6.4.3 ユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルの編集
ここでは,ユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルの編集について説明します。
Developerでは,トレース取得ポイントをEclipse上で設定できます。Eclipseのビュー上でできる編集作業を次に示します。
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トレース取得ポイントの切り替え
設定済みのトレース取得ポイントを削除したり,新規にトレース取得ポイントとして設定したりします。詳細については「6.4.3(1) トレース取得ポイントの切り替え」を参照してください。
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トレース取得ポイントの設定
J2EE パースペクティブに組み込まれたプロジェクト・エクスプローラービュー,およびアウトラインビューなどのビュー上のJava要素に対して,トレース取得ポイントを設定します。詳細については「6.4.3(2) トレース取得ポイントの設定」を参照してください。
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トレース取得ポイントの一覧表示,および削除
設定済みのトレース取得ポイントを一覧表示します。また,一覧表示したビュー上で,トレース取得ポイントの編集,および削除を実施できます。詳細については「6.4.3(3) トレース取得ポイントの一覧表示,および編集・削除」を参照してください。
それぞれの手順を次に示します。
(1) トレース取得ポイントの切り替え
設定済みのトレース取得ポイントを削除したり,新規にトレース取得ポイントとして設定したりします。
手順を次に示します。
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[プロジェクト・エクスプローラー]ビューで編集するプロジェクトのJavaソースファイルを開きます。
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メソッドを選択し,コンテキストメニューから[トレース取得ポイントの切り替え]を選択します。
トレース取得ポイントが次のように切り替わります。
状態
説明
トレース取得ポイントが設定済みのメソッドの場合
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エディターの垂直ルーラーに付与された[トレース取得ポイントON]()マーカーが削除されます。
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[トレース取得ポイント]ビューからトレース取得ポイントが削除されます。
トレース取得ポイントが設定されていないメソッドの場合
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エディターの垂直ルーラーに[トレース取得ポイントON]()マーカーが付与されます。
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[トレース取得ポイント]ビューにトレース取得ポイントが追加されます。
- 参考
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設定済みのトレース取得ポイントや,新規に設定したトレース取得ポイントには,マーカーが表示されます。マーカーが表示された例を次に示します。
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- 注意事項
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エディター内で選択できない(垂直ルーラーが反転していない)場合は,コンテキストメニューは表示されません。操作によって垂直ルーラーの反転が間に合わない場合は,反転を待ってからトレース取得ポイントの切り替え操作を実施してください。
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メソッドの位置で操作しないとコンテキストメニューは表示されません。
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トレース取得ポイントには上限値を設けています。上限値として設定した値以上のトレース取得ポイントを設定しようとした場合,ダイアログが表示されてトレース取得ポイントを設定できません。トレース取得ポイントの上限値の設定手順を次に示します。
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Eclipseのメニューから[ウィンドウ]−[設定]を選択します。
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左ペインで[ユーザ拡張性能解析トレース]を選択します。
[ユーザ拡張性能解析トレース]ページが表示されます。
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[トレース取得ポイント設定総数上限]にトレース取得ポイントの上限値を指定します。
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[適用]ボタンまたは[OK]ボタンをクリックします。
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(2) トレース取得ポイントの設定
J2EE パースペクティブに組み込まれたプロジェクト・エクスプローラービュー,およびアウトラインビューなどのビュー上のJava要素に対して,トレース取得ポイントを設定します。
手順を次に示します。
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[プロジェクト・エクスプローラー]ビューでパッケージ,クラス,またはメソッドを選択します。
パッケージ,クラス,またはメソッドを選択します。
JARファイルに含まれるパッケージ,クラス,またはメソッドを選択することもできます。
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コンテキストメニューから[トレース取得ポイントの設定]または[トレース取得ポイントの設定(引数 * 指定)]を選択します。
トレース取得ポイントが設定されます。
- [トレース取得ポイントの設定]および[トレース取得ポイントの設定(引数 * 指定)]について説明します。
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コンテキストメニューの表示名
説明
トレース取得ポイントの設定
選択したメソッドに対して,トレース取得ポイントを設定できます。[トレース取得ポイントの設定]を選択した場合のエディターおよびビューの表示について説明します。
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エディターの垂直ルーラーに[トレース取得ポイントON]()マーカーが付与されます。
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[トレース取得ポイント]ビューにトレース取得ポイントが追加されます。
トレース取得ポイントの設定(引数 * 指定)
選択したメソッドと同名のメソッドすべてに対して,トレース取得ポイントを設定できます。
引数が異なるものも対象となります。[トレース取得ポイントの設定(引数 * 指定)]を選択した場合のエディターおよびビューの表示について説明します。
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エディターには何も表示されません。
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[トレース取得ポイント]ビューにトレース取得ポイントが追加されます。
トレース取得ポイントのマーカーは,ソースファイルが存在し,かつトレース取得ポイントの対象がコンストラクタ,またはメソッドの場合に付与されます。なお,JARファイル内のJava要素にトレース取得ポイントを設定した場合,マーカーは付与されません。
- 注意事項
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JARファイルにstaticイニシャライザが含まれる場合,名称を持たないメソッドとして表示されますが,トレース取得ポイントを設定しないでください。トレース取得ポイントを設定した場合の動作はサポートしません。
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メソッドの引数が可変長やジェネリクスの場合には,変換してトレース取得ポイントを設定します。引数が可変長であるメソッドの場合,「...」を「[ ]」に変換します。また,ジェネリクスを使用したクラス名が含まれる場合,ジェネリクスの記述を削除します。
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(3) トレース取得ポイントの一覧表示,および編集・削除
設定済みのトレース取得ポイントを一覧表示します。また,一覧表示したビュー上で,トレース取得ポイントの編集,および削除を実施できます。
手順を次に示します。
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Eclipseのメニューから,[ウィンドウ]−[ビューの表示]−[その他]を選択します。
[ビューの表示]ダイアログが表示されます。
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[ビューの表示]ダイアログで,[ユーザ拡張性能解析トレース]−[トレース取得ポイント]を選択し,[OK]ボタンをクリックします。
設定済みトレース取得ポイントが,[トレース取得ポイント]ビューに表示されます。
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[トレース取得ポイント]ビューに表示されたトレースポイントのうち,編集したいトレース取得ポイントを選択します。
トレース取得ポイントは,CtrlキーまたはShiftキーを押しながらクリックすると,複数選択できます。
選択したトレース取得ポイントの詳細が[ユーザ拡張性能解析トレース詳細設定]ビューに表示されます。必要に応じて設定を変更します。
[ユーザ拡張性能解析トレース詳細設定]ビューに表示される項目を次に示します。
項目名
説明
記述形式※
ユーザ拡張性能解析トレース設定ファイルの記述形式が表示されます。
識別 ID
任意の文字列を指定します。
サブクラスも対象
サブクラスも対象にするかどうかを指定します。なお,サブクラスのチェックボックスをチェックしても,継承先の同名のメソッドに対して,トレース取得ポイントのマーカーは付与されません。
- チェックボックスをチェックする
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サブクラスフラグをtrueに設定します。
- チェックボックスをチェックしない
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サブクラスフラグをfalseに設定します。
イベント ID
4桁の16進数を指定します。
0xae02〜0xae7e,または0xc000〜0xcffeの範囲で指定します。
トレース取得レベル
記述形式に指定したトレース取得レベルを,アルファベットで選択します。
A:標準
B:詳細
C:保守
コメント
トレース取得ポイントにコメントを指定します。
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一覧に表示されたトレース取得ポイントを削除したい場合,[トレース取得ポイント]ビューに表示されたトレース取得ポイントを選択し,コンテキストメニューから[トレース取得ポイントの削除]を選択します。
一覧に表示されたトレース取得ポイントを選択し,[Delete]キーを押しても削除できます。
- 参考
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トレース取得ポイントを選択していない場合は,コンテキストメニューは表示されません。
(4) トレース取得ポイントの指定内容
トレース取得ポイントは,パッケージ,クラス,インタフェース,メソッド(abstract メソッド含む),およびコンストラクタなどのJava要素に対して設定します。それぞれの指定内容および指定例を次に示します。
- 参考
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トレース取得ポイントの指定内容を次に示します。
<指定形式>,<識別 ID>,<サブクラスフラグ>,<イベント ID>,<トレース取得レベル>#<コメント>
なお,指定内容のうち<イベント ID>,<トレース取得レベル>,および<コメント>については,Java要素の種類にかかわらず次の値が指定されます。
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<イベント ID>
「0xae02」
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<トレース取得レベル>
「A」
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<コメント>
なし。
表6‒1 トレース取得ポイントの指定内容および指定例 項番
Java要素
指定内容および指定例
1
パッケージ
<指定形式>
「完全修飾パッケージ名.*」を指定します。
<識別 ID>
「完全修飾パッケージ名.*」を指定します。
<サブクラスフラグ>
「false」を指定します。
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指定例
package.*,package.*,false,0xae02,A
2
クラス
<指定形式>
「完全修飾クラス名」を指定します。
<識別 ID>
「完全修飾クラス名」を指定します。
<サブクラスフラグ>
「false」を指定します。
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指定例
package.Class,package.Class,false,0xae02,A
3
インタフェース
<指定形式>
「完全修飾インタフェース名」を指定します。
<識別 ID>
「完全修飾インタフェース名」を指定します。
<サブクラスフラグ>
「true」を指定します。
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指定例
package.Interface,package.Interface,true,0xae02,A
4
メソッド(クラス配下)
<指定形式>
「完全修飾メソッド名(引数の型名)」を指定します。※
<識別 ID>
「完全修飾メソッド名」を指定します。
<サブクラスフラグ>
「false」を指定します。
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指定例
package.Class.method(int),package.Class.method,false,0xae02,A
5
メソッド(インタフェース配下)
(abstract メソッドを含む)
<指定形式>
「完全修飾メソッド名(引数の型名)」を指定します。※
<識別 ID>
「完全修飾メソッド名」を指定します。
<サブクラスフラグ>
「true」を指定します。
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指定例
package.Class.method(int),package.Class.method,true,0xae02,A
6
コンストラクタ(クラス配下)
<指定形式>
「完全修飾クラス名.<init>(引数の型名)」を指定します。※
<識別 ID>
「完全修飾クラス名.<init>」を指定します。
<サブクラスフラグ>
「false」を指定します。
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指定例
package.Class.<init>(int),package.Class.<init>,false,0xae02,A
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パッケージ単位の設定や定義ファイルのフォーマットについてはマニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7.5.3 ユーザ拡張性能解析トレースのトレース対象メソッドの設定」を参照してください。
- 注意事項
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Developerではトレース取得ポイントをワークスペース単位で管理します。ワークスペース内に完全修飾名が同名のパッケージ,クラス,メソッド(引数が一致)が複数存在する場合,誤動作するおそれがあります。
ワークスペース内に完全修飾名が同名のパッケージ,クラス,メソッド(引数が一致)が複数存在する場合,動作の保証はできません。
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Eclipseの操作による[ワークスペースの切り替え]を実行後は,切り替え前のワークスペースで管理していたトレース取得ポイントについてはサポートしていません。
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Eclipseの操作である[プロジェクトを閉じる]を実行するとプロジェクトに紐付いたトレース取得ポイントは[トレース取得ポイント一覧]から削除されます。閉じたプロジェクトを再びEclipseの操作で[プロジェクトを開く]を実行すると,削除されたトレース取得ポイントは[トレース取得ポイント一覧]の元の位置に復活します。
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ローカルクラス,またはローカル匿名クラスには,トレース取得ポイントを設定できません。
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トレース取得ポイントが設定されたメソッド先頭定義が,エディターで変更されたり,削除されたりした場合,トレース取得ポイントが削除されることがあります。メソッド先頭定義を変更したことによって,トレース取得ポイントが削除された場合,UNDOなどでメソッド開始行を元に戻しても,トレース取得ポイントは復元しません。必要に応じて,再度設定し直してください。
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