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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ アプリケーション開発ガイド


6.4.3 ユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルの編集

ここでは,ユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルの編集について説明します。

Developerでは,トレース取得ポイントをEclipse上で設定できます。Eclipseのビュー上でできる編集作業を次に示します。

それぞれの手順を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) トレース取得ポイントの切り替え

設定済みのトレース取得ポイントを削除したり,新規にトレース取得ポイントとして設定したりします。

手順を次に示します。

  1. [プロジェクト・エクスプローラー]ビューで編集するプロジェクトのJavaソースファイルを開きます。

  2. メソッドを選択し,コンテキストメニューから[トレース取得ポイントの切り替え]を選択します。

    [図データ]

    トレース取得ポイントが次のように切り替わります。

    状態

    説明

    トレース取得ポイントが設定済みのメソッドの場合

    • エディターの垂直ルーラーに付与された[トレース取得ポイントON]([図データ])マーカーが削除されます。

    • [トレース取得ポイント]ビューからトレース取得ポイントが削除されます。

    トレース取得ポイントが設定されていないメソッドの場合

    • エディターの垂直ルーラーに[トレース取得ポイントON]([図データ])マーカーが付与されます。

    • [トレース取得ポイント]ビューにトレース取得ポイントが追加されます。

    参考

    設定済みのトレース取得ポイントや,新規に設定したトレース取得ポイントには,マーカーが表示されます。マーカーが表示された例を次に示します。

    [図データ]

注意事項
  • エディター内で選択できない(垂直ルーラーが反転していない)場合は,コンテキストメニューは表示されません。操作によって垂直ルーラーの反転が間に合わない場合は,反転を待ってからトレース取得ポイントの切り替え操作を実施してください。

  • メソッドの位置で操作しないとコンテキストメニューは表示されません。

  • トレース取得ポイントには上限値を設けています。上限値として設定した値以上のトレース取得ポイントを設定しようとした場合,ダイアログが表示されてトレース取得ポイントを設定できません。トレース取得ポイントの上限値の設定手順を次に示します。

  1. Eclipseのメニューから[ウィンドウ]−[設定]を選択します。

  2. 左ペインで[ユーザ拡張性能解析トレース]を選択します。

    [ユーザ拡張性能解析トレース]ページが表示されます。

  3. [トレース取得ポイント設定総数上限]にトレース取得ポイントの上限値を指定します。

  4. [適用]ボタンまたは[OK]ボタンをクリックします。

(2) トレース取得ポイントの設定

J2EE パースペクティブに組み込まれたプロジェクト・エクスプローラービュー,およびアウトラインビューなどのビュー上のJava要素に対して,トレース取得ポイントを設定します。

手順を次に示します。

  1. [プロジェクト・エクスプローラー]ビューでパッケージ,クラス,またはメソッドを選択します。

    パッケージ,クラス,またはメソッドを選択します。

    JARファイルに含まれるパッケージ,クラス,またはメソッドを選択することもできます。

  2. コンテキストメニューから[トレース取得ポイントの設定]または[トレース取得ポイントの設定(引数 * 指定)]を選択します。

    [図データ]

    トレース取得ポイントが設定されます。

    [トレース取得ポイントの設定]および[トレース取得ポイントの設定(引数 * 指定)]について説明します。

    コンテキストメニューの表示名

    説明

    トレース取得ポイントの設定

    選択したメソッドに対して,トレース取得ポイントを設定できます。[トレース取得ポイントの設定]を選択した場合のエディターおよびビューの表示について説明します。

    • エディターの垂直ルーラーに[トレース取得ポイントON]([図データ])マーカーが付与されます。

    • [トレース取得ポイント]ビューにトレース取得ポイントが追加されます。

    トレース取得ポイントの設定(引数 * 指定)

    選択したメソッドと同名のメソッドすべてに対して,トレース取得ポイントを設定できます。

    引数が異なるものも対象となります。[トレース取得ポイントの設定(引数 * 指定)]を選択した場合のエディターおよびビューの表示について説明します。

    • エディターには何も表示されません。

    • [トレース取得ポイント]ビューにトレース取得ポイントが追加されます。

    トレース取得ポイントのマーカーは,ソースファイルが存在し,かつトレース取得ポイントの対象がコンストラクタ,またはメソッドの場合に付与されます。なお,JARファイル内のJava要素にトレース取得ポイントを設定した場合,マーカーは付与されません。

    注意事項
    • JARファイルにstaticイニシャライザが含まれる場合,名称を持たないメソッドとして表示されますが,トレース取得ポイントを設定しないでください。トレース取得ポイントを設定した場合の動作はサポートしません。

    • メソッドの引数が可変長やジェネリクスの場合には,変換してトレース取得ポイントを設定します。引数が可変長であるメソッドの場合,「...」を「[ ]」に変換します。また,ジェネリクスを使用したクラス名が含まれる場合,ジェネリクスの記述を削除します。

(3) トレース取得ポイントの一覧表示,および編集・削除

設定済みのトレース取得ポイントを一覧表示します。また,一覧表示したビュー上で,トレース取得ポイントの編集,および削除を実施できます。

手順を次に示します。

  1. Eclipseのメニューから,[ウィンドウ]−[ビューの表示]−[その他]を選択します。

    [ビューの表示]ダイアログが表示されます。

    [図データ]

  2. [ビューの表示]ダイアログで,[ユーザ拡張性能解析トレース]−[トレース取得ポイント]を選択し,[OK]ボタンをクリックします。

    設定済みトレース取得ポイントが,[トレース取得ポイント]ビューに表示されます。

    [図データ]

  3. [トレース取得ポイント]ビューに表示されたトレースポイントのうち,編集したいトレース取得ポイントを選択します。

    [図データ]

    トレース取得ポイントは,CtrlキーまたはShiftキーを押しながらクリックすると,複数選択できます。

    選択したトレース取得ポイントの詳細が[ユーザ拡張性能解析トレース詳細設定]ビューに表示されます。必要に応じて設定を変更します。

    [ユーザ拡張性能解析トレース詳細設定]ビューに表示される項目を次に示します。

    項目名

    説明

    記述形式

    ユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルの記述形式が表示されます。

    識別 ID

    任意の文字列を指定します。

    サブクラスも対象

    サブクラスも対象にするかどうかを指定します。なお,サブクラスのチェックボックスをチェックしても,継承先の同名のメソッドに対して,トレース取得ポイントのマーカーは付与されません。

    チェックボックスをチェックする

    サブクラスフラグをtrueに設定します。

    チェックボックスをチェックしない

    サブクラスフラグをfalseに設定します。

    イベント ID

    4桁の16進数を指定します。

    0xae02〜0xae7e,または0xc000〜0xcffeの範囲で指定します。

    トレース取得レベル

    記述形式に指定したトレース取得レベルを,アルファベットで選択します。

    A:標準

    B:詳細

    C:保守

    コメント

    トレース取得ポイントにコメントを指定します。

    注※

    記述形式の引数が「*(アスタリスク)」の場合,エディターのルーラー上にトレース取得ポイントのマーカーは表示されません。

  4. 一覧に表示されたトレース取得ポイントを削除したい場合,[トレース取得ポイント]ビューに表示されたトレース取得ポイントを選択し,コンテキストメニューから[トレース取得ポイントの削除]を選択します。

    一覧に表示されたトレース取得ポイントを選択し,[Delete]キーを押しても削除できます。

    参考

    トレース取得ポイントを選択していない場合は,コンテキストメニューは表示されません。

(4) トレース取得ポイントの指定内容

トレース取得ポイントは,パッケージ,クラス,インタフェース,メソッド(abstract メソッド含む),およびコンストラクタなどのJava要素に対して設定します。それぞれの指定内容および指定例を次に示します。

参考

トレース取得ポイントの指定内容を次に示します。

 <指定形式>,<識別 ID>,<サブクラスフラグ>,<イベント ID>,<トレース取得レベル>#<コメント>

なお,指定内容のうち<イベント ID>,<トレース取得レベル>,および<コメント>については,Java要素の種類にかかわらず次の値が指定されます。

  • <イベント ID>

    「0xae02」

  • <トレース取得レベル>

    「A」

  • <コメント>

    なし。

    表6‒1 トレース取得ポイントの指定内容および指定例

    項番

    Java要素

    指定内容および指定例

    1

    パッケージ

    <指定形式>

     「完全修飾パッケージ名.*」を指定します。

    <識別 ID>

     「完全修飾パッケージ名.*」を指定します。

    <サブクラスフラグ>

     「false」を指定します。

    • 指定例

      package.*,package.*,false,0xae02,A

    2

    クラス

    <指定形式>

     「完全修飾クラス名」を指定します。

    <識別 ID>

     「完全修飾クラス名」を指定します。

    <サブクラスフラグ>

     「false」を指定します。

    • 指定例

      package.Class,package.Class,false,0xae02,A

    3

    インタフェース

    <指定形式>

     「完全修飾インタフェース名」を指定します。

    <識別 ID>

     「完全修飾インタフェース名」を指定します。

    <サブクラスフラグ>

     「true」を指定します。

    • 指定例

      package.Interface,package.Interface,true,0xae02,A

    4

    メソッド(クラス配下)

    <指定形式>

     「完全修飾メソッド名(引数の型名)」を指定します。

    <識別 ID>

     「完全修飾メソッド名」を指定します。

    <サブクラスフラグ>

     「false」を指定します。

    • 指定例

      package.Class.method(int),package.Class.method,false,0xae02,A

    5

    メソッド(インタフェース配下)

    (abstract メソッドを含む)

    <指定形式>

     「完全修飾メソッド名(引数の型名)」を指定します。

    <識別 ID>

     「完全修飾メソッド名」を指定します。

    <サブクラスフラグ>

     「true」を指定します。

    • 指定例

      package.Class.method(int),package.Class.method,true,0xae02,A

    6

    コンストラクタ(クラス配下)

    <指定形式>

     「完全修飾クラス名.<init>(引数の型名)」を指定します。

    <識別 ID>

     「完全修飾クラス名.<init>」を指定します。

    <サブクラスフラグ>

     「false」を指定します。

    • 指定例

      package.Class.<init>(int),package.Class.<init>,false,0xae02,A

    注※ 引数の型名は「*(アスタリスク)」となる場合があります。

パッケージ単位の設定や定義ファイルのフォーマットについてはマニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7.5.3 ユーザ拡張性能解析トレースのトレース対象メソッドの設定」を参照してください。

注意事項
  • Developerではトレース取得ポイントをワークスペース単位で管理します。ワークスペース内に完全修飾名が同名のパッケージ,クラス,メソッド(引数が一致)が複数存在する場合,誤動作するおそれがあります。

    ワークスペース内に完全修飾名が同名のパッケージ,クラス,メソッド(引数が一致)が複数存在する場合,動作の保証はできません。

  • Eclipseの操作による[ワークスペースの切り替え]を実行後は,切り替え前のワークスペースで管理していたトレース取得ポイントについてはサポートしていません。

  • Eclipseの操作である[プロジェクトを閉じる]を実行するとプロジェクトに紐付いたトレース取得ポイントは[トレース取得ポイント一覧]から削除されます。閉じたプロジェクトを再びEclipseの操作で[プロジェクトを開く]を実行すると,削除されたトレース取得ポイントは[トレース取得ポイント一覧]の元の位置に復活します。

  • ローカルクラス,またはローカル匿名クラスには,トレース取得ポイントを設定できません。

  • トレース取得ポイントが設定されたメソッド先頭定義が,エディターで変更されたり,削除されたりした場合,トレース取得ポイントが削除されることがあります。メソッド先頭定義を変更したことによって,トレース取得ポイントが削除された場合,UNDOなどでメソッド開始行を元に戻しても,トレース取得ポイントは復元しません。必要に応じて,再度設定し直してください。