コンテントを格納するために，ファイルシステム上に領域を確保する必要があります。確保する領域のディスク容量の見積もり方法については「2.9　リファレンスファイル管理機能を使用する場合のファイルシステムのディスク容量の見積もり」を参照してください。見積もった値よりも大きいディスク容量を確保してください。

コンテントの格納先とするディレクトリを基点としたパスをコンテント格納先ベースパスといいます。コンテント格納先ベースパスに設定するディレクトリは，あらかじめファイルシステム上の任意の領域に作成しておく必要があります。

作成したディレクトリの下に，DocumentBrokerによってコンテントが格納されます。コンテント格納先ベースパス下のコンテント格納先の例（DocumentSpace構成定義のReferenceStorageModeエントリにOriginを指定した場合）を次の図に示します。

図3-23　コンテント格納先ベースパス下のコンテント格納先の例（DocumentSpace構成定義のReferenceStorageModeエントリにOriginを指定した場合）

この例は，コンテント格納先ベースパスにはディレクトリ「\\Server1\ContentArea」を，コンテント格納先パスにはディレクトリ「USER01」を設定して，コンテント「sample.doc」が格納された場合を示しています。

コンテント格納先ベースパス下のコンテント格納先の例（DocumentSpace構成定義のReferenceStorageModeエントリにDivideを指定した場合）を次の図に示します。

図3-24　コンテント格納先ベースパス下のコンテント格納先の例（DocumentSpace構成定義のReferenceStorageModeエントリにDivideを指定した場合）

コンテント格納先ベースパス

ファイルシステム上の任意の領域に，コンテントの格納先としてシステム管理者が作成するディレクトリです。このディレクトリは，あらかじめ作成しておく必要があります。作成したディレクトリをコンテント格納先ベースパスとして設定します。

文書空間で使用する文字コード種別がUTF-8の場合，コンテント格納先ベースパスには，ASCIIコードで表せるパスを指定してください。

コンテント格納先パス

コンテント格納先ベースパスからの相対パスで指定するディレクトリです。このディレクトリは，コンテント格納時にDocumentBrokerによって作成されます。

文書空間で使用する文字コード種別がUTF-8の場合，コンテント格納先パスには，ASCIIコードで表せるパスを指定してください。

DocumentBrokerがコンテントを管理するためのディレクトリ

DocumentBrokerによって作成される，コンテントを管理するためのディレクトリです。このディレクトリの下にコンテントが格納されます。

コンテント

DocumentBrokerによってコンテントが登録，管理されます。

コンテント格納先パス，DocumentBrokerがコンテントを管理するためのディレクトリ，およびコンテントを合わせて，コンテントロケーションとしてデータベースで管理されます。

なお，コンテント格納先ベースパスの長さ，コンテント格納先パスの長さおよびファイル名の長さの合計が，次の値を超えないようにしてください。

• DocumentSpace構成定義ファイルのReferenceStorageModeエントリにOrigin（省略値）を指定した場合
  コンテント格納先ベースパスの長さ（バイト）＋コンテント格納先パスの長さ（バイト）＋ファイル名の長さ（バイト）＜OSの最大ファイルパス長（バイト）−35（バイト）
  
• DocumentSpace構成定義ファイルのReferenceStorageModeエントリにDivideを指定した場合
  コンテント格納先ベースパスの長さ（バイト）＋コンテント格納先パスの長さ（バイト）＋ファイル名の長さ（59バイト）＜OSの最大ファイルパス長（バイト）−6（バイト）
  

コンテント格納先ベースパスに指定するディレクトリには，Administratorsグループに対してだけフルコントロールのアクセス権限を設定してください。そのほかのグループまたはユーザに対しては，操作可能な権限を設定しないでください。

次に示すシステム構成の場合，必要に応じてコンテントの格納先を設定してください。

• 複数の実行環境を構成する場合
  DocumentBrokerサーバの実行環境ごとに，コンテントの格納先ディレクトリを確保してください。このとき，コンテントの格納先とするファイルシステムは，DocumentBrokerサーバが存在するマシンから接続可能なネットワーク上のマシンの共有ディスクを使用してください。ネットワーク上のマシンの共有ディスクでコンテントを管理するための設定については，「3.16.2　ネットワーク上のマシンの共有ディスクでコンテントを管理する場合の設定」を参照してください。
  
• 複数の異なる文書空間で，コンテントの格納先を同一のファイルシステムとする場合
  各文書空間で，コンテント格納先ベースパスが重複しないようにしてください。複数の異なる文書空間で同一のコンテント格納先ベースパスを使用した場合，ファイル破壊の原因となります。