tscregltd [-h] [-TSCID TSC識別子] [-TSCDomain TSCドメイン名称]
          [-TSCMyHost ホスト名称またはIPアドレス]
          [-TSCClientConnectCount コネクション数]
          [-TSCPort ポート番号]
          [-TSCIORConnect]
          [-TSCTPool]
 

クライアントアプリケーションからの要求をレギュレートするために，TSCレギュレータを開始します。TSCレギュレータはTSCデーモンが動作するコンピュータと同じコンピュータで開始してください。

tscregltdコマンドはコマンド入力画面で動作しますので，必要に応じてバックグラウンドで実行してください。

●-h

コマンドの使用方法が表示されます。

●-TSCID TSC識別子

〜＜1〜31文字の英数字，およびピリオド（.）＞《IPアドレス》

TSCデーモンの識別子を指定します。"TSC"または"tsc"で始まるTSC識別子は指定しないでください。ピリオド（.）は，IPアドレスを指定する場合だけ使用できます。省略した場合は，IPアドレスがTSC識別子に設定されます。例えば，ホストのIPアドレスが"172.17.112.43"のとき，"172.17.112.43"という文字列がTSC識別子となります。

●-TSCDomain TSCドメイン名称

〜＜1〜31文字の英数字＞《TSCDOMAIN》

TSCデーモンが属するTSCドメイン名称を指定します。"TSC"または"tsc"で始まるTSCドメイン名称は指定しないでください。省略した場合は"TSCDOMAIN"が設定されます。

●-TSCMyHost ホスト名称またはIPアドレス

〜＜1〜64文字の文字列＞《hostnameコマンドで取得されるホスト名称》

マルチホームドホスト環境でOTMが使用するホスト名称またはIPアドレスを指定します。省略した場合は，hostnameコマンドで取得されるホスト名称が設定されます。

-TSCMyHostオプションを指定する場合は，-OAipAddrオプションに-TSCMyHostオプションと同じコマンドオプション引数を指定してください。同じコマンドオプション引数を指定しないと，異常終了や例外発生などの予期しない動作が発生することがあります。-OAipAddrオプションについては，マニュアル「VisiBroker for C++　リファレンス」または「VisiBroker for Java　リファレンス」を参照してください。

-TSCIDオプションを省略して-TSCMyHostオプションを指定した場合，デフォルトのTSC識別子は-TSCMyHostオプションで指定したIPアドレスになります。

●-TSCClientConnectCount コネクション数

〜＜符号なし整数＞((1〜32767))《64》

TSCレギュレータに接続できるコネクション数を指定します。コネクション数は，クライアントアプリケーションからの接続数です。省略した場合は"64"が設定されます。

●-TSCPort ポート番号

〜＜符号なし整数＞((5001〜65535))

TSCレギュレータの新しいコネクションを探すときに使用するポート番号を指定します。省略した場合は，OSが自動的に割り当てたポート番号を使用します。

●-TSCIORConnect

TSCレギュレータのIOR接続を可能にし，IOR文字列を接続先情報ファイルへ出力します。-TSCIORConnectオプションを指定する場合は，-TSCPortオプションも指定してください。-TSCIORConnectオプションを省略した場合は，TSCレギュレータのIOR文字列は接続先情報ファイルへ出力されません。

●-TSCTPool

TSCレギュレータをスレッドプーリング（ThreadPool）モデルで動作させます。省略した場合は，スレッドパーセション（ThreadSession）で動作させます。スレッドプーリングおよびスレッドパーセションの詳細については，マニュアル「VisiBroker for C++　プログラマーズガイド」または「VisiBroker for Java　プログラマーズガイド」を参照してください。

Cosminexus TPBroker for JavaのORB Version4またはCosminexus TPBroker Version 5で動作するマルチスレッドクライアントを使用する場合は，-TSCTPoolオプションを指定することを推奨します。

このコマンドは次に示す戻り値をシェルに返してから，処理を終了します。

戻り値	意味
0	正常終了しました。
0以外	コマンド処理中にエラーが発生したために異常終了しました。 出力されたメッセージに従って対策したあと，再度，コマンドを実行してください。

• TSCレギュレータのオプションは，同じTSCノードに属するTSCデーモンの開始時に指定できます。TSCレギュレータの開始時に指定しなかったオプションのデフォルトには，TSCデーモンの開始時に指定された値が引き継がれます。
  ただし，次に示すオプションについては，同じTSCノードのTSCデーモンの開始時に指定されていても引き継がれません。
  
  • -TSCDomainオプション
  • -TSCIDオプション
  • -TSCMyHostオプション
  • -TSCPortオプション
• TSCレギュレータは開始後にカレントディレクトリを移動します。そのため，次に示す場合のコアファイルの出力先は，実行形式ファイルのディレクトリとは異なります。
  
  • "tscstop -TSCForce -TSCDebugInfo"またはkillコマンドなどでTSCレギュレータを強制終了した場合
  • TSCレギュレータが異常終了した場合
  移動後のカレントディレクトリは，UNIXの場合は"$TSCSPOOL/adm/TSC識別子/reg/カレントディレクトリID"で，Windowsの場合は"%TSCSPOOL%\adm\TSC識別子\reg\カレントディレクトリID"です。
  カレントディレクトリIDについては，この章の「tscprcls（プロセス情報の出力）」で，出力形式を参照してください。
  
• TSCレギュレータは，内部でBOAを作成します。TSCレギュレータが作成するBOAにBOA_init()オプションを指定する場合は，コマンドオプションとしてBOA_init()オプションを指定してください。指定しない場合，TSCレギュレータで使用するBOAでは，BOA_init()オプションは無効になります。
  なお，-OAidオプションおよび-OAportオプションは無視されます。TSCレギュレータが内部で作成するBOAに-OAportオプションを指定する場合は，-TSCPortオプションに指定してください。
  BOA_init()オプションについては，マニュアル「VisiBroker for C++　リファレンス」または「VisiBroker for Java　リファレンス」を参照してください。