7.5.4 HCSCコンポーネントの配備および削除時の回復方法
- 〈この項の構成〉
(1) 回復手順
サービスアダプタ,ビジネスプロセスおよびユーザ定義受付の配備に失敗後,再配備ができない場合や,サービスアダプタ,ビジネスプロセスおよびユーザ定義受付の削除を繰り返しても削除が完了しない場合は,次の手順で対処してください。
-
csccompoundeployコマンドに-ignoreオプションを指定して実行し,リポジトリ情報を削除します。
csccompoundeploy -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -csc <HCSCサーバ名> -name <サービスIDまたは受付ID> -ignore
その後,アプリケーションの削除が必要かどうかに応じて,次に示す手順に進んでください。
-
アプリケーションの削除が必要な場合:手順2.〜手順5.を実行してください。
-
アプリケーションの削除が不要な場合:手順5.を実行してください。
-
-
次のコマンドを実行して,削除の対象となるHCSCのアプリケーションの名称を確認します。
cscapputil -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -mng <Manager名称> -j2ee <J2EEサーバ名> -operation list
削除の対象となるHCSCのアプリケーションを次に示します。これらのアプリケーションはリソースをクラスタ内で共有しないため,すべて削除してください。
表7‒72 削除の対象となるHCSCのアプリケーション(HCSCコンポーネントの配備および削除の障害時) 項目
アプリケーション名
HCSCコンポーネント(サービスアダプタおよびビジネスプロセス)のアプリケーション
<サービスID>
HCSCコンポーネント(ユーザ定義受付)のアプリケーション
<受付ID>
-
次のコマンドを実行して,削除の対象となるHCSCコンポーネントを停止します。
cscapputil -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -mng <Manager名称> -j2ee <J2EEサーバ名> -app <アプリケーション名> -operation stop
-
次のコマンドを実行して,HCSCコンポーネントを削除します。
cscapputil -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -mng <Manager名称> -j2ee <J2EEサーバ名> -app <アプリケーション名> -operation delete
-
削除できないリソース(キュー)がある場合,「(2) HCSCサーバが使用するリソース」を参考に削除します。
ただし,クラスタ内で共有するリソースについては,クラスタ内で最後のサービスアダプタまたはビジネスプロセスを削除する場合にだけ削除してください。
-
削除できないリソース(データベーステーブルの情報)がある場合,次の手順を参考に削除します。
次のSQL文を実行して,残っている不要なリソース(データベーステーブルの情報)を削除します。
DELETE FROM CSCMSG_C<クラスタ名>_HA_ASYNC_ADP WHERE CSC_SERVER_NAME='<HCSCサーバ名>' AND ADAPTER_ID='<配備または削除に失敗した非同期サービスアダプタのサービスID>'; COMMIT;
なお,次の条件をすべて満たしていない場合は,リソース(データベーステーブルの情報)の削除をしないでください。
-
クラスタ種別に「HA」を指定してHCSCサーバをセットアップした。
-
クラスタ内で同一サービスIDの非同期サービスアダプタが配備されていない。
-
-
HCSCサーバを再起動します。
(2) HCSCサーバが使用するリソース
HCSCサーバ(サービスアダプタ,ビジネスプロセス)が使用するリソースを次の表に示します。
項番 |
項目 |
リソース名 |
種別 |
共有 |
---|---|---|---|---|
1 |
データベーステーブル |
CSCMSG_S<HCSCサーバ名>_LC_DIRECTORYテーブルのSERVICE_NAMEの列に,次のどれかが格納された行
|
T |
× |
2 |
サービスアダプタのキュー |
CSC_<クラスタ名><サービスID> |
Q |
○ |
3 |
MDB(WS-R)アダプタのキュー宛先 |
CSC<サービスID> |
U |
○ |
4 |
HCSCサーバ一時ファイル |
UserReceptionProperties_<HCSCサーバ名>_<受付ID> |
F |
× |
5 |
UserReceptionProperties_<HCSCサーバ名>_<受付ID>.old |
F |
× |
|
6 |
UserReceptionPropertiesAct_<HCSCサーバ名>_<受付ID>.old |
F |
× |
|
7 |
_cscmsg_cnfrq_<HCSCサーバ名>_<受付ID>.xml |
F |
× |
|
8 |
IAdapterName※1 |
F2 |
× |
|
9 |
IServiceKind※1 |
F2 |
× |
|
10 |
IServiceName※1 |
F2 |
× |
|
11 |
R<数字>※2 |
F2 |
× |
|
12 |
IServiceName※1 |
F3 |
× |
|
13 |
R<数字>※2 |
F3 |
× |
- (凡例)
-
○:リソースをクラスタ内で共有することを示します。
×:リソースをクラスタ内で共有しないことを示します。
「種別」列:それぞれ次の内容を示します。
-
T:データベーステーブルであることを示します。
データベーステーブルの行は,SQL命令のDELETEを実行して1行ずつ削除してください。
-
Q:Reliable Messagingのキューであることを示します。
Reliable Messagingのキューは,hrmstopコマンドを実行して管理状態へ移行したあと,hrmdelqueコマンドを実行して削除してください。コマンドの詳細は,マニュアル「Reliable Messaging」の「8.3.26 hrmstop(管理状態への移行)」を参照してください。
-
U:Reliable Messagingの転送キューに設定する宛先であることを示します。
Reliable Messagingの転送キューに設定する宛先は,hrmstopコマンドを実行して管理状態へ移行したあと,hrmdeladdrコマンドを実行して削除してください。コマンドの詳細は,マニュアル「Reliable Messaging」の「8.3.6 hrmdeladdr(あて先削除)」を参照してください。
-
F:HCSCサーバ一時ファイルであることを示します。
ファイルを削除したい場合は,「<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\system\msg」にあるファイルを削除してください。
-
F2:HCSCサーバ一時ファイルであることを示します。
ファイルを削除したい場合は,HCSCサーバセットアップ定義ファイルのhcscserver-data-filepathプロパティを指定していれば,「<hcscserver-data-filepathで指定したディレクトリ>\inf\<HCSCサーバ名>\LC_DIRECTORY」ディレクトリにあるリソース(ファイル)を削除してください。hcscserver-data-filepathプロパティにディレクトリを指定していない場合は,「<hcscserver-data-filepathのデフォルトのディレクトリ>\inf\<HCSCサーバ名>\LC_DIRECTORY」ディレクトリにあるリソース(ファイル)を削除してください。
-
F3:HCSCサーバ一時ファイルであることを示します。
ファイルを削除したい場合は,HCSCサーバセットアップ定義ファイルのhcscserver-data-filepathプロパティを指定していれば,「<hcscserver-data-filepathで指定したディレクトリ>\inf\<HCSCサーバ名>\LC_BPFORMAT」ディレクトリにあるリソース(ファイル)を削除してください。hcscserver-data-filepathプロパティにディレクトリを指定していない場合は,「<hcscserver-data-filepathのデフォルトのディレクトリ>\inf\<HCSCサーバ名>\LC_BPFORMAT」ディレクトリにあるリソース(ファイル)を削除してください。
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- 注※1
-
ファイル自体は削除しないで,ファイル内容だけ削除してください。
- 注※2
-
ファイル内のSERVICE_NAMEの行に,次のどれかが格納されたファイルです。
-
削除対象のサービスアダプタのサービス名
-
削除対象のビジネスプロセス名
-
削除対象のユーザ定義受付は次の形式
:Reception_<削除対象のユーザ定義受付の受付ID>:<削除対象のユーザ定義受付の受付名>
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- 注意事項
-
-
J2EEサーバ上のHCSCコンポーネントを削除する場合には,cscapputilコマンドを使用します。J2EEサーバのコマンドでは削除できません。
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cscapputilコマンドは,障害を回復する場合にだけ使用してください。通常運用時や構築時には,このコマンドを使用しないでください。
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cscapputilコマンドで,アプリケーションを削除した場合,サービスプラットフォームのシステムを破壊するおそれがあります。そのため,十分に注意して運用してください。
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