2.5.9 setup-local-dcom
DCOMの設定および設定の解除
書式
asadmin [asadmin-options] setup-local-dcom [--help] [--unsetup={false|true}] [--verbose={false|true}] [--force={false|true}]
格納先
Application Serverインストールディレクトリー/javaee/glassfish/bin
機能
setup-local-dcomサブコマンドは、DCOMリモート・プロトコル経由での通信ができるようにWindowsレジストリーを設定します。DCOMリモート・プロトコルは、Windowsシステムでだけ使用できます。
このサブコマンドは、DCOMを設定するノードホストのOSの管理者ユーザーで実行してください。
ホスト上でDCOMを設定すると、リモートホストからホスト上でスクリプトを実行できるようになります。リモートホストからホスト上でスクリプトを実行するには、Windowsレジストリーキーへのフルコントロールが許可されている必要があります。
Windowsの一部のバージョンでは、NT SERVICE\TrustedInstallerのユーザーだけが、これらのWindowsレジストリーキー に対してフルコントロールを持っています。ホスト上のWindowsがこの構成の場合、このサブコマンドはレジストリーキーを変更してユーザーにフルコントロールを与えます。
- 重要
-
このサブコマンドはWindowsのレジストリー情報を更新します。そのため、サブコマンドを実行する前にあらかじめレジストリーをバックアップしてください。
デフォルトでは、このサブコマンドの実行時にWindowsレジストリーを更新するかどうかの確認画面が表示されます。 確認画面を表示しないでサブコマンドを実行するには、--forceオプションにtrueを設定してください。
このサブコマンドでWindowsレジストリーを更新したあと、RemoteRegistryサービスを再起動してください。
このサブコマンドはローカルモードだけサポートします。
このサブコマンドは、次に示すDCOMアプリケーションを利用可能にするためにレジストリーを更新します。--unsetupオプションが指定された場合は、次のDCOMアプリケーションを利用不可にするためにレジストリーを更新します。
-
Windows Script Host Shell Object(WSH)
アプリケーションID={72C24DD5-D70A-438B-8A42-98424B88AFB8}
-
WBEM Scripting Locator(WMI)
アプリケーションID={76A64158-CB41-11D1-8B02-00600806D9B6}
セットアップ時に、このサブコマンドで変更されるレジストリーの設定内容について説明します。
サブコマンドを実行するホストのレジストリーで、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\CLSID\およびHKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\の次に示すキーのアクセス許可設定※が変更されます。
-
キー:{72C24DD5-D70A-438B-8A42-98424B88AFB8}
-
キー:{76A64158-CB41-11D1-8B02-00600806D9B6}
- 注※
-
アクセス許可設定の変更内容を次に示します。
所有者:Administratorsに変更されます。
アクセス許可エントリー:次に示すエントリーおよびアクセス許可設定に変更されます。
-
Administrators:特殊なアクセス許可(フルコントロール相当)
-
Everyone:読み取り許可
-
サブコマンドを実行するホストのレジストリーで、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\CLSID\およびHKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\の次に示すキーに、値が登録されます。
-
キー:{72C24DD5-D70A-438B-8A42-98424B88AFB8}
値の名前:AppID
値のデータ:{72C24DD5-D70A-438B-8A42-98424B88AFB8}
-
キー:{76A64158-CB41-11D1-8B02-00600806D9B6}
値の名前:AppID
値のデータ:{76A64158-CB41-11D1-8B02-00600806D9B6}
サブコマンドを実行するホストのレジストリーで、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\AppID\およびHKEY_CLASSES_ROOT\AppID\の次に示すキーおよび値が登録されます。
-
キー:{72C24DD5-D70A-438B-8A42-98424B88AFB8}
値の名前:DllSurrogate
値のデータ:なし
-
キー:{76A64158-CB41-11D1-8B02-00600806D9B6}
値の名前:DllSurrogate
値のデータ:なし
このサブコマンドを実行するホストのレジストリーにHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\RemoteRegistryキーが存在する場合、値は次のとおり変更されます。
-
値の名前:DisableIdleStop
-
値のデータ:1
アンセットアップ時に、このサブコマンドで変更されるレジストリーの設定内容について説明します。
サブコマンドを実行するホストのレジストリーで、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\CLSID\およびHKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\の次に示すキーから次の値が削除されます。
-
キー:{72C24DD5-D70A-438B-8A42-98424B88AFB8}
値の名前:AppID
-
キー:{76A64158-CB41-11D1-8B02-00600806D9B6}
値の名前:AppID
サブコマンドを実行するホストのレジストリーで、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\AppID\およびHKEY_CLASSES_ROOT\AppID\の次に示すキーが削除されます(キーに登録された値も削除されます)。
-
キー:{72C24DD5-D70A-438B-8A42-98424B88AFB8}
-
キー:{76A64158-CB41-11D1-8B02-00600806D9B6}
このサブコマンドを実行するホストのレジストリーにHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\RemoteRegistryキーが存在する場合、値は次のとおり変更されます。
-
値の名前:DisableIdleStop
-
値のデータ:0
実行権限
-
管理者アカウント
引数
- --help | -?
-
このサブコマンドのヘルプテキストを表示します。
- --force={false|true}
-
Windowsレジストリーの更新時に、ユーザーに確認を求めるかどうかを指定します。
型:Boolean
指定できる値を次に示します。
-
false
Windowsレジストリーを更新するための確認が表示されます。
-
true
Windowsレジストリーを更新するための確認が表示されないで、強制的に更新されます。
デフォルト値:false
-
- --verbose={false|true}
-
DCOMの設定情報を表示するかどうかを指定します。
型:Boolean
指定できる値を次に示します。
-
false
DCOMの設定情報を表示しません。
-
true
DCOMの設定情報を表示します。
デフォルト値:false
-
- --unsetup={false|true}
-
DCOMの設定を解除するかどうかを指定します。
型:Boolean
指定できる値を次に示します。
-
false
DCOMの設定を解除しません。
-
true
DCOMの設定を解除します。
デフォルト値:false
-
使用例
次の例では、サブコマンドを実行するホスト上にDCOMの設定をします。
asadmin setup-local-dcom Caution: This command might modify the permissions of some keys in the Windows registry. Before running this command, back up the Windows registry. The modification allows the Windows user full control over these keys. Are you sure that you want to edit the Windows registry? If so, type yes in full: yes Command setup-local-dcom executed successfully.
戻り値
戻り値 |
説明 |
---|---|
0 |
サブコマンドの実行に成功しました。 |
1 |
サブコマンドの実行中にエラーが発生しました。 |
注意事項
-
--unsetupオプションにtrueが指定されている場合、このサブコマンドは次のアプリケーションをDCOMの設定から削除します。DCOMを使用しているほかのプログラムがこれらのアプリケーションに依存している場合は、このサブコマンドに--unsetup=trueを指定して実行しないでください。
削除されるアプリケーション:
-
Windows Script Host Shell Object(WSH)
アプリケーションID={72C24DD5-D70A-438B-8A42-98424B88AFB8}
-
WBEM Scripting Locator(WMI)
アプリケーションID={76A64158-CB41-11D1-8B02-00600806D9B6}
-
-
Windows 8以降またはWindows Server 2012以降で--unsetupオプションにtrueが指定されている場合、このサブコマンドはRemoteRegistryサービスのIdleStop機能をOSのデフォルト設定に戻します。デフォルトの設定では、IdleStop機能は有効です。
IdleStop機能を無効のままにする場合、--unsetup=trueを指定しないでください。または、このサブコマンドに--unsetup=trueを指定して実行したあと、次のレジストリーの値を手動で1に修正してください。
レジストリーの値:
-
キー:HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\RemoteRegistry
-
値の名前:DisableIdleStop
-
-
レジストリーキーHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\RemoteRegistryが存在しない場合、このサブコマンドはDisableIdleStopの値を設定しません。