9.9 システムの動作状況を確認する
マシン構成や環境定義の見直しなどに向けて現状分析するため、稼働情報ファイルを参照し、システムの動作状況を確認します。稼働情報ファイルには、Java EEサーバを対象に、Application Serverの稼働情報収集機能によって定期的に収集されたシステムの稼働情報が出力されます。このファイルを基に、システムの動作状況を示す情報を確認、分析します。
前提条件
-
Application Serverがセットアップされている
-
サーバインスタンスでアプリケーションが稼働している
想定ユーザー
- システム構築者
操作手順
-
稼働情報ファイルの出力先ディレクトリーから、確認対象の期間に該当するファイルを取得します。
デフォルトの出力先ディレクトリーは、Application Serverのインストールディレクトリー/javaee/logs/nodes/ノード名/サーバインスタンス名/statistics です。
-
取得した稼働情報ファイルを参照し、システムの動作状況を確認します。
参照する稼働情報ファイルと確認項目を次に示します。ファイル名のYYYYMMDDhhmmにはファイル出力時の日付と時刻が、TZにはGMT からの数値タイムゾーンオフセット(日本標準時の場合は+0900)が付与されます。
- Java VMメモリ拡張稼働情報ファイル(ファイル名:JVMMemoryExtensionsStatistics_サーバインスタンス名_YYYYMMDDhhmmTZ.csv)
確認項目
属性名
説明
ThreadBlockedCount
ThreadBlockedCount.Count
Java VM上でモニターロックのためにブロック状態にあるスレッド数
EdenUsedMemorySize
EdenUsedMemorySize.Count
現在使用されているEden領域のメモリーサイズ
EdenTotalMemorySize
EdenTotalMemorySize.Count
使用できることが保証(コミット)されているEden領域のメモリーサイズ
EdenMaxMemorySize
EdenMaxMemorySize.Count
使用できるEden領域の最大メモリーサイズ
SurvivorUsedMemorySize
SurvivorUsedMemorySize.Count
現在使用されているSurvivor領域のメモリーサイズ
SurvivorTotalMemorySize
SurvivorTotalMemorySize.Count
使用できることが保証(コミット)されているSurvivor領域のメモリーサイズ
SurvivorMaxMemorySize
SurvivorMaxMemorySize.Count
使用できるSurvivor領域の最大メモリーサイズ
TenuredUsedMemorySize
TenuredUsedMemorySize.Count
現在使用されているTenured領域のメモリーサイズ
TenuredTotalMemorySize
TenuredTotalMemorySize.Count
使用できることが保証(コミット)されているTenured領域のメモリーサイズ
TenuredMaxMemorySize
TenuredMaxMemorySize.Count
使用できるTenured領域の最大メモリーサイズ
MetaspaceUsedMemorySize
MetaspaceUsedMemorySize.Count
現在使用されているMetaspace領域のメモリーサイズ
MetaspaceTotalMemorySize
MetaspaceTotalMemorySize.Count
使用できることが保証(コミット)されているMetaspace領域のメモリーサイズ
MetaspaceMaxMemorySize
MetaspaceMaxMemorySize.Count
使用できるMetaspace領域の最大メモリーサイズ
ExplicitHeapSize
ExplicitHeapSize.Count
Explicitヒープサイズ
ExplicitMemoryBlockCount
ExplicitMemoryBlockCount.Count
Explicitヒープ領域のExplicitメモリーブロックの個数
ExplicitMemoryBlockMaxSize
ExplicitMemoryBlockMaxSize.Count
Explicitメモリブロックの最大サイズ
HttpSessionExplicitMemoryBlockMaxSize
HttpSessionExplicitMemoryBlockMaxSize.Count
HTTPセッションで取得したExplicitメモリーブロックの最大サイズ
HttpSessionExplicitMemoryBlockCount
HttpSessionExplicitMemoryBlockCount.Count
HTTPセッションで取得したExplicitメモリーブロックの個数
ContainerExplicitHeapSize
ContainerExplicitHeapSize.Count
HTTPセッションで取得したExplicitヒープ領域を除く、コンテナーが管理しているExplicitヒープサイズ
ApplicationExplicitHeapSize
ApplicationExplicitHeapSize.Count
アプリケーションおよびJava VMが管理しているExplicitヒープサイズ
- ネットワークコネクションキュー稼働情報ファイル(ファイル名:NetworkConnectionQueueStatistics_サーバインスタンス名_YYYYMMDDhhmmTZ.csv)
確認項目
属性名
説明
CountOverflows
CountOverflows.Count
コネクションキューからあふれた数(累積値)
ExCountQueued
−
キュー内にあるコネクション数
ExCountQueued.Current
コネクションキューの現在値
ExCountQueued.HighWaterMark
前回の稼働情報の出力時点からのコネクションキューに格納したコネクションの最大値
ExCountQueued.LowWaterMark
前回の稼働情報の出力時点からのコネクションキューに格納したコネクションの最小値
(凡例)−:該当しない。
- ネットワークスレッドプール稼働情報ファイル(ファイル名:NetworkThreadPoolStatistics_サーバインスタンス名_YYYYMMDDhhmmTZ.csv)
確認項目
属性名
説明
ExCurrentThreadsBusy
−
リクエストを処理するリスナースレッドプール内で使用しているリクエスト処理スレッドの数
ExCurrentThreadsBusy.Current
実行中のスレッドの現在値
ExCurrentThreadsBusy.HighWaterMark
前回の稼働情報の出力時点からの同時に実行したスレッドの最大値
ExCurrentThreadsBusy.LowWaterMark
前回の稼働情報の出力時点からの同時に実行したスレッドの最小値
(凡例)−:該当しない。
- Webセッション稼働情報ファイル(ファイル名:WebSessionStatistics_サーバインスタンス名_YYYYMMDDhhmmTZ.csv)
確認項目
属性名
説明
ActiveSessions
−
アクティブなセッションの数
ActiveSessions.Current
セッション数の現在値
ActiveSessions.HighWaterMark
前回の稼働情報の出力時点からのセッション数の最大値
ActiveSessions.LowWaterMark
前回の稼働情報の出力時点からのセッション数の最小値
(凡例)−:該当しない。
- JDBC接続プール稼働情報ファイル(ファイル名:JDBCConnectionPoolStatistics_サーバインスタンス名_YYYYMMDDhhmmTZ.csv)
確認項目
属性名
説明
NumConnUsed
−
使用されているコネクションの合計数
NumConnUsed.Current
使用中コネクションの現在値
NumConnUsed.HighWaterMark
前回の稼働情報の出力時点からの使用中となったプール内コネクションの最大値
NumConnUsed.LowWaterMark
前回の稼働情報の出力時点からの使用中となったプール内コネクションの最小値
NumConnFree
−
最後のサンプリング時点におけるプール内コネクションの合計数
NumConnFree.Current
未使用コネクションの現在値
NumConnFree.HighWaterMark
前回の稼働情報の出力時点からの未使用となったプール内コネクションの最大値
NumConnFree.LowWaterMark
前回の稼働情報の出力時点からの未使用となったプール内コネクションの最小値
(凡例)−:該当しない。
- Java VMメモリ拡張稼働情報ファイル(ファイル名:JVMMemoryExtensionsStatistics_サーバインスタンス名_YYYYMMDDhhmmTZ.csv)