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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ Webサービス開発ガイド


39.3.4 ログの重要度と出力条件

ログの重要度,および出力条件について説明します。

〈この項の構成〉

(1) ログの重要度

ログの重要度,およびメッセージの出力内容を次の表に示します。

表39‒9 重要度の意味と出力内容

項番

重要度

メッセージの意味

メッセージ出力内容

1

ERROR

重大な障害を示すメッセージレベルです。

問題が発生して,処理が継続できなかった場合に出力されます。

処理を継続するには,対処が必要です。

メッセージIDのインジケータから,-Eのメッセージが出力されます。メッセージには,発生した例外などの障害情報および対処方法が出力されます。

2

WARN

潜在的な問題を示すメッセージレベルです。

問題が発生していても,処理が継続できる場合に出力されます。

早急な対処は必要ありませんが,対処することが望ましい潜在的な問題があります。

メッセージIDのインジケータから,-Wのメッセージが出力されます。メッセージには,発生した例外などの障害情報および対処の内容が出力されます。

(例)

定義が誤りなので,デフォルトの値を使用した。

3

INFO

情報を提供するメッセージレベルです。

対処は必要ありませんが,通知する必要がある情報が出力されます。

メッセージIDのインジケータが,-Iのメッセージを出力します。メッセージには通知する内容が出力されます。

(例)

コマンドの処理が開始した。

4

DEBUG

DEBUGレベルのメッセージです。

障害の要因調査で使用する情報です。

メッセージIDがKDJW99999-I(Webサービスの場合)またはKDJJ99999-I(Webリソースの場合)のメッセージが出力されます。

(例)

実行時の環境,メソッドトレースなど。

設定ファイルにログレベルの定義をした場合,出力されるログの重要度については,「39.3.6 ログの設定方法」を参照してください。

(2) 稼働ログ/例外ログ/保守ログの出力条件

稼働ログ,例外ログ,および保守ログは,動作定義ファイルに設定したログの定義によって出力内容が変更されます。

稼働ログ,例外ログ,および保守ログの出力条件を次の表に示します。

表39‒10 稼働ログ/例外ログ/保守ログの出力条件(イベントの重要度)

ログの種類

ログの定義

発生したイベントの重要度

ERROR

WARN

INFO

DEBUG

稼働ログ

例外ログ

NONE

ERROR

WARN

INFO

DEBUG

保守ログ

NONE

ALL

(凡例)

○:ログが出力されます。

−:ログが出力されません。

注※

例外ログは例外情報がない場合は出力されません。なお,例外情報とは,イベントを発生する原因となった例外のスタックトレースを指します。

ログの定義のデフォルト設定は,稼働ログと例外ログの出力レベルが「INFO」,保守ログの出力レベルが「ALL」です。つまり,デフォルト設定の状態で重要度が「ERROR」のイベントが発生した場合,稼働ログ,保守ログ,および例外ログのすべてにログが出力されます。

出力される稼働ログおよび例外ログの量は,ログの定義をNONE,ERROR,WARN,INFO,DEBUGへと変更するごとに増加する可能性が高くなります。より多くのログが出力されるようにログの定義を変更することを,出力レベルを上げると呼びます。ログの量が増加すると,全体の処理速度が低下するおそれがあるので,出力レベルを上げる場合は,処理速度や面数の見積もりに注意してください。

(3) 通信ログの出力条件

通信ログは,動作定義ファイルに設定したログの定義によって出力内容が変更されます。ただし,Webサービスクライアント,Webサービス,Webリソースクライアント,またはWebリソースによって,設定するプロパティが異なります。設定するプロパティを次に示します。

通信ログの定義,および出力内容を次の表に示します。

表39‒11 通信ログの出力条件(Webサービスクライアント側またはWebリソースクライアント側)

ログの定義

出力内容

ALL

送受信メッセージが常に出力されます。

HEADER

受信メッセージのHTTPヘッダが常に出力されます。

ERROR_HEADER

受信メッセージのHTTPヘッダがエラーのときだけ出力されます。

NONE

送受信メッセージは出力されません。

表39‒12 通信ログの出力条件(Webサービス側またはWebリソース側)

ログの定義

出力内容

ALL

WebサービスまたはWebリソースの送受信メッセージが常に出力されます。受信時は,HTTPのリクエスト情報も出力されます。

HEADER

受信メッセージのHTTPヘッダおよびHTTPのリクエスト情報が常に出力されます。

ERROR_HEADER

受信メッセージのHTTPヘッダおよびHTTPのリクエスト情報がエラーのときだけ出力されます(Webサービスの場合に設定できます)。

NONE

WebサービスまたはWebリソースの送受信メッセージは出力されません。

通信ログの量は,ログの定義がNONE,ERROR_HEADER,HEADER,ALLの順に増加します。ログの量が増加すると,全体の処理速度が低下するおそれがあるので,ログの定義のデフォルト設定を変更する場合は,処理速度や面数の見積もりに注意してください。