Hitachi

 Hitachi Application Server V10 ユーザーズガイドWindows®用)


9.11 Application ServerまたはApplication Server for Developersをバージョンアップする

Application ServerまたはApplication Server for Developersをバージョンアップするには、旧バージョンのドメインを新バージョンに適用するためのアップグレードが必要です。 この作業には、asadminユーティリティーコマンドのbackup-domainサブコマンドで、旧バージョンのドメインのバックアップファイルを作成し、新バージョンをインストールしたあとに、asadminユーティリティーコマンドのrestore-domainサブコマンドで、ドメインを新環境にリストアします。このリストアしたドメインに対してasadminユーティリティーコマンドのstart-domainサブコマンドを実行して、ドメイン管理サーバの構成をアップグレードします 。

前提条件

想定ユーザー

操作手順

  1. 旧バージョンの環境情報のバックアップを取得します。

    1. 旧バージョンの環境で稼働中のすべてのサーバおよびすべてのドメイン管理サーバを停止します。

    2. asadminユーティリティーコマンドのbackup-domainサブコマンドを実行して、旧バージョンの環境情報のバックアップファイルを出力します。

      asadmin backup-domain 
      --backupdir バックアップファイルの格納ディレクトリー ドメイン名

      コマンドの実行結果を次に示します。

      Command  backup-domain executed successfully.
    3. 次に示すバックアップファイルが出力されたことを確認します。

      バックアップファイルの格納ディレクトリー/ドメイン名/ドメイン名_YYYY_MM_DD_v通番.zip

      通番は、00001から始まる数値が割り当てられます。

  2. 新バージョンをインストールします。

    1. 旧バージョン環境で稼働中のすべてのサーバおよびすべてのドメイン管理サーバを停止します。

    2. 新バージョンをインストールします。

      インストールの種類を次に示します。

      新規インストール:旧バージョンがインストールされているマシンとは別のマシンに、新バージョンをインストールする

      複数インストール:旧バージョンがインストールされているマシンで、別のディレクトリーに新バージョンをインストールする

      上書きインストール:旧バージョンがインストールされているマシンで、同じディレクトリーに新バージョンをインストールする

      複数のJava EEサーバを配置するクラスター構成にする場合は、リモートホストごとにインストールを実行します。

    3. インストール後のマシンの再起動でドメイン管理サーバ が起動している場合は、ドメイン管理サーバ を停止します。

  3. 旧バージョンでバックアップを取得した環境情報を、新バージョンの環境に移行します。

    上書きインストールをした場合、この作業は不要です。

    1. 旧バージョンのJava EE Serverの環境変数定義ファイル(asenv.bat)に追加した環境変数を、新バージョンの同じファイルに設定します。

      Java EE Serverの環境変数定義ファイル

      インストールディレクトリー/javaee/glassfish/config/asenv.bat

      インストールディレクトリーには、Application ServerまたはApplication Server for Developersのインストールディレクトリーを指定します。

    2. 新バージョンの環境で、asadminユーティリティーコマンドのrestore-domainサブコマンドを実行して、バックアップした旧バージョンの環境情報を新バージョンの環境にリストア(復元)します。

      asadmin restore-domain 
      --backupdir バックアップファイルの格納ディレクトリー 環境情報をリストアするドメイン名
    3. リストアしたドメインのドメインディレクトリーを参照して、環境情報が復元されたことを確認します。

  4. ドメインのアップグレードをします。

    1. 新バージョンの環境で、asadminユーティリティーコマンドのstart-domainサブコマンドに--upgradeオプションを指定して実行し、ドメインのアップグレードをします。

      asadmin start-domain --upgrade ドメイン名

      コマンドの実行結果を次に示します。

      Command start-domain executed successfully.
      The DAS was stopped.

      このとき、コンソールを参照して、 SEVERE、 ALERT、または EMERGENCY レベルのメッセージが出力されていないことを確認します。

    2. 新バージョンの環境で、ドメインディレクトリー以下に出力された osgi-cache-数字という名称のディレクトリーを削除します。

      ドメインのアップグレードを実行すると、ドメインディレクトリー以下にあったOSGiキャッシュディレクトリーが

      osgi-cache-数字

      という名前にリネームされます。アップグレード後は使用しないディレクトリーであるため、削除します。

    3. asadminユーティリティーコマンドのstart-domainサブコマンドを実行して、ドメイン管理サーバを起動します。

      asadmin start-domain ドメイン名

      コマンドの実行結果を次に示します。

      Command start-domain executed successfully.
    4. asadminユーティリティーコマンドのupdate-node-configサブコマンドまたはupdate-node-dcomサブコマンドを実行して、各ノードのインストールディレクトリーを新バージョンのインストールディレクトリーに変更します。

      ローカルホストのノードの場合

      asadmin update-node-config 
      --installdir 新バージョンのインストールディレクトリー/javaeeの絶対パス 
      --nodedir ノードディレクトリー ノード名

      DCOM接続のノードの場合

      asadmin update-node-dcom 
      --installdir 新バージョンのインストールディレクトリー/javaeeの絶対パス 
      --nodedir ノードディレクトリー ノード名

      旧バージョンの環境でノードディレクトリーをデフォルトから変更していた場合は、--nodedirオプションを指定して、ノードディレクトリーも変更します。

      ノードディレクトリーの変更が必要な場合は、ノードディレクトリーも変更してください。

      コマンドの実行結果を次に示します。

      ローカルホストのノードの場合

      Command update-node-config executed successfully.

      DCOM接続のノードの場合

      Command update-node-dcom executed successfully.
  5. 動作確認をします。

    1. ドメイン上のサーバを起動し、サーバの動作確認とアプリケーションのテストを実施します。

    2. テストで問題がないことを確認したら、新バージョンの本番環境として運用を開始します。

  6. 必要に応じて、旧バージョンの環境を削除します。

    上書きインストールした場合は、この手順は不要です。

    旧バージョンの環境を複数のJava EEサーバを配置するクラスター構成にしていた場合、リモートホストごとに旧バージョンの環境をアンインストールします。