COBOL2002 使用の手引 操作編

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5.3 TDコマンドの一覧

<この節の構成>
(1) プログラムの実行の制御と追跡
(2) データの操作
(3) 単体テスト
(4) バッチによるテスト
(5) テストデバッグの環境設定
(6) その他の機能

(1) プログラムの実行の制御と追跡

テストプログラムの実行を制御したり,実行状態を追跡したりするTDコマンドの一覧を次に示します。

表5-4 実行を制御したり,実行状態を追跡したりするTDコマンドの一覧

目的 コマンド名
プログラムの実行を中断させる中断点を設定する。 SET BREAK
SET BREAKコマンドで設定した中断点を解除する。 RESET BREAK
設定されている中断点の一覧を表示する。 DISPLAY BREAK
プログラムの実行を中断する条件を設定する。 SET WATCH
SET WATCHコマンドで設定したデータ監視条件を解除する。 RESET WATCH
プログラムが起動前状態のときは,実行を開始する。中断状態のときは,実行を再開する。 GO
プログラムを1文実行して中断する。 STEP IN
プログラムを1文実行して中断する。ただし,CALL文,関数呼び出しを持つ文およびINVOKE文は1文として実行する。 STEP OVER
プログラムの中断時に,実行を再開する位置を変更する。 STEP TO
実行中のプログラムを強制的に終了する。 STOP
プログラムの実行を追跡し,指定した単位で通過点を表示する。 SET TRACE
SET TRACEコマンドで開始したトレース表示を中止する。 RESET TRACE
フロー情報の蓄積を開始する。 SET FLOW
フロー情報の蓄積を中止する。 RESET FLOW
蓄積されているフロー情報を表示する。 DISPLAY FLOW
プログラムが中断している現在位置を表示する。 DISPLAY POINT

(2) データの操作

テストプログラムで扱われているデータの値を表示したり,任意の値を代入したりするTDコマンドの一覧を次に示します。

表5-5 データの値を表示したり,任意の値を代入したりするTDコマンドの一覧

目的 コマンド名
データの値を指定された形式で表示する。 DISPLAY DATA
オブジェクト参照データ項目または既定義オブジェクトSELF,EXCEPTION-OBJECTの指定によって,その参照するオブジェクトのオブジェクト参照の値,クラス名,インスタンスオブジェクト・ファクトリオブジェクトの種別,データの値を表示する。 DISPLAY OBJECT
DISPLAY FACTORYコマンドは,クラス名の指定によって,ファクトリオブジェクトのデータの値を表示する。 DISPLAY FACTORY
データに値を代入する。 ASSIGN DATA
条件が成立したときは,ELSEの前のTDコマンド群を実行する。条件が成立しないときは,ELSEのあとのTDコマンド群を実行する。 IF
領域を確保して,アドレス名にアドレスを設定する。 ALLOCATE AREA
アドレス名の示す領域を解放する。 FREE AREA

注※
AIX(32),AIX(64)で有効

(3) 単体テスト

連動するプログラムやファイルなどの実行環境が整わない段階でこれらの処理をシミュレーションし,単体でプログラムをテストするTDコマンドの一覧を次に示します。

表5-6 単体でテストするTDコマンドの一覧

目的 コマンド名
主プログラムシミュレーションで実行する手続きを設定する。 SIMULATE MAIN
副プログラムシミュレーションで実行する手続きを設定する。 SIMULATE SUB
ファイルのシミュレーションで実行する手続きを設定する。 SIMULATE FILE
擬似実行する入出力文に対応させてファイルシミュレーションの手続きを実行させる。 SELECT ACTION
入出力条件を擬似的に発生させる。 GO END
GO EOP
GO INVALID
GO ERROR
TDコマンドで手続きを設定してDCシミュレーションを実行する。 SIMULATE DC
シミュレーションで一度に実行する手続きと,繰り返す回数を指定する。 REPEAT
記号名に対応するデータ名が集団項目のとき,集団項目に属するデータ名に対応する記号名を指定する。 レベル番号

(4) バッチによるテスト

バッチによるテストで使用するTDコマンドの一覧を次に示します。

表5-7 バッチによるテストで使用するTDコマンドの一覧

目的 コマンド名
複数のテストケースをまとめて定義して,その中から実行するテストケースを指定する。 TEST
テストケースの手続きを設定する。 CASE
テストケースの終了状態(ケースコード)を設定する。 ASSIGN CASECODE
テストデバッグを終了する。 QUIT
指定した文字を表示する。 DISPLAY COMMENT

注※
ラインモードでも使用できます。

(5) テストデバッグの環境設定

入力する文字の扱いを変更したり,指定したファイルからTDコマンドを入力したりするTDコマンドの一覧を次に示します。

表5-8 入力する文字の扱いを変更したり,指定したファイルからTDコマンドを入力したりするTDコマンドの一覧

目的 コマンド名
テストデバッグの対象とする翻訳単位またはソース要素を変更する。 SET QUALIFICATION
翻訳単位指定またはソース要素指定を解除する。 RESET QUALIFICATION
指定したファイルからTDコマンドを入力する。 #INCLUDE
入力する文字の扱い(等価規則)を変更する。 #OPTION
実行結果の出力先を指定する。 SET PRINT
実行結果の出力先の指定を解除する。 RESET PRINT
ラインモードで端末に出力されるテストデバッグの実行結果をファイルへ出力する。 SET LOG
テストデバッグの実行結果をラインモードで端末に出力するように戻す。 RESET LOG

(6) その他の機能

その他の機能のTDコマンドの一覧を次に示します。

表5-9 その他の機能のTDコマンドの一覧

目的 コマンド名
プログラムのファイル管理記述項で指定した装置名にファイルを割り当てる。 ASSIGN DEVICE
UNIXコマンドを実行する。 !

注※
ラインモードで使用できます。