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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド


5.10.3 実行環境の独自定義ファイル設定機能を使用した独自定義ファイルの定義手順

実行環境の独自定義ファイル設定機能は,所定のディレクトリ下に独自定義ファイルを配置すると,特定のタイミングで読み込まれる機能です。配置された独自定義ファイルは,読み込まれる前に更新・削除することもできます。

この機能を使用する場合,独自定義ファイルのファイル名と,読み込まれるタイミングは,独自定義ファイルの種類によって異なります。詳細については,「5.10.1 独自定義ファイルの種類」を参照してください。

ここでは,実行環境の独自定義ファイル設定機能を使う場合の,独自定義ファイルの格納先ディレクトリと,独自定義ファイルの設定手順を説明します。

〈この項の構成〉

(1) 独自定義ファイルの格納先ディレクトリ

(a) デフォルト状態の独自定義ファイルの格納先ディレクトリ

デフォルト状態の,独自定義ファイルの格納先ディレクトリを次に示します。

<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\config
 └services
  └<HCSCサーバ名>
   └<受付ID>または<サービスID>

ディレクトリ「services」より下位のディレクトリは,ユーザが必要に応じて作成できます。ディレクトリには,HCSCサーバの管理者(Service Coordinator管理者)のアクセス権限を設定してください。

ディレクトリの作成方法を次に示します。

<HCSCサーバ名>

ディレクトリ名には,対象となるHCSCサーバの名前を定義します。

このディレクトリには,HCSCサーバごとの独自定義ファイルを格納します。

<受付ID>または<サービスID>

ディレクトリ名には,対象となるHCSCコンポーネントの名前を定義します。ユーザ定義受付の受付ID,またはサービスアダプタのサービスIDです。

このディレクトリには,サービスIDまたは受付IDごとの独自定義ファイルを格納します。

注※

Windowsの場合,ディレクトリ名およびファイル名は大文字と小文字が区別されません。そのため,同じHCSCサーバ内で大文字・小文字だけが異なるIDが複数定義されている場合,この機能で使用するときの動作は保証しません。

(b) 格納先ディレクトリの変更方法

独自定義ファイルの格納先ディレクトリは,HCSCサーバランタイム定義ファイルのdefinition-file-base-pathプロパティで変更できます。変更するための前提条件と手順を次に示します。

前提条件

独自定義ファイルの格納先ディレクトリを変更するには,次の条件を満たす必要があります。

  • HCSCサーバが停止状態または起動状態であること

  • 対象となるHCSCコンポーネントが配備前であること

手順
  1. HCSCサーバランタイム定義ファイルのdefinition-file-base-pathプロパティで,変更後のディレクトリを定義します。

    HCSCサーバランタイム定義ファイルの定義方法については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.5.6 HCSCサーバランタイム定義ファイル」を参照してください。

  2. cscsvconfigコマンドに,HCSCサーバランタイム定義ファイルに定義したHCSCサーバの定義情報を指定して,実行します。

  3. definition-file-base-pathプロパティで指定した独自定義ファイル格納ディレクトリ配下に,ディレクトリを作成します。ディレクトリ名はHCSCサーバ名としてください。

  4. 3.で作成したディレクトリ配下に,ディレクトリを作成します。ディレクトリ名は,受付IDまたはサービスIDとしてください。

  5. 4.で作成したディレクトリ配下に,独自定義ファイルを配置します。

  6. HCSCサーバを再起動します。

    HCSCサーバランタイム定義ファイルの定義情報が反映されます。

  7. 対象のHCSCコンポーネントを配備および起動します。

注意事項

対象となるHCSCコンポーネントの配備後に,実行環境の独自定義ファイルの格納先を変更しないでください。変更した場合の動作は保証しません。

(2) 独自定義ファイルの新規設定手順

独自定義ファイルを新規設定するための前提条件と手順を次に示します。

前提条件

対象となるHCSCコンポーネントが配備前であること。

手順
  1. 独自定義ファイル格納ディレクトリ配下に,ディレクトリを作成します。ディレクトリ名はHCSCサーバ名としてください。

    独自定義ファイル格納ディレクトリについては,「(1) 独自定義ファイルの格納先ディレクトリ」を参照してください。

  2. 1.で作成したディレクトリ配下に,ディレクトリを作成します。ディレクトリ名は,受付IDまたはサービスIDとしてください。

  3. 2.で作成したディレクトリ配下に,独自定義ファイルを配置します。

    配置するファイルの名称は,HCSCコンポーネントごとに決められています。ファイル名は「5.10.1 独自定義ファイルの種類」を参照してください。

  4. 対象のHCSCコンポーネントを配備および起動します。

    HCSCコンポーネントの配備中は,対応する独自定義ファイルを変更しないてください。

    ディレクトリ配下に独自定義ファイルが格納されていない場合は,開発環境でパッケージングしたアーカイブファイル(EAR/JAR)内の独自定義ファイルが読み込まれます。

(3) 独自定義ファイルの更新・削除手順

実行環境に配置した独自定義ファイルをディレクトリ配下で更新または削除する場合の前提条件と手順を示します。

前提条件

対象となるコンポーネントが配備前であること。

手順
  1. 対象のHCSCコンポーネントのディレクトリ配下にある独自定義ファイルを更新または削除します。

  2. 対象のHCSCコンポーネントを配備および起動します。

    HCSCコンポーネントの配備中は,対応する独自定義ファイルを変更しないてください。

注意事項
  • 対象となるHCSCコンポーネントの配備後に,実行環境の独自定義ファイルの追加・更新・削除はしないでください。実施した場合の動作は保証しません。

  • 独自定義ファイル設定機能の実行対象となるHCSCコンポーネントを削除したあと,サービスIDまたは受付IDが同じで種別が異なるHCSCコンポーネントのリポジトリをインポートする場合は,削除したHCSCコンポーネントの独自定義ファイルを事前に実行環境から削除してください。

  • 実行環境への独自定義ファイルの配置後にエクスポートしたリポジトリには,実行環境に配置した独自定義ファイルは含まれません。

  • csccompoconfigコマンドでの更新はしないでください。実行した場合の動作は保証しません。