10.10.4 JAX-WS機能固有のプロパティを利用する場合の注意事項
Application Serverは,Java SE標準のjava.net.AuthenticatorクラスのsetDefault()メソッドを利用して,JAX-WS機能固有のプロパティの値をJavaVMに設定します。そのため,次の点に注意してください。
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有効範囲
Webサービスクライアントが動作するプロセス全体(WebサービスクライアントがJ2EEサーバ上で動作する場合は,J2EEサーバ全体)で有効となり,Application Server以外のHTTP接続にも影響します。Application Server以外のHTTP接続にJAX-WS機能固有のプロパティによるプロキシの設定を適用したくない場合,JAX-WS機能固有のプロパティではなく,ユーザプログラム(Webサービスクライアント)で,java.net.AuthenticatorクラスのsetDefault()メソッドを利用した実装をする必要があります。詳細については,「10.10.3 JAX-WS機能固有のプロパティを利用しない場合」を参照してください。
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競合
JAX-WS機能固有のプロパティを利用する場合,Webサービスクライアントが動作するプロセスでは,Application Server以外がjava.net.AuthenticatorクラスのsetDefault()メソッドを呼び出さないようにしてください。ライブラリなどでほかの製品を利用している場合は,特に注意してください。java.net.AuthenticatorクラスのsetDefault()メソッドを呼び出すタイミングによっては設定が競合し,動作が不正になるおそれがあります。ユーザプログラムやライブラリなど,ほかの製品がjava.net.AuthenticatorクラスのsetDefault()メソッドを呼び出す場合,JAX-WS機能固有のプロパティを利用しないでください。
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セキュリティ例外
java.net.AuthenticatorクラスのsetDefault()メソッドがjava.lang.SecurityExceptionをスローする場合,KDJW10025-Wのメッセージがログに出力され,処理が続行されます。必要に応じて,詳細メッセージを確認し,エラーの要因を取り除いてください。