Groupmax Mail - SMTP Version 6 運用ガイド
- <この項の構成>
- (1) 機能
- (2) 説明
- (3) edit_mappingで設定する値
- (4) edit_mapfileの設定
(1) 機能
アドレスマッピングルールの設定内容を表示,変更します。
(2) 説明
プロンプト「smtpmng>」にサブコマンドのedit_mappingを入力すると,次のようなサブメニューが表示されて,プロンプトが「edit_mapping>」に変わります。メニュー番号「3」またはサブコマンドの省略系「em」を入力しても同じ結果になります。
次にedit_mappingの実行例を示します。
smtpmng> edit_mapping 設定する項目の番号を入力して下さい。 0. 設定項目一覧の表示 1. 現在の設定値表示 2. アドレスマッピングルール(mapping_mode) 3. ユーザ情報の更新ルール(modifying_dbfile) 4. DBマッピング時の大文字・小文字の扱い(filter_address) 99. edit_mappingサブコマンドの終了 edit_mapping>設定内容を表示する場合は,メニュー番号「1」を入力してください。
edit_mapping> 1 現在の設定値: MAPPING_MODE = db PERMISSION_MODE = send_recv_deny MODIFYING_DBFILE = manual FILTER_ADDRESS = all edit_mapping>プロンプト「edit_mapping>」の状態でメニュー番号「2」〜「4」を入力してください。メニュー番号を入力すると,現在の設定値を表示してから,変更値と確認(Yes/No)の入力を求めてきます。また,設定項目によっては続けて関連項目を設定します。
メニュー番号「2」を入力した場合を次に示します。
edit_mapping> 2 アドレスマッピングルール(mapping_mode)の設定: 次の文字列を指定して下さい。 "db" : DBマッピングを使用する "all" : 全てのマッピングを使用する "pop_all" : 全てのマッピングを使用する(POPサーバ連携用) "table" : テーブルマッピングを使用する アドレスマッピングルールとして"db"を選択した場合,permission_modeの設定値は,"send_recv_deny"固定となります。 現在の設定値(MAPPING_MODE) -> db 変更する値 (MAPPING_MODE) -> allプロンプト「edit_mapping>」に99を入力するとサブコマンドを終了し,プロンプトが「smtpmng>」に変わります。
(3) edit_mappingで設定する値
edit_mappingで設定できる値は次の4種類です。
- アドレスマッピングルールの設定(mapping_mode)
E-mailアドレスとO/R形式アドレス間のマッピングルールの優先順位を設定します。デフォルトは"all"です。設定できる項目は,table,db,all,またはpop_allです。
なお,次の説明で使用しているマッピングルールの詳細は,「4.1 アドレスマッピングルール」を参照してください。
- table
- この設定値は,このバージョン以前のMail - SMTPで使用していたテーブルマッピング環境を引き継ぐための設定値です。新規に環境を構築する場合には,db,又はpop_allを推奨します。
- db
- Groupmax Address Serverのユーザ情報として登録されたE-mailアドレスを使用してアドレスマッピングを実行します。
- このモードを選択した場合,ユーザ情報としてE-mailアドレスが登録されていないユーザは,メールの送受信ができません。
- all
- tableとdbの2方式を適用してアドレスマッピングを実行します。
注※1 Post Office Protocol Version 3の略称です。
- pop_all
- Groupmax Address Server(POP3※1/IMAP4※2)と連携してマッピング処理をします。GM_SETUPコマンドのPOP3/IMAP4の設定で「優先マッピングルール」や「ドメインパート」で選択された設定値に従ってマッピングの優先順位を決定します。また,Groupmax Address Serverの設定が変更された場合には,Groupmax Address Serverの設定に同期してマッピングの優先順位を変更します。
注※2 Internet Message Access Protocol Version 4の略称です。
- 送受信者制限に関する設定(permission_mode)
Groupmax Address Serverに登録されているユーザでE-mailアドレスが設定されていないユーザに対し,送信または送受信を制限するかどうかを指定します。デフォルトは次のとおりです。
- Mail - SMTP Version2.0をVersion 6にバージョンアップした場合
MAPPING_MODEにtable,またはallが設定されていた場合は,デフォルトはallです。
MAPPING_MODEにdbが設定されていた場合は,デフォルトはsend_recv_denyです。
- Mail - SMTP Version 6を新規にインストールした場合
デフォルトはallです。
- all
- 送受信者を制限しません。
- send_deny
- E-mailアドレス未登録者のGroupmax Mailユーザからインターネットへのメールの送信を制限します。また,インターネットへの送信するメールにE-mailアドレス未登録者が同報者として指定されていた場合には,同報者の宛先の中から未登録者の宛先を削除します。
この設定項目は,mapping_modeの設定に引き続いて関連項目として設定できるようになります。
- send_recv_deny
- E-mailアドレス未登録者のGroupmax Mailユーザとインターネット間のメールの送受信を制限します。また,送受信するメールにE-mailアドレス未登録者が同報者として指定されていた場合には,同報者の宛先の中から未登録者の宛先を削除します。
- ユーザ情報の更新ルールの設定(modifying_dbfile)
ニックネーム,E-mailアドレスといったGroupmax Address Serverの情報が更新された場合に,Mail - SMTPの情報も動的に更新するかどうかを指定します。デフォルトはmanualです。
- auto
- Groupmax Address Serverのユーザ情報が変更された場合,その変更情報を自動的に取り込みます。
- 変更情報がMail - SMTPに反映される間隔は2時間毎です。
この設定項目は,必ずGroupmax Address Serverが停止している状態で設定してください。Groupmax Address Server起動中に設定項目を変更した場合,変更後の動作は反映されませんのでGroupmax Address Serverを再起動してください。また,Groupmax Address Server起動中に設定項目を変更した場合,エラーメッセージが出力される場合があります。
- manual
- Groupmax Address Serverの情報が変更された場合でも,その変更情報は取り込みません。
- 変更情報を反映する場合は,dbmapコマンドを実行してください。
- 注意
- 変更情報のニックネームに「日本語」が含まれていると,そのユーザについてのエラーログ(Smtpgw187)が出力されますが,DBマッピングファイルの更新処理は正常に行われます。
- DBマッピング時の大文字・小文字の扱いの設定(filter_address)
DBマッピングによってアドレスマッピングを行う場合に,DBマッピングファイル登録されているE-mailアドレスと受信者のE-mailアドレスを比較する際に大文字・小文字を同じに扱うかどうかを設定します。デフォルトはnoneです。
- all
- E-mailアドレスの全体の大文字・小文字を同じ扱いにする。
- domainpart
- E-mailアドレスのドメインパートだけ,大文字・小文字を同じ扱いにする。
- none
- E-mailアドレスの全体の大文字・小文字を別々の文字として扱う。
- 注意
- Groupmax Address Serverで,大文字・小文字の違いしかないE-mailアドレスが登録されている場合にallに設定すると,DBマッピングファイル作成を行うことができますが,該当するE-mailアドレスが登録されているユーザについてはDBマッピングを行うことができません。該当するユーザについては,dbmapコマンドによるDBマッピングファイル作成時に,エラーログを出力しています。また,ユーザ情報の自動更新機能をご使用の場合も同様にエラーログを出力しています。
(4) edit_mapfileの設定
mapping_modeの設定でtable,all,pop_allのいずれかを指定した場合,「テーブルマッピング機能を使用しますか?(Yes/No)」のメッセージが表示されます。
アドレスマッピングルールとしてall,pop_allを選択した場合には,"n"を入力し,テーブルマッピング機能を使用しないことを推奨します。
"y"を入力した場合,テーブルマッピングファイルを設定するために,次のようなメニューメッセージが表示されて,プロンプトが「edit_mapfile>」に変わります。
変更する値 (MAPPING_MODE) -> pop_all テーブルマッピング機能を使用しますか?(Yes/No)y マッピングテーブルの設定を行ってください。 マッピングテーブルの設定: 設定する項目の番号を入力して下さい。 0.設定項目一覧の表示 1.マッピングテーブル1の設定内容表示 2.マッピングテーブル2の設定内容表示 3.マッピングテーブル1の設定内容更新 4.マッピングテーブル2の設定内容更新 99.edit_mapfileサブコマンドの終了 edit_mapfile> 1表示されたメニューから,実行する処理のメニュー番号を選択してください。
- マッピングテーブルの設定内容を表示する場合は,1または2を選択してください。
- マッピングテーブルの設定内容を更新する場合は,3または4を選択してください。
次に,マッピングテーブルの設定内容を表示する場合と,マッピングテーブルの設定内容を更新する場合の詳細を説明します。
- マッピングテーブルの設定内容の表示
- 現在の設定値を表示するには,1または2を選択します。
- 最初に表示される次のメッセージに従って,表示する範囲をプロンプト(-->)から指定してください。
表示範囲の指定: 次の入力で表示範囲を指定して下さい。 "ALL"文字列 : 全設定を表示 開始番号 - 終了番号: 範囲の設定を表示 番号 : 指定番目の設定を表示 -->例えば,次のように指定します。
- すべてのマッピングテーブルを表示する場合
--> ALL- 3番目から6番目のマッピングテーブルを表示する場合
--> 3-6- 3番目のマッピングテーブルだけを表示する場合
--> 3
- マッピングテーブルの設定内容の更新
- このメニューから3または4を選択すると,テーブルマッピングファイル1およびテーブルマッピングファイル2に格納されているマッピングテーブルの設定値が変更されます。
- なお,「マッピングテーブル1の設定内容変更」と「マッピングテーブル2の設定内容更新」の操作方法は同じです。ここでは,「マッピングテーブル1の設定内容更新」を例にして説明します。
edit_mapfile> 3 設定する項目の番号を入力して下さい。 0. 設定項目一覧の表示 1. マッピング情報の変更 2. マッピング情報の追加 3. マッピング情報の削除 99. 終了 update_mapfile>表示されたメニューから,実行する処理のメニュー番号を選択してください。
- マッピング情報を変更するには,1を選択します。
詳細は,「(a) マッピング情報の変更」で説明します。
- マッピング情報を追加するには,2を選択します。
詳細は,「(b) マッピング情報の追加」で説明します。
- マッピング情報を削除するには,3を選択します。
詳細は,「(c) マッピング情報の削除」で説明します。
- マッピングテーブルの設定を終了するには,99を選択します。
詳細は,「(d) マッピングテーブルの設定の終了」で説明します。
(a) マッピング情報の変更
マッピング情報を変更するには,1を選択します。
変更するマッピングテーブルの番号を指定すると,現在の設定内容と入力用プロンプトが表示されます。変更する項目に値を入力してください。
なお,国名と主官庁領域名は必ず入力します。国名と主官庁領域名以外で値を入力しない場合は,リターンキーだけを押してください。
update_mapfile> 1 何番目のマッピング情報を変更しますか? 3 現在の設定値(X400:国名 ) -> JP 変更する値 (X400:国名 ) -> US [USに変更] . . . 現在の設定値(X400:部門名4 ) -> HITACHI 変更する値 (X400:部門名4 ) -> [値を入力しない場合はリターンキー] 現在の設定値(INET:ドメイン名 ) -> table.hitachi.co.jp 変更する値 (INET:ドメイン名 ) -> att.soft変更する値の入力が終了したら,変更結果が表示されます。入力値が正しければ,YESを入力します。その後,メッセージに従って,テーブルマッピングファイル2へ反映するかどうかを指定してください。
- 注意
- サブコマンドedit_domainで設定した「INTERNETDOMAIN」と同じドメイン名を登録しないでください。このドメイン名を登録した場合,そのドメイン名を持つユーザはインターネットにメールを送ることができなくなります。
- 注意
- サブコマンドedit_mappingから登録するMail - SMTPのインターネットドメイン名は,ネットワーク中でユニーク,かつインターネットとメールが送受信できるドメイン名を指定してください。
(b) マッピング情報の追加
マッピング情報を追加するには,2を選択します。表示される各項目に必要な値を入力してください。
なお,国名と主官庁領域名は必ず入力します。国名と主官庁領域名以外で,値を追加しない項目は,リターンキーだけを押してください。
次に例を示します。
update_mapfile> 2 X400:国名 -> JP X400:主官庁領域名 -> ADMD X400:私設領域名 -> PRMD X400:組織名 -> TOPORG X400:部門名1 -> ORG X400:部門名2 -> [リターンキーだけ] X400:部門名3 -> [リターンキーだけ] X400:部門名4 -> [リターンキーだけ] INET:ドメイン名 -> table.hitachi.co.jp入力が終了すると,入力結果が表示されます。入力値が正しければ,YESを入力します。その後,メッセージに従って,テーブルマッピングファイル2へ反映するかどうかを指定してください。
00005 X400DOMAIN=/C=JP/ADMD=ADMD/PRMD=PRMD/O=TOPORG/OU=ORG/ INETDOMAIN=table.hitachi.co.jp 設定しますか? (Yes/No) Yes マッピングテーブル2に反映しますか? (Yes/No) Yes マッピングテーブル2に既にエントリがあります。 変更を反映しますか? (Yes/ No) Yes
- 注意
- サブコマンドedit_domainで設定した「INTERNETDOMAIN」と同じドメイン名を登録しないでください。このドメイン名を登録した場合,そのドメイン名を持つユーザはインターネットにメールを送ることができなくなります。
- 注意
- サブコマンドedit_mappingから登録するMail - SMTPのインターネットドメイン名は,ネットワーク中でユニーク,かつインターネットとメールが送受信できるドメイン名を指定してください。
(c) マッピング情報の削除
マッピング情報を削除するには,3を選択します。
削除するマッピングテーブルを指定すると,現在の設定内容が表示され,削除するかどうかを問い合わせてきますので,YesかNoを入力してください。
また,テーブルマッピングファイル2に,関連情報が設定されている場合には,その削除についても問い合わせてきます。
update_mapfile> 3 何番目のマッピング情報を削除しますか? 5 00005 X400DOMAIN=/C=JP/ADMD=ADMD/PRMD=PRMD/O=TOPORG/OU=ORG/ INETDOMAIN=table.hitachi.co.jp 削除しますか? (Yes/No) Yes マッピングテーブル2に関連するマッピング情報があります。 00005 X400DOMAIN=/C=JP/ADMD=ADMD/PRMD=PRMD/O=TOPORG/OU=ORG/ INETDOMAIN=table.hitachi.co.jp マッピングテーブル2からも削除しますか? (Yes/No) No(d) マッピングテーブルの設定の終了
マッピングテーブルの設定を終了するには,メニューから99を選択します。
update_mapfile> 99 edit_mapfile> 99
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