に示します。

開始形態の決定条件

開始形態

前回の終了モード

mode_confオペランドの指定値

開始方法

開始モード

正常終了

AUTO

手動※1

正常開始

MANUAL1

手動

MANUAL2

強制正常終了

AUTO

手動※1

正常開始

MANUAL1

手動

MANUAL2

計画停止A

AUTO

手動※1

再開始

MANUAL1

手動

再開始※3

MANUAL2

計画停止B

AUTO

手動※1

再開始

MANUAL1

手動

再開始※3

MANUAL2

強制停止

AUTO

手動※1

再開始

MANUAL1

手動

再開始※3

MANUAL2

異常終了

AUTO

自動

再開始

MANUAL1

自動※2

MANUAL2

手動

再開始※3

系切り替え構成の際のmode_confの指定内容については,マニュアル「OpenTP1 解説」の系切り替えの手順に関する記述を参照してください。

注※1

OS起動時は自動開始となります。

注※2

OS起動時は手動開始となります。

注※3

dcstart -nコマンドで強制的な正常開始もできます。ただし,強制的に正常開始すると,前回仕掛り中の情報は失われます。

static_shmpool_size=静的共用メモリの総量

 〜〈符号なし整数〉(単位:キロバイト)

  • 32ビット版の場合:((0〜1945600))《4096》

  • 64ビット版の場合:((0〜67108864))《4096》

OpenTP1システムで,システムサービスがシステム開始から終了までの間,占有する共用メモリ(以後,静的共用メモリといいます)の総量を指定します。

必要に応じて起動するシステムサービスがある場合は,その起動に必要な容量も含めて指定します。

静的共用メモリの総量は,dynamic_shmpool_size指定値との合計が,次の値を超えないように指定してください。

  • 32ビット版の場合は1945600

  • 64ビット版の場合は67108864

このオペランドの指定値とdynamic_shmpool_size指定値との合計が上限値以下でも,共用メモリを確保またはマッピングできずにOpenTP1が起動できないことがあります。指定した共用メモリサイズで実際にOpenTP1を起動できるかどうかは,OSの共用メモリに関するパラメタに依存します。

共用メモリを確保またはマッピングできなかった場合,システムサービスプロセスやユーザサーバプロセスがKFCA00100-EまたはKFCA00107-Eメッセージを出力してダウンします。この場合は,OSの共用メモリに関するパラメタが適切か,共用メモリサイズを過大に見積もっていないか,または不要なライブラリをローディングしていないかを見直してください。OSの共用メモリに関するパラメタ,共用メモリサイズの見積もり,およびローディングするライブラリが適切である場合は,64ビット版への移行を検討してください。

なお,HP-UX版の32ビット版のOpenTP1を使用する場合,次の点に注意してください。

  • 上限値は1038336です。

    32ビット版のHP-UXでは,共用メモリのセグメントサイズの上限値が1ギガバイトです。OpenTP1は,内部的に必要とするサイズ(最大10メガバイト)を指定したサイズに加算して共用メモリの確保要求をします。そのため,静的共用メモリと動的共用メモリの合計値が上限の1038336キロバイトを超えると,OpenTP1システムの起動に失敗することがあります。これは,共用メモリの確保要求をするサイズが1ギガバイトを超えてしまうからです。

  • マルチOpenTP1での運用や,共用メモリを確保するほかのプログラムを同一マシン上で実行する場合は,共用メモリの合計サイズに注意してください。

    システム全体で使用できる共用メモリのサイズは,HP-UX(IPF)の場合2ギガバイトです。

また,64ビット版のOpenTP1を使用する場合は,次の点に注意してください。

  • OpenTP1が動作するために必要なサイズの共用メモリを確保してください。

  • このオペランド指定値を増やすことによって,システムダウン時に出力されるコアファイルサイズが増大します。そのため,次の問題が発生することがあります。

    • コアファイル出力時のI/O占有によるマシン負荷の増大

    • ディスク容量の圧迫

    また,再開始の時間や保守資料の取得コマンド(dcrasget)が長くなるおそれがあります。OSがAIXおよびLinuxの場合は,コアファイルに通常含まれている共用メモリを取り除くことができます。OSがHP-UXおよびWindowsの場合は,コアファイルに共用メモリは含まれていません。

<OSがAIXの場合のコアファイルから共用メモリを取り除く方法>

環境変数CORE_NOSHMをプロセスに設定することで,そのプロセスがコアファイルを出力する際に,コアファイルに通常含まれている共用メモリを取り除くことができます。OpenTP1のプロセスに対してこの機能を有効にする場合,環境変数CORE_NOSHMを表3-1に示す定義ファイルに指定します。

putenv CORE_NOSHM ""

例えば,巨大な共用メモリを使用している環境でコアファイルのサイズを極力抑えたい場合,この環境変数を設定してください。この設定によって,コアファイルにその巨大な共用メモリが含まれなくなるため,コアファイルの大きさを抑えることができます。ただし,コアファイルに含まれている共用メモリというのは,そのコアファイルを出力したプロセスがその瞬間参照していた共用メモリであり,トラブルシュートに大変有益な情報です。「コアファイルを出力する」という状態自体に何らかの問題があります。また,このときに出力されたコアファイルに含まれている共用メモリ情報には,問題を解決するのに必要な情報が含まれています。この環境変数を設定することによって,そのトラブルシュートに必要な情報が一部失われます。そのため,障害の問題解決に時間が掛かることがあります。特に,システムサーバがコアファイルを出力する事態は,システム的に異常な状態になっている可能性が高く,その瞬間の共用メモリがトラブルシュートに不可欠な場合があります。このことを踏まえた上で,設定してください。

表3‒1 環境変数CORE_NOSHMを定義するファイル

coreに共用メモリを含ませたくない対象

定義するファイル

ユーザサーバ

すべてのユーザサーバを無効にする場合:ユーザサービスデフォルト定義

特定のユーザサーバを無効にする場合:各ユーザサービス定義

システムサーバ

すべてのシステムサーバ※1を無効にする場合:システム共通定義※2

注※1

プロセスサーバに対しては有効になりません。

注※2

この設定をすると,ユーザサーバも自動的に対象となります。

この設定が有効なのは,システムサーバおよびユーザサーバです。OpenTP1が提供するコマンドでは有効にならない場合があります。この環境変数が適用可能かどうかは,使用しているAIXのバージョンに依存します。この環境変数が利用可能かどうかは,OSのサポートに問い合わせてください。

<OSがLinuxの場合のコアファイルから共用メモリを取り除く方法>

コアファイルに共用メモリを含めるかどうかを設定するprc_coredump_filterオペランドで,コアファイルに通常含まれている共用メモリを取り除くことができます。詳細は,システム共通定義,ユーザサービスデフォルト定義,またはユーザサービス定義のprc_coredump_filterオペランドの説明を参照してください。

64ビット版で,dynamic_shmpool_sizeオペランドの指定値との合計が1945600を超える場合,dcshmlsコマンドの出力形式が変わるので注意してください。詳細はマニュアル「OpenTP1 運用と操作」のdcshmlsコマンドの説明を参照してください。また,Hugepage機能を適用することをおすすめします。Hugepage機能の適用については,shmpool_attributeオペランドの説明を参照してください。

dynamic_shmpool_size=動的共用メモリの最大使用時の総量

 〜〈符号なし整数〉(単位:キロバイト)

  • 32ビット版の場合:((0〜1945600))《4096》

  • 64ビット版の場合:((0〜67108864))《4096》

OpenTP1システムで,システムサービスがワークエリアイメージで動的にアクセスする共用メモリ(以後,動的共用メモリといいます)の最大使用時の総量を指定します。必要に応じて起動するシステムサービスがある場合は,その起動に必要な容量も含めて指定します。

動的共用メモリの最大使用時の総量は,static_shmpool_size指定値との合計が,次の値を超えないように指定してください。

  • 32ビット版の場合は1945600

  • 64ビット版の場合は67108864

このオペランドの指定値とstatic_shmpool_size指定値との合計が上限値以下でも,共用メモリを確保またはマッピングできずにOpenTP1が起動できないことがあります。詳細については,システム環境定義のstatic_shmpool_sizeオペランドの説明を参照してください。

なお,HP-UX版の32ビット版のOpenTP1を使用する場合,上限値は1038336です。また,システム全体で使用できる共用メモリサイズに制限があります。詳細については,システム環境定義のstatic_shmpool_sizeオペランドの説明を参照してください。

また,64ビット版のOpenTP1を使用する場合は,次の点に注意してください。

  • OpenTP1が動作するために必要なサイズの共用メモリを確保してください。

  • このオペランド指定値を増やすことによって,システムダウン時に出力されるコアファイルサイズが増大します。そのため,次の問題が発生することがあります。

    • コアファイル出力時のI/O占有によるマシン負荷の増大

    • ディスク容量の圧迫

    また,再開始の時間や保守資料の取得コマンド(dcrasget)が長くなるおそれがあります。次のOSでは,コアファイルに通常含まれている共用メモリを取り除くことができます。なお,OSがHP-UXおよびWindowsの場合は,コアファイルに共用メモリは含まれていません。

<OSがAIXの場合>

環境変数CORE_NOSHMをプロセスに設定することで,そのプロセスがコアファイルを出力する際に,コアファイルに通常含まれている共用メモリを取り除くことができます。OpenTP1のプロセスに対してこの機能を有効にする場合,環境変数CORE_NOSHMを表3-2に示す定義ファイルに指定します。

putenv CORE_NOSHM ""

例えば,巨大な共用メモリを使用している環境でコアファイルのサイズを極力抑えたい場合,この環境変数を設定してください。この設定によって,コアファイルにその巨大な共用メモリが含まれなくなるため,コアファイルの大きさを抑えることができます。ただし,コアファイルに含まれている共用メモリというのは,そのコアファイルを出力したプロセスがその瞬間参照していた共用メモリであり,トラブルシュートに大変有益な情報です。「コアファイルを出力する」という状態自体に何らかの問題があります。また,このときに出力されたコアファイルに含まれている共用メモリ情報には,問題を解決するのに必要な情報が含まれています。この環境変数を設定することによって,そのトラブルシュートに必要な情報が一部失われます。そのため,障害の問題解決に時間が掛かることがあります。特に,システムサーバがコアファイルを出力する事態は,システム的に異常な状態になっている可能性が高く,その瞬間の共用メモリがトラブルシュートに不可欠な場合があります。このことを踏まえた上で,設定してください。

表3‒2 環境変数CORE_NOSHMを定義するファイル

coreに共用メモリを含ませたくない対象

定義するファイル

ユーザサーバ

すべてのユーザサーバを無効にする場合:ユーザサービスデフォルト定義

特定のユーザサーバを無効にする場合:各ユーザサービス定義

システムサーバ

すべてのシステムサーバ※1を無効にする場合:システム共通定義※2

注※1

プロセスサーバに対しては有効になりません。

注※2

この設定をすると,ユーザサーバも自動的に対象となります。

この設定が有効なのは,システムサーバおよびユーザサーバです。OpenTP1が提供するコマンドでは有効にならない場合があります。この環境変数が適用可能かどうかは,使用しているAIXのバージョンに依存します。この環境変数が利用可能かどうかは,OSのサポートに問い合わせてください。

<OSがLinuxの場合>

コアファイルに共用メモリを含めるかどうかを設定するprc_coredump_filterオペランドを定義することで,コアファイルに通常含まれている共用メモリを取り除くことができます。詳細は,システム共通定義,ユーザサービスデフォルト定義,またはユーザサービス定義のprc_coredump_filterオペランドを参照してください。

64ビット版の場合,static_shmpool_sizeオペランドの指定値との合計が1945600を超える場合,dcshmlsコマンドの出力形式が変わるので注意してください。詳細はマニュアル「OpenTP1 運用と操作」のdcshmlsコマンドの説明を参照してください。また,Hugepage機能を適用することをおすすめします。Hugepage機能の適用については,shmpool_attributeの説明を参照してください。

shmpool_attribute=free|fixed|hugepage

 〜《free》

OpenTP1システムでは,静的共用メモリと動的共用メモリを合わせて,システムサービス用共用メモリプールとして確保します。このシステムサービス用共用メモリプールの属性を指定します。

free

システムサービス用共用メモリプールをメモリ上に固定しません。

実装するメモリ容量によっては,共用メモリのページングが発生するため,性能に悪影響を及ぼす場合があります。

fixed

システムサービス用共用メモリプールをメモリ上に固定します。

共用メモリのページングが発生しないため,共用メモリのアクセスによる性能への悪影響を防止できます。

ただし,実装するメモリ容量によっては,共用メモリ以外(テキストやデータセグメントなど)でページングが頻繁に発生する場合があります。そのため,実装するメモリや全使用容量に対する共用メモリプールの占める割合を検討してください。

この指定値はHP-UX版,およびSolaris版の場合だけ指定できます。なお,Solarisの場合,ご使用の環境によってはfixedを指定できないことがあります。詳細については,「リリースノート」を参照してください。

hugepage

システムサービス用共用メモリプールにLinuxのHugepage機能を適用して,OS管理領域のメモリ使用効率を向上します。

これによって,システムサービス用共用メモリプールを使用するプロセス数増加時にメモリ消費量を軽減できる場合があります。

この指定値はLinux版の64ビット版の場合だけ指定できます。

<事前設定>

この機能はLinuxのHugepage機能を使っているため,OpenTP1を起動する前に,LinuxのHugepage機能を有効にしておく必要があります。Hugepage機能については,OSのマニュアルを参照してください。Hugepage機能を有効にするときに設定するOSのカーネルパラメタの詳細については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」のHugepage機能の適用(Linux限定)の説明を参照してください。

また,プロセスサービス定義のprc_hugepage_group_idオペランドに,カーネルパラメタのvm.hugetlb_shm_groupに指定したグループIDを指定してください。

<注意事項>

この指定をした場合の注意事項を次に示します。

  • システムサービス用共用メモリプールがメモリ上に固定されます。

  • 確保するシステムサービス用共用メモリプールの大きさがページサイズの大きさに切り上げられます。

  • OSの設定によっては,coreファイルにHugepage機能を適用した共用メモリが含まれません。coreファイルに共用メモリを含める場合は,システム共通定義,ユーザサービスデフォルト定義,またはユーザサービス定義のprc_coredump_filterオペランドを変更する必要があります。

注※

ページサイズは,「grep Hugepagesize /proc/meminfo」を実行して確認できます。ページサイズを確認する際は単位に注意してください。

<指定の目安>

システムサービス用共用メモリプールが実メモリ上に固定化された場合に,次のどちらにも該当しない場合は,この指定を推奨します。

  • 残りの物理メモリの容量で他プロセスを含む固定化されないメモリのページングが頻繁に発生する

  • システム性能に影響する

user_command=ユーザ環境設定コマンド

 〜〈パス名〉

OpenTP1の開始処理の最初に,実行するユーザ環境設定コマンドをパス名で指定します。ユーザ環境設定コマンドを指定すると,共用メモリの確保やファイルの初期化など,UAP全体の環境をOpenTP1の開始処理の最初に設定できます。

user_commandオペランド,およびuser_command_onlineオペランドに指定されたコマンドの,実行タイミングを次に示します。

[図データ]

ユーザ環境設定コマンドの実行環境は次のとおりです。

  • ユーザ環境設定コマンドは,系切り替え機能の使用の有無,および実行系,待機系に関係なく,OpenTP1の開始処理の最初に実行します。

  • ユーザID/グループIDはスーパユーザのUID/GID(0/0)です。

  • スーパユーザで実行される可能性があるので,システム環境定義ファイル($DCDIR/conf/env)およびuser_commandオペランドで指定したファイルが変更されないように,それぞれのファイルの書き込み権限を削除しておくことをお勧めします。

  • シェルを使用する場合は,ボーンシェルだけ使用できます。

  • 標準入力,標準出力,および標準エラー出力は,OpenTP1によってリダイレクトされます。

  • オンラインで使用する機能は,使用できません。

  • ユーザ環境設定コマンドの起動が失敗した場合,および0以外でexitした場合は,システムダウンします。

  • コアファイルは,_usrcmdN(N:1〜3)に退避されます。ただし,ユーザ環境設定コマンドでカレントワーキングディレクトリを変更した場合,コアファイルは退避されません。

  • 標準入力,標準出力,標準エラー出力はO_NONBLOCK属性でopenされています。

server_count=最大サーバ数

 〜〈符号なし整数〉((32〜9999))《64》

同一OpenTP1ノード内でシステム終了までに起動するサーバ数を指定します。

サーバ数は,OpenTP1システムで動作する全システムサービス,およびdcsvstartコマンドで指定するユーザサーバの数の合計値を指定します。同一名称のユーザサーバを複数回起動しても1として数えます。マルチサーバの場合は,サーバ数1と見なします。

server_countの指定値は,OSリソース(メモリ,ディスク容量,ポート番号など)に影響を与えます。このオペランドを変更した場合,「7.3.1 ユーザサーバの追加」を参照し,定義の見直しやOpenTP1ファイルの再見積もりの必要有無を確認してください。

なお,多くのユーザサーバを起動する場合,dcsvstartコマンドで起動すると,ユーザサーバの起動時間が長くなります。ユーザサービス構成定義を使用して,並列にユーザサーバを起動することを推奨します。

また,多くのユーザサーバを起動している場合,OpenTP1の停止までに時間が掛かるため,システム環境定義のsystem_terminate_watch_timeオペランドの指定値を見直してください。

server_countの値を変更した場合は,OpenTP1が停止した状態でdcsetupコマンドまたはdcresetコマンドを実行して定義の変更をOpenTP1に反映してください。

user_server_ha=Y|N

 〜《N》

系切り替え時,システムサーバの起動を待たないで,待機系のユーザサーバを起動するかどうかを指定します。

Y

システムサーバの起動を待たないで,ユーザサーバを起動します。

N

システムサーバの起動を待って,ユーザサーバを起動します。

system_terminate_watch_time=システム終了監視時間

 〜〈符号なし整数〉((0〜65535))《3600》(単位:秒)

dcstopコマンドでOpenTP1を終了する時の監視時間を指定します。指定した監視時間内にOpenTP1が終了しない場合は,OpenTP1は強制停止します。

0を指定した場合,終了時間は監視されません。

システムジャーナルサービス定義のjnl_auto_unloadオペランドにYを指定して自動アンロード機能を使用する場合は,アンロードに掛かる時間を考慮して,system_terminate_watch_timeオペランドの値を指定してください。

start_scheduling_timing=BEFORE|AFTER

 〜《AFTER》

システム開始時に,RPCの受け付けの開始時期を指定します。

BEFORE

全ユーザサーバの起動前に,RPCの受け付けを開始します。BEFOREを指定した場合,RPCがユーザサーバ未起動のためにエラーになることがあります。

AFTER

全ユーザサーバの起動後に,RPCの受け付けを開始します。AFTERを指定した場合,全ユーザサーバが起動されるまでRPCはエラーになります。

このオペランドにBEFOREを指定した場合,ユーザサービス定義,ユーザサービスデフォルト定義のhold_recoveryオペランドの指定に関係なく,システム全面回復時にユーザサーバの閉塞状態は引き継がれません。システム全面回復時にユーザサーバの閉塞状態を引き継ぐ場合は,スケジュールサービス定義のscd_hold_recoveryオペランドにFを指定してください。各オペランドの指定による閉塞状態の引き継ぎについては,スケジュールサービス定義のscd_hold_recoveryオペランドを参照してください。

system_init_watch_time=システム初期化の待ち時間

 〜〈符号なし整数〉((0〜65535))(単位:秒)

OpenTP1のシステム開始処理のうち,user_commandの実行を含めたシステム初期化処理(システムサービス開始前の初期化処理)の待ち時間の最大値を指定します。

0を指定した場合は,システム初期化処理が終わるまで無限に待ち続けます。

省略した場合は,システム共通定義のwatch_timeオペランドの値を仮定します。

user_command_online=システム開始完了コマンド

 〜〈パス名〉

OpenTP1が起動を完了するときに実行するシステム開始完了コマンドをパス名で指定します。システム開始完了コマンドを指定すると,dcstatsコマンドなどの再開始で引き継がれないプロセスをOpenTP1の起動が完了するときに起動できます。

dcstartコマンドは,システム開始完了コマンドの完了を待ち合わせます。非同期に実行することで,dcstartコマンドを先に進めたい場合は,コマンドの最後に'&'を付けてください。

user_command_onlineオペランドに指定したプログラムが環境変数を必要とする場合,シェルスクリプトファイルに,プログラムが必要とする環境変数を宣言しておき,そのシェルスクリプトファイルをuser_command_onlineオペランドに指定することをお勧めします。シェルスクリプトファイルに,プログラムが必要とする環境変数を宣言していないと,システム構成を変更するなどの要因で,環境変数が引き継がれなくなったとき,OpenTP1の動作に影響を及ぼすことがあります。

システム開始完了コマンドの実行環境を次に示します。

  • ユーザIDおよびグループIDは次のIDで実行されます。なお,常にOpenTP1管理者で実行したい場合は,システム環境定義のuser_command_online_tp1mngr_idオペランドをYに指定してください。

    • OpenTP1管理者でdcstartコマンド実行した場合:OpenTP1管理者のUID/GID

    • 開始方法を自動開始で起動した場合:スーパユーザのUID/GID(0/0)

    • dcmstartコマンドで開始した場合:スーパユーザのUID/GID(0/0)

    • 待機系が系切り替えによって起動した場合:OpenTP1管理者のUID,スーパユーザのGID(0)

    注※

    開始方法を自動開始にする方法については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」を参照してください。

  • スーパユーザで実行される可能性があるので,システム環境定義ファイル($DCDIR/conf/env)およびuser_command_onlineオペランドで指定したファイルが変更されないように,それぞれのファイルの書き込み権限を削除しておくことをお勧めします。

  • シェルを使用する場合はボーンシェルだけ使用できます。

  • このオペランドに指定したコマンドの標準出力および標準エラー出力の出力先は次のとおりです。

    <mode_confオペランドの指定値がAUTOの場合>

    prcteeコマンドの引数で指定したファイルにリダイレクトされます。

    <mode_confオペランドの指定値がMANUAL1またはMANUAL2の場合>

    dcstartコマンドの実行環境に出力されます。ユーザ任意のファイルに出力する場合は,このオペランドに指定したコマンド内でリダイレクトして任意のファイルに出力してください。

  • オンラインで使用する機能が使用できます。

  • システム開始完了コマンドの起動が失敗した場合,および0以外でexitした場合はシステムダウンします。系切り替え機能を使用した場合,システムダウンによって系切り替えが発生します。

    ただし,システム開始完了コマンドを非同期に実行した場合はコマンドが0以外でexitしてもシステムダウンしません。

  • コアファイルは_usrcmdonN(N:1〜3)に退避されます。ただし,システム開始完了コマンドでカレントワーキングディレクトリを変更した場合,コアファイルは退避されません。

preend_warning_watch_time=終了準備警告監視時間

 〜〈符号なし整数〉((0〜65535))《180》(単位:秒)

dcstopコマンドの終了準備処理で警告メッセージKFCA01859-Wを出力するまでの時間を指定します。0を指定した場合は時間監視をしません。

user_command_online_tp1mngr_id=Y|N

 〜《N》

user_command_onlineオペランドに指定したシステム開始完了コマンドをOpenTP1管理者のUID/GIDで実行するかどうかを指定します。

Y

システム開始完了コマンドをOpenTP1管理者のUID/GIDで実行します。

N

システム開始完了コマンドのUID/GIDは,次に示すUID/GIDで実行されます。

  • OpenTP1管理者でdcstartコマンド実行した場合:OpenTP1管理者のUID/GID

  • 開始方法を自動開始で起動した場合:スーパユーザのUID/GID(0/0)

  • dcmstartコマンドで開始した場合:スーパユーザのUID/GID(0/0)

  • 待機系が系切り替えによって起動した場合:OpenTP1管理者のUID,スーパユーザのGID(0)

注※

開始方法を自動開始にする方法については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」を参照してください。

default_value_option=システム定義のデフォルト値選択オプション

 〜〈符号なし整数〉((0〜1))《1》

システム定義オペランドのうち,次に示すオペランドについて07-50以降のデフォルト値で動作するか,07-50より前のデフォルト値で動作するか指定します。

0

07-50より前のバージョンでのデフォルト値で動作します。

1

07-50以降のバージョンで推奨するデフォルト値で動作します。

この指定値によってデフォルト値が変更されるのは次に示すオペランドだけです。

デフォルト値が変更されるオペランド

採用されるデフォルト値

default_value_optionオペランドの指定値

0

1

システム共通定義

(betranrc)

trn_prf_trace_level

00000001

00000003

ipc_listen_sockbufset

N

Y

fil_prf_trace_delay_time

10

3

ロックサービス定義

(lck)

lck_deadlock_info

N

Y

スケジュールサービス定義

(scd)

ipc_tcpnodelay

N

Y

ログサービス定義

(log)

log_filesize

1024

10240

性能検証用トレース定義

(prf)

prf_file_size

1024

10240

prf_buff_size

96

1024

ユーザサービスデフォルト定義

(usrrc)

ipc_tcpnodelay

N

Y

MCFマネジャ定義

mcfmcomn -i

inc

msg

mcfmuap -e segsize

512

32768

mcfmuap -c order

function

commit

mcfmuap -c noansreply

no

yes

mcfmuap -c errevt_recovery

no

yes

MCF通信構成定義

(プロトコル固有定義(TP1/NET/TCP/IP))

mcftalccn -f releaselog

1

2

mcftalccn -f cnerrlog

1

2

システムサービス共通情報定義

mcf_prf_trace_level

00000000

00000001

TCP構成定義

mqttcp -t disk

no

yes

mqttcp -t bufcnt

100

2500

クラスタセンダTCP構成定義

mqttcpcs -t disk

no

yes

mqttcpcs -t bufcnt

100

2500

クラスタレシーバTCP構成定義

mqttcpcr -t disk

no

yes

mqttcpcr -t bufcnt

100

2500

ha_switch_error_retry_count=待機系OpenTP1起動失敗時のリトライ回数

 〜〈符号なし整数〉((0〜3))《0》

待機系の系切り替え起動処理が失敗した際に,待機系の起動処理をリトライする回数を指定します。1以上を指定する場合は,HAモニタのサーバ対応の環境設定(servers)のfunction定義文のswitch_errorオペランドにretryを指定してください。なお,switch_errorオペランドの指定は実行系と待機系で同じにする必要があります。

リトライ回数を超えても,待機系の系切り替え起動処理が失敗した場合は,KFCA01888-Iメッセージを出力してリトライを終了します。

OpenTP1システム連続異常終了限界回数(term_watch_countオペランド)までOpenTP1がシステムダウンした場合,待機系の系切り替え起動処理のリトライを終了します。

省略した場合,または0を指定した場合はリトライしません。

ha_switch_error_retry_interval=待機系OpenTP1起動失敗時のリトライ間隔

 〜〈符号なし整数〉((1〜60))《10》(単位:秒)

待機系の系切り替え起動処理が失敗した際に,待機系の起動処理をリトライする間隔を指定します。このオペランドを有効にするには,ha_switch_error_retry_countオペランドに1以上を指定する必要があります。リトライの間隔は,待機系の系切り替え起動処理が失敗してから,起動処理をリトライするまでの間隔時間です。

redirect_file_name=出力先ファイル名

 〜〈1〜255文字のパス名〉

OpenTP1配下のプロセスの標準出力,標準エラー出力の出力先ファイル名を絶対パス名で指定します。

注意事項

  • このオペランドを指定しなかった場合

    OpenTP1配下のプロセスの標準出力および標準エラー出力は,パイプファイルを経由して,prcteeコマンドに指定した出力ファイル名に出力されます。パイプファイルに対して高負荷で書き込みが頻発すると,メッセージが破棄されることがあります。

  • このオペランドを指定した場合

    prcteeコマンドに出力ファイル名を指定していても,このオペランドに指定した出力先ファイル名に出力先を切り替えます。ただし,出力先ファイル名に指定したファイルサイズが無制限に増加しディスクを圧迫するおそれがあるため,定期的に出力先ファイルを削除して使用してください。

    指定した出力先ファイルは,prcdプロセスを起動したときにオープンします。そのため,ファイルを削除する場合は,dcsetupコマンドを実行してprcdプロセスの常駐を停止したあと,rmコマンドで削除してください。次にコマンドの形式を示します。

    # dcsetup -d OpenTP1ディレクトリ
    (問い合わせメッセージには"n"を入力してください。)
    # rm -f 出力先ファイル名

コマンド形式

なし。

putenv形式のオペランド

DCCONFPATH 定義ファイルの格納ディレクトリ

 〜〈パス名〉《$DCDIR/conf》

各定義ファイルが格納されているディレクトリの絶対パス名を246バイト以下で指定します。ただし,環境変数は指定できません。

標準とは別のディレクトリ下にある定義ファイルのディレクトリを変更するときなどに使用します。

ただし,システム環境定義ファイル'env'を格納するディレクトリは変更できません。DCCONFPATHを指定する場合でも,システム環境定義ファイル'env'だけは$DCDIR/confになければなりません。

DCADMDEBUG 0|1

 〜《0》

デバッグ情報を取得するかどうかを定義します。

OpenTP1ではUAPがダウンした場合,OpenTP1の障害情報を取得するためにnetstatコマンドを発行します。netstatコマンドはUAPが連続ダウンした場合には複数投入されるので,構成によってはCPUを使い過ぎてマシン負荷が大きくなることがあります。CPU利用率を抑えたいときは,このオペランドの指定を1にしてください。

0

サーバダウン時に取得するnetstatの情報を出力します。

1

サーバダウン時に取得するnetstatの情報を出力しません。

DCUAPCONFPATH ユーザサービス定義ファイルまたはユーザサービスデフォルト定義ファイルの格納ディレクトリ

 〜〈パス名〉

特定のユーザサービス定義ファイルまたはユーザサービスデフォルト定義ファイルだけを,DCCONFPATH環境変数で指定したディレクトリ以外のディレクトリに格納したい場合,そのディレクトリの絶対パス名を246バイト以下で指定します。ただし,環境変数は指定できません。

DCCONFPATH環境変数とDCUAPCONFPATH環境変数で指定したディレクトリの両方にユーザサービスデフォルト定義ファイルを格納していた場合,DCCONFPATH環境変数で指定したディレクトリに格納しているユーザサービスデフォルト定義が優先されます。

dcputenv形式のオペランド

DCCONFPATH 定義ファイルの格納ディレクトリ

 〜〈パス名〉

各定義ファイルが格納されているディレクトリの絶対パス名を指定します。環境変数を指定した場合,その値も取得します。指定するパス名は,環境変数の値も含め246バイト以下としてください。

標準とは別のディレクトリ下にある定義ファイルのディレクトリを変更するときなどに使用します。

DCUAPCONFPATH ユーザサービス定義ファイルまたはユーザサービスデフォルト定義ファイルの格納ディレクトリ

 〜〈パス名〉

特定のユーザサービス定義ファイルまたはユーザサービスデフォルト定義ファイルだけを,DCCONFPATH環境変数で指定したディレクトリ以外のディレクトリに格納したい場合,そのディレクトリを絶対パス名で指定します。

ディレクトリ名に環境変数を指定した場合,その値も取得します。指定するパス名は,環境変数の値も含め246バイト以下としてください。

DCCONFPATH環境変数とDCUAPCONFPATH環境変数で指定したディレクトリの両方にユーザサービスデフォルト定義ファイルを格納していた場合,DCCONFPATH環境変数で指定したディレクトリに格納しているユーザサービスデフォルト定義が優先されます。

注意事項

従来どおり,ユーザサービス定義ファイルがDCCONFPATH環境変数に指定したディレクトリにある場合,そのディレクトリのユーザサービス定義ファイルが有効となります。

ログイン環境に,DCCONFPATH環境変数およびDCUAPCONFPATH環境変数を定義している場合は,ここで定義したものと同じ定義値にしてください。