4.1 構築するアプリケーション実行環境について
アプリケーション実行環境は、1つのJava EEサーバを配置する構成、または複数のJava EEサーバを配置して負荷を分散させるクラスター構成のどちらかの方法で構築できます。構築できるアプリケーション実行環境の構成や、構築方法の種別など、アプリケーション実行環境の構築の概要について説明します。
構築するアプリケーション実行環境の構成
このマニュアルで説明しているアプリケーション実行環境の構築手順では、次のどちらかの構成を構築できます。
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1つのJava EEサーバを配置する構成
Java EEサーバを1つ配置する構成です。次のマシンで構成されます。
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アプリケーション実行環境マシン兼運用管理サーバマシン
1台のマシンに、1つのJava EE サーバ、Webサーバ、パフォーマンストレーサー、およびドメイン管理サーバを配置します。各プロセスは、ドメインおよびノードで管理します。
1つのJava EEサーバを配置する構成の場合のアプリケーション実行環境の論理構成を次に示します。
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複数のJava EEサーバを配置する構成
クラスター構成にした複数のJava EEサーバを配置した構成です。別マシン上の複数のJava EEサーバをグループ化し、クラスター内の複数のJava EEサーバにリクエストを振り分けます。リクエストの振り分けにはロードバランサーを利用します。次のマシンで構成されます。
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アプリケーション実行環境マシン
複数台のアプリケーション実行環境マシンそれぞれに、Java EE サーバ、Webサーバ、およびパフォーマンストレーサーを配置します。各プロセスは、ドメイン、ノード、およびクラスターで管理します。
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運用管理サーバマシン
ドメイン管理サーバを配置します。
複数のJava EEサーバを配置する構成の場合のアプリケーション実行環境の論理構成を次に示します。
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なお、構築するアプリケーション実行環境の構成によって構築手順や指定値などが異なる個所には、「1つのJava EEサーバを配置する構成の場合」、または「複数のJava EEサーバを配置するクラスター構成の場合」と記載しています。
Application Serverのインストールおよびセットアップ後にデフォルトで作成される要素
Application Serverのインストールが完了すると、インストール先のホスト上に、ドメイン管理サーバのプロセスが起動され、次のコンポーネントが作成されます([]内は名称を示します)。なお、ドメイン管理サーバのサービス名はdomain1_サービス付与名です。サービス付与名には、日立総合インストーラーで自動生成される3桁の数字(識別子)が指定されます。
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デフォルトのドメイン[domain1]
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デフォルトのノード[localhost-domain1]
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ドメイン管理サーバのスレッドプール[admin-thread-pool、 http-thread-pool、 thread-pool-1]
アプリケーション実行環境の構築方法の種別
アプリケーション実行環境は、次のどちらの方法でも構築できます。このマニュアルでは、コマンドを利用した方法で構築手順を説明しています。
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コマンド
このマニュアルに記載されている手順のとおりに実行して構築します。コマンドは管理者権限で実行します。
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Administration Console
Administration Consoleにログインして、GUIを利用して構築します。ドメインに関する操作を除き、コマンドと同様の操作ができます。