分散トランザクション処理機能 OpenTP1 解説
系切り替え機能を使う場合の運用方法について説明します。
系切り替え機能を使用するOpenTP1は,両方の系をそれぞれOpenTP1の開始コマンド(dcstartコマンド)で開始します。自動起動モードの場合は,コマンドを実行しなくても開始します。
系切り替え機能を使用しているOpenTP1システムの終了方法を以降の表に示します。
表6-1 実行系のOpenTP1に対する終了コマンド
実行する終了コマンド | コマンドの実行結果 | |
---|---|---|
dcstopコマンドを実行 | オプション指定なし | 正常終了します。待機系のOpenTP1も終了します。 |
-n オプションを指定 | 強制正常終了します。待機系のOpenTP1も終了します。 | |
-a オプションを指定 | 計画停止Aで終了します。待機系のOpenTP1も終了します。 | |
-b オプションを指定 | 計画停止Bで終了します。待機系のOpenTP1も終了します。 | |
-f オプションを指定 | 強制停止します。待機系のOpenTP1も終了します。 | |
HAモニタの計画系切り替えコマンド(monswapコマンド)を実行 | 実行サーバが終了してから,系切り替えをします。 | |
HAモニタの待機サーバの停止コマンド(monsbystpコマンド)を実行 | 実行できません。 |
表6-2 待機系のOpenTP1に対する終了コマンド
実行する終了コマンド | コマンドの実行結果 | |
---|---|---|
dcstopコマンドを実行 | オプション指定なし | 実行できません。 |
-n オプションを指定 | ||
-a オプションを指定 | ||
-b オプションを指定 | ||
-f オプションを指定 | 強制停止します。 | |
HAモニタの計画系切り替えコマンド(monswapコマンド)を実行 | 実行できません。 | |
HAモニタの待機サーバの停止コマンド(monsbystpコマンド)を実行 | 待機系のOpenTP1は終了します。OpenTP1は再起動しません。 |
オフライン環境で実行するコマンドは,系切り替え形態を構成する両方のOpenTP1システムを停止してから実行します。
dcstartコマンドは,もう一方の系が停止しているかどうかに関係なく,その系のOpenTP1システムが停止していれば実行できます。ただし,待機系のOpenTP1では,dcstart -nコマンドを実行しても-nオプションは無視されます。
オンライン環境で実行するコマンドは,実行系のOpenTP1でだけ実行できます。待機系のOpenTP1には,オンライン環境で実行するコマンドは実行できません。ただし,OpenTP1の強制停止コマンド(dcstop -f)に限り,待機系のOpenTP1でも実行できます。また,実行系のアンロードの負担を軽くするため,待機系のシステムジャーナルファイルをアンロードすることもできます。ただし,アンロードするコマンド(jnlunlfgコマンド)の実行には各種の留意点があります。待機系のアンロードについては,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」のjnlunlfgコマンドの説明を参照してください。
待機系のOpenTP1に,共有ディスク装置上の共有ファイルを操作するコマンドを実行しても,ファイル書き込みはできません。そのため,共有ファイルは破壊されません。ただし,予備系を開始させないで現用系だけで運用している場合は,予備系のOpenTP1からファイル書き込みができるので,コマンドを実行するとファイルが破壊されることがあります。コマンドでOpenTP1ファイル(キャラクタ型スペシャルファイル)を操作するときは,共有する両方の系のOpenTP1を停止させてからにしてください。
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