6.2.4 E,F,G,H,Iで始まるディレクティブ
- 〈この項の構成〉
(1) ErrorDocument エラーステータス番号 {テキスト|ローカルURL|フルURL}
(a) 内容
エラーが発生したときに,Webブラウザへ表示するメッセージをカスタマイズする場合に指定します。
テキスト:文字列を"で囲み指定します。
ローカルURL:先頭に/を記述して,自サイト内のコンテンツを指定します。
フルURL:http://またはhttps://で始まるURLを記述し,他サイトのコンテンツを指定します。
このディレクティブに指定できるエラーステータス番号と,テキスト,ローカルURL,フルURLの指定可否について,次に示します。
エラーステータス番号(意味) |
テキスト |
ローカルURL |
フルURL |
---|---|---|---|
400 (Bad Request) |
○ |
△ |
△ |
401 (Authorization Required) |
○ |
○ |
× |
402 (Payment Required) |
○ |
○ |
○ |
403 (Forbidden) |
○ |
○ |
○ |
404 (Not Found) |
○ |
○ |
○ |
405 (Method Not Allowed) |
○ |
○ |
○ |
406 (Not Acceptable) |
○ |
○ |
○ |
407 (Proxy Authentication Required) |
○ |
○ |
○ |
408 (Request Time-out) |
△ |
△ |
△ |
409 (Conflict) |
○ |
○ |
○ |
410 (Gone) |
○ |
○ |
○ |
411 (Length Required) |
○ |
△ |
△ |
412 (Precondition Failed) |
○ |
○ |
○ |
413 (Request Entity Too Large) |
○ |
○ |
○ |
414 (Request-URI Too Large) |
○ |
△ |
△ |
415 (Unsupported Media Type) |
○ |
○ |
○ |
416 (Requested Range Not Satisfiable) |
○ |
○ |
○ |
417 (Expectation Failed) |
○ |
△ |
△ |
422 (Unprocessable Entity) |
○ |
○ |
○ |
423 (Locked) |
○ |
○ |
○ |
424 (Failed Dependency) |
○ |
○ |
○ |
500 (Internal Server Error) |
○ |
○ |
○ |
501 (Method Not Implemented) |
○ |
○ |
○ |
502 (Bad Gateway) |
○ |
○ |
△ |
503 (Service Temporarily Unavailable) |
○※ |
○※ |
○※ |
504 (Gateway Timeout) |
○ |
○ |
○ |
505 (HTTP Version Not Supported) |
○ |
○ |
○ |
506 (Variant Also Negotiates) |
○ |
○ |
○ |
507 (Insufficient Storage) |
○ |
○ |
○ |
510 (Not Extended) |
○ |
○ |
○ |
このディレクティブ指定時には,次の点に留意してください。
-
このディレクティブを複数指定する場合,同じエラー番号に異なる指定はできません。
-
CGIプログラム内で設定されたエラーステータスに対しては,メッセージをカスタマイズできません。
-
ローカルURL,フルURLの指定先でエラーとなる場合は,カスタマイズできません。
-
ローカルURLの指定先でコンテントネゴシエーションが発生する場合は,エラーとなりカスタマイズできないことがあります。
-
LoadModuleディレクティブによって動的に接続したモジュール内で設定されたエラーステータスに対しても,そのモジュールの実装方法によってメッセージをカスタマイズできない場合があります。
-
フルURLの指定時には,ステータスコード302 FoundおよびLocationヘッダに新パスを設定した応答を返します。通常,ステータスコード302を受けたWebブラウザは,Locationヘッダに指定されたアドレスに対して自動的にリダイレクトします。
-
フルURLの指定時には,IPv6アドレスまたはIPv6アドレスに対応したホスト名も指定できます。IPv6アドレスを指定する場合は,IPv6アドレスを[ ]で囲んでください。
-
リバースプロキシ機能を使用する場合,ProxyErrorOverride Onを指定する必要があります。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccess
(c) 上書き許可
FileInfoレベル
(d) 指定例
ErrorDocument 500 "Server Error." ErrorDocument 404 /missing.html ErrorDocument 403 http://some.other_server.com/subscription_info.html ErrorDocument 404 http://[2001::123:4567:89ab:cdef]/missing.html
(2) ErrorLog {ファイル名|パイプ}
〜《logs/error_log》 (UNIX版)
〜《logs/error.log》 (Windows版)
(a) 内容
エラーログを出力するファイル名を指定します。出力するログの内容は,LogLevelディレクティブで選択できます。
ファイル名には,絶対パスまたはServerRootディレクティブの指定値からの相対パスが指定できます。
ファイル名:エラーログを格納するファイル名を指定します。ServerRootディレクティブ指定値からの相対パスで指定できます。
パイプ:標準入力からエラーログ情報を受け取るプログラムを"|プログラム名"の形式で指定します。Windows版での注意事項は,CustomLogディレクティブを参照してください。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>
(c) 指定例
ErrorLog logs/error.log
(3) ExtendedStatus {On|Off}
(a) 内容
server-statusハンドラによるステータス表示形式で,それぞれのリクエストの拡張ステータス情報を表示するかどうかを指定します。
On:拡張ステータス情報を表示します。この場合,クライアントのIPアドレスがIPv6アドレスでも表示します。ただし,最大表示数は31バイトです。
Off:拡張ステータス情報を表示しません。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf
(4) ExpiresActive {On|Off}
(a) 内容
レスポンスにExpiresヘッダおよびCache-Controlヘッダを追加するかどうかを指定します。
On:ExpiresヘッダおよびCache-Controlヘッダを追加します。
Off:ExpiresヘッダおよびCache-Controlヘッダを追加しません。
(b) 注意事項
-
有効期限設定機能を使用するためにはmod_expiresモジュールの組み込みが必要です。有効期限設定機能の詳細は,「4.11 有効期限設定機能」を参照してください。
-
ExpiresDefaultディレクティブまたはExpiresByTypeディレクティブを指定していない場合は,ExpiresActiveディレクティブにOnが指定されていても,レスポンスにExpiresヘッダおよびCache-Controlヘッダは追加されません。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccess
(d) 上書き許可
Indexesレベル
(5) ExpiresByType MIMEタイプ {A|M}時間
〜((0−2147483647))(単位:秒)
(a) 内容
レスポンスにExpiresヘッダおよびCache-Controlヘッダを追加する場合に,指定するMIMEタイプのドキュメントに対する有効期限を指定します。このディレクティブはExpiresActiveディレクティブでOnを指定している場合に有効になります。ExpiresDefaultディレクティブで設定されたデフォルトの有効期限は,この設定によってMIMEタイプ別に上書きされます。
基準時刻をAまたはMで指定し,基準時刻から有効期限までの時間を秒単位で指定します。AまたはMと,時間との間に空白は入りません。
A:クライアントがアクセスした時刻を基準時刻とします。
M:ファイルを最後に修正した時刻を基準時刻とします。
(b) 注意事項
有効期限設定機能を使用するためにはmod_expiresモジュールの組み込みが必要です。有効期限設定機能の詳細は,「4.11 有効期限設定機能」を参照してください。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccess
(d) 上書き許可
Indexesレベル
(e) 指定例
ExpiresByType text/html A604800
(6) ExpiresDefault {A|M}時間
〜((0−2147483647))(単位:秒)
(a) 内容
レスポンスにExpiresヘッダおよびCache-Controlヘッダを追加する場合に,デフォルトの有効期限を指定します。このディレクティブはExpiresActiveディレクティブでOnを指定している場合に有効になります。この設定はExpiresByTypeディレクティブによってMIMEタイプごとに上書きされます。
基準時刻をAまたはMで指定し,基準時刻から有効期限までの時間を秒単位で指定します。AまたはMと,時間との間に空白は入りません。
A:クライアントがアクセスした時刻を基準時刻とします。
M:ファイルを最後に修正した時刻を基準時刻とします。
(b) 注意事項
有効期限設定機能を使用するためにはmod_expiresモジュールの組み込みが必要です。有効期限設定機能の詳細は,「4.11 有効期限設定機能」を参照してください。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccess
(d) 上書き許可
Indexesレベル
(e) 指定例
ExpiresDefault A604800
(7) FancyIndexing {On|Off}
(a) 内容
ディレクトリインデクスを表示する場合に,整形表示(ファンシーインデクス)をするかどうかを指定します。
On:整形表示をします。
Off:整形表示をしません。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccess
(c) 上書き許可
Indexesレベル
(d) 指定例
FancyIndexing On
整形表示機能を使用します。
(8) FileETag 〔{+|-}〕オプション 〔〔{+|-}〕オプション …〕
〜《MTime Size》
(a) 内容
ETagレスポンスヘッダフィールドを作成するために使用されるファイル属性値を指定します。このディレクティブが指定されていない場合,ETagレスポンスヘッダフィールドにはファイルに割り振られた一意なID,最終更新時刻およびバイト数が設定されます。
オプションに+−を指定しない場合は,オプションで指定した属性値が使用されます。
オプションに+−を指定する場合は,FileETagディレクティブによって設定された属性値を変更できます。
+:設定されている属性値にオプションで指定した属性値が追加されます。
−:設定されている属性値からオプションで指定した属性値が削除されます。
指定できるオプションの一覧を次に示します。
オプション |
意味 |
---|---|
Inode |
ファイルに割り振られた一意なIDが含まれます。 |
Mtime |
ファイルの最終更新時刻が含まれます。 |
Size |
ファイルのバイト数が含まれます。 |
All |
Inode,Mtime,Sizeのオプションがすべて有効になります。 |
None |
Etagヘッダが付きません。 |
(b) 注意事項
-
FileETagディレクティブのInodeオプションを有効にした場合,負荷分散をしているWebサーバ環境などで,同一のコンテンツを要求するごとに,異なるIDがEtagヘッダに含まれることがあります。このため,同一コンテンツでありながらそのEtagヘッダの内容が異なり,ブラウザやプロキシでのキャッシングにとって不都合となることがあります。この場合,FileETagディレクティブによって,Inodeオプションを無効にするように指定することで回避できます。
-
+−を使用しないでこのディレクティブを複数指定すると,最後に指定したディレクティブだけが有効になります。
-
−を付加した属性値だけを指定した場合は,Allオプションを指定した場合と同じ動作になります。
-
AllオプションとNoneオプションには,+−を指定できません。
-
オプションに'-Inode -Mtime -Size'と指定した場合は,このディレクティブを指定していない場合と同じ状態になります。ETagレスポンスヘッダフィールドにはファイルのinode番号,最終更新時刻およびバイト数が設定されます。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccess
(d) 上書き許可
FileInfoレベル
(e) 指定例
- (例1)
FileETag Inode Mtime Size FileETag -Inode
この指定では,ファイルの最終更新時刻およびバイト数が属性値として使用されます。
- (例2)
FileETag Inode Mtime FileETag Size
この指定では,ファイルのバイト数が属性値として使用されます。
- (例3)
FileETag All FileETag -Inode -Mtime -Size
この指定では,ファイルの一意なID,最終更新時刻およびバイト数が属性値として使用されます。
(9) ForceType MIMEタイプ
(a) 内容
<Directory>ブロックまたはアクセスコントロールファイルに定義し,特定のディレクトリ下のすべてのコンテンツに対して使用するMIMEタイプを指定します。noneを指定すると,それまでのForceTypeディレクティブの指定が無効になります。
(b) 記述できる場所
<Directory>,.htaccess
(c) 上書き許可
FileInfoレベル
(10) Group グループ名
〜《#-1》
(a) 内容
サーバプロセスが動作するときのグループ名を指定します。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf
(c) 指定例
Group nogroup グループ名nogroupを定義
(11) H2Direct {On|Off}
《h2はoff,h2cはon》
(a) 内容
HTTP/2ダイレクトモードを有効にするかどうかを指定します。HTTP/2プロトコルの通信を有効にしたいバーチャルホストの<VirtualHost>ブロック内で指定する必要があります。
HTTP/2ダイレクトモードとは,接続でサーバが受信した最初のバイトがHTTP/2プリアンブルと一致する場合に,HTTP/2プロトコルに切り替えます。これはh2cの場合に有効です。
h2cをサポートするサーバについて帯域外の知識を持っているクライアントの場合,HTTP/2ダイレクトモードを有効にすることで,クライアントはHTTP/1.1アップグレードを実行する必要がなくなり,パフォーマンスが向上し,リクエストボディに対するアップグレード制限が回避されます。
On:HTTP/2ダイレクトモードを有効にします。
Off:HTTP/2ダイレクトモードを無効にします。
(b) 注意事項
Protocolsディレクティブでh2またはh2cが有効になっていない場合,HTTP/2プリアンブルをチェックしません。この場合,H2Directディレクティブの設定は意味がありません。
デフォルトではh2はoff,h2cはonであり,h2とh2cで設定が異なります。H2Directディレクティブを設定した場合,h2とh2cの両方で同じ指定値が設定されます。
HTTP/2プロトコル通信機能を使用するためにはmod_http2モジュールの組み込みが必要です。HTTP/2プロトコル通信については,「4.17 HTTP/2プロトコル通信機能」を参照してください。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>
(12) H2MaxWorkerIdleSeconds 時間
〜((1−2147483647))《600》(単位:秒)
(a) 内容
HTTP/2プロトコル処理専用のワーカスレッドを終了させるまでの最大秒数を指定します。H2MinWorkersディレクティブ指定値を超えているワーカスレッドだけに適用されます。
(b) 注意事項
HTTP/2プロトコル通信機能を使用するためにはmod_http2モジュールの組み込みが必要です。HTTP/2プロトコル通信については,「4.17 HTTP/2プロトコル通信機能」を参照してください。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf
(13) H2MaxWorkers スレッド数
〜((1−150000))
〜((1−10000))
《H2MinWorkersディレクティブ指定値×3/2》
(a) 内容
サーバプロセスごとに生成するHTTP/2プロトコル処理に使用するワーカスレッドの最大数を指定します。
(b) 注意事項
HTTP/2プロトコル通信機能を使用するためにはmod_http2モジュールの組み込みが必要です。HTTP/2プロトコル通信については,「4.17 HTTP/2プロトコル通信機能」を参照してください。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf
(14) H2MinWorkers スレッド数
〜((1−15000))
〜((1−1000))
《ThreadsPerChildディレクティブ指定値》
(a) 内容
サーバプロセスごとに生成するHTTP/2プロトコル処理に使用するワーカスレッドの最小数を指定します。
(b) 注意事項
HTTP/2プロトコル通信機能を使用するためにはmod_http2モジュールの組み込みが必要です。HTTP/2プロトコル通信については,「4.17 HTTP/2プロトコル通信機能」を参照してください。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf
(15) H2Padding 数
〜((0−8))《0》
(a) 内容
デフォルトの0では,パディングバイトはペイロードフレーム(HEADERS,DATA,PUSH_PROMISEなど)に追加されません。
このディレクティブで1〜8の数値を設定すると,各フレームに[0, 2^指定値−1]の範囲の乱数が追加されます。
パディングするバイト数が多いほど,メッセージ長がわかりにくくなりますが,トラフィックも増えます。
(b) 注意事項
HTTP/2プロトコル通信機能を使用するためにはmod_http2モジュールの組み込みが必要です。HTTP/2プロトコル通信については,「4.17 HTTP/2プロトコル通信機能」を参照してください。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>
(16) H2SerializeHeaders {On|Off}
(a) 内容
HTTP/2リクエストをHTTP/1.1でシリアル化して処理するかどうかを指定します。HTTP/1.1でシリアル化することでパフォーマンスは低下しますが,下位互換性が高まります。
On:HTTP/2リクエストをHTTP/1.1でシリアル化して処理します。
Off:HTTP/2リクエストをHTTP/1.1でシリアル化しません。
(b) 注意事項
HTTP/2プロトコル通信機能を使用するためにはmod_http2モジュールの組み込みが必要です。HTTP/2プロトコル通信については,「4.17 HTTP/2プロトコル通信機能」を参照してください。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>
(17) H2StreamMaxMemSize 最大メモリサイズ
〜((1024−2147483647))《32768》
(a) 内容
ストリームのメモリにバッファリングされる送信データの最大サイズを指定します。ストリーム処理は,制限に達するとフリーズして,バッファに入れられたデータがクライアントに送信された場合に続行されます。
(b) 注意事項
HTTP/2プロトコル通信機能を使用するためにはmod_http2モジュールの組み込みが必要です。HTTP/2プロトコル通信については,「4.17 HTTP/2プロトコル通信機能」を参照してください。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>
(18) H2Upgrade {On|Off}
《h2はoff,h2cはon》
(a) 内容
HTTP/1.1からHTTP/2へのアップグレードを有効にするかどうかを指定します。
On:HTTP/1.1からHTTP/2へのアップグレードを有効にします。
Off:HTTP/1.1からHTTP/2へのアップグレードを無効にします。
プロトコルを切り替えるこの方法はHTTP/1.1で定義されており,クライアントがUpgradeヘッダを使用して,別のプロトコルを使用する意思があることを通知します。これは,HTTP/1.1接続の任意のリクエストで発生する可能性があります。
このディレクティブでのHTTP/2へのアップグレードは,Protocolsディレクティブでh2またはh2cが有効になっている場合にだけ効果があります。
(b) 注意事項
リクエストボディを含むPOSTとPUTは,HTTP/2へのアップグレードができません。この場合にアップグレードが必要なときは,H2Directディレクティブを設定してください。
デフォルトはh2はoff,h2cはonであり,h2とh2cで設定が異なります。H2Upgradeディレクティブを設定した場合,h2とh2cの両方で同じ指定値が設定されます。
HTTP/2プロトコル通信機能を使用するためにはmod_http2モジュールの組み込みが必要です。HTTP/2プロトコル通信については,「4.17 HTTP/2プロトコル通信機能」を参照してください。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccess
(19) H2WindowSize サイズ
〜((65535−2147483647))《65535》
(a) 内容
クライアントからサーバへのフロー制御に使用されるウィンドウサイズをバイト単位で指定します。クライアントは,サーバが通知した使用可能なサイズの制限に到達するとストリームでの送信を停止します。
(b) 注意事項
HTTP/2プロトコル通信機能を使用するためにはmod_http2モジュールの組み込みが必要です。HTTP/2プロトコル通信については,「4.17 HTTP/2プロトコル通信機能」を参照してください。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>
(20) Header 〔always〕{{set|append|add}ヘッダ ヘッダ値|edit ヘッダ 正規表現 置換文字列|unset ヘッダ}〔env=〔!〕環境変数〕
(a) 内容
レスポンスヘッダをカスタマイズする場合に指定します。リバースプロキシとして使用する場合,バックエンドのWebサーバが返すステータスコードの値にかかわらず,レスポンスヘッダをカスタマイズします。
always:alwaysを指定した場合,エラーのステータスコード応答時にも有効になります。alwaysを指定していない場合,200番台のステータスコード応答時に有効になります。ただし,alwaysを指定し,リバースプロキシとして使用する場合,バックエンドサーバが返したレスポンスヘッダをカスタマイズしません。
set:ヘッダを設定します。ヘッダがある場合は,指定したヘッダ値に書き換えます。
append:存在するヘッダにヘッダ値を追加します。存在するヘッダ値との間は,コンマで区切られます。ヘッダがない場合は,ヘッダを設定します。
add:ヘッダがあっても,別の行にヘッダを設定します。同じヘッダを複数行設定する場合に使用します。
edit:指定したヘッダがある場合,ヘッダ値の正規表現に合致した部分を置換文字列に置き換えます。正規表現で括弧()を使用してグループ化している場合,そのi番目のグループの表現にマッチした文字列を,置換文字列で$iを使用して参照できます。iには1から9までの数字を指定します。
unset:指定したヘッダがある場合,そのヘッダをすべて削除します。
env=環境変数:指定した環境変数が設定されている場合に,Headerディレクティブで指定した内容を実行します。
env=!環境変数:指定した環境変数が設定されていない場合に,Headerディレクティブで指定した内容を実行します。
ヘッダ値に空白がある場合は,"(引用符)で囲む必要があります。ヘッダ値は文字だけから成る文字列,フォーマット指示子を含む文字列または両方から成る文字列を指定できます。フォーマット指示子を次に示します。
フォーマット |
意味 |
---|---|
%t |
リクエストを受け取った時刻を,1970年1月1日0時0分0秒(GMT:Greenwich Mean Time)から経過した時間で表示する。単位はマイクロ秒。先頭には"t="が付けられる。 |
%D |
リクエスト処理に掛かった時間を表示する。単位はマイクロ秒。先頭には"D="が付けられる。 |
%{env_name}e |
環境変数env_nameの値。 |
(b) 注意事項
ヘッダカスタマイズ機能を使用するためにはmod_headersモジュールの組み込みが必要です。ヘッダカスタマイズ機能については,「4.10 ヘッダカスタマイズ機能」を参照してください。
CGIスクリプトからのレスポンスヘッダをカスタマイズする場合は,alwaysを指定してください。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccess
(d) 上書き許可
FileInfoレベル
(e) 指定例
Header set Cache-Control no-cache
(21) HeaderName ファイル名
(a) 内容
ディレクトリインデクス表示時のヘッダに付けるコメントを記述したファイルのファイル名(パス情報なし)を指定します。HTMLまたはプレーンテキストで記述できます。ただし,AddTypeディレクティブまたはTypesConfigディレクティブで指定したファイルで,MIMEタイプが正しく定義されている必要があります。プレーンテキストでコメントを作成した場合,ディレクトリインデクス表示のHTMLには<PRE>タグが追加されます。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccess
(c) 上書き許可
Indexesレベル
(d) 指定例
HeaderName HEADER.html
各ディレクトリ下のHEADER.htmlの内容をヘッダに付けます。
(22) HostnameLookups {On|Off|double}
(a) 内容
CGIのREMOTE_HOST環境変数のIPアドレスおよびログファイルに出力するクライアントのIPアドレスをホスト名に変換するために,ホスト名のルックアップの逆引きをするかどうかを指定します。なお,逆引きを使用する場合,レスポンスが遅くなります。
On:IPアドレスをホスト名に変換します。
Off:IPアドレスをホスト名に変換しません。
double:IPアドレスをホスト名に変換します。その後,再変換し,IPアドレスが正しいかどうかを確認します。
このディレクティブは,IPv6アドレスにも対応しています。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>
(c) 指定例
HostnameLookups Off
IPアドレスをホスト名に変換しません。
(23) HWSErrorDocumentMETACharset {On|Off|文字セット}
(a) 内容
エラーが発生したときにWebブラウザへ表示するメッセージ(以降,エラードキュメントと呼びます)についての文字セットを設定します。文字セットは,エラードキュメント中にMETAタグでcharset=の値として設定されます。ErrorDocument ディレクティブで,カスタマイズされたエラードキュメントは,このディレクティブのMETAタグによる文字セットの設定対象とはなりません。
On:文字セットISO-8859-1を設定します。
Off:文字セットを設定しません。
文字セット:指定した文字セットを設定します。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf
(c) 指定例
HWSErrorDocumentMETACharset ISO-2022-JP
(24) HWSErrorLogClientAddr X-Forwarded-For
(a) 内容
バックエンドサーバで,エラーログに出力するメッセージテキストの"[client クライアントアドレス]"を"[X-Forwarded-For X-Forwarded-Forヘッダ値]"に変更するよう設定します。
負荷分散装置やプロキシサーバを介してバックエンドサーバがリクエストを受信すると,バックエンドサーバがエラーログに出力する「クライアントIPアドレス」がリクエストを送信したクライアントのIPアドレスではなく,負荷分散装置やプロキシサーバのIPアドレスになる場合があります。ただし,負荷分散装置やプロキシサーバの中には接続元のクライアントIPアドレスをX-Forwarded-Forヘッダに付加する場合があるため,出力内容をX-Forwarded-For X-Forwarded-Forヘッダの値へ変更することで,接続元のクライアントIPアドレスが出力されるようにします。
X-Forwarded-For:エラーログに出力する"[client クライアントアドレス]"を"[X-Forwarded-For X-Forwarded-Forヘッダ値]"に変更します。
(b) 注意事項
X-Forwarded-Forヘッダを受信する前にエラーが発生した場合や,一部のメッセージでは変更できません。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf
(25) HWSGracefulStopLog {On|Off}
(a) 内容
計画停止時に,強制停止待ち時間を経過したあとに強制停止させたリクエスト情報を,エラーログファイルに出力するかどうかを指定します。
On:強制停止させたリクエスト情報をエラーログファイルに出力します。
Off:強制停止させたリクエスト情報をエラーログファイルに出力しません。
(b) 注意事項
計画停止時に強制停止させたHTTP/2通信のリクエスト情報は,エラーログファイルに出力できません。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf
(d) 指定例
HWSGracefulStopLog On
(26) HWSGracefulStopTimeout 強制停止時間
〜((0−3600))《300》(単位:秒)
(a) 内容
計画停止時に,実行中のリクエストを直ちに終了するまでの強制停止待ち時間を秒単位で指定します。なお,0を指定すると,強制停止待ち時間の上限は設定されません。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf
(c) 指定例
HWSGracefulStopTimeout 600
(27) HWSH2SendGoaway リクエスト処理数
〜((0-10000))《10000》
(a) 内容
コネクションでの,HTTP/2通信の新たなリクエストの受付を終了させる,リクエスト処理完了数を指定します。リクエスト処理完了数がディレクティブ指定値に到達した場合,クライアントにGOAWAYフレームを送信します。GOAWAYフレームを送信までに受け付けたリクエストは処理を中断せずに実行します。
HTTP/2通信を有効とする設定でメモリ使用量が多い傾向にある場合は,このディレクティブに小さな値を指定すると軽減されることがあります。
なお,0を指定すると,リクエスト処理完了数によるクライアントへのGOAWAYフレーム送信はしません。
(b) 注意事項
HTTP/2プロトコル通信機能を使用するためにはmod_http2モジュールの組み込みが必要です。HTTP/2プロトコル通信については,「4.17 HTTP/2プロトコル通信機能」を参照してください。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf
(29) HWSKeepStartServers {On|Off}
(a) 内容
サーバプロセスの稼働数をStartServersディレクティブに指定した数だけ維持するかどうかを指定します。
On:StartServersディレクティブに指定した数だけ,稼働しているサーバプロセスが維持されます。サーバプロセス数がStartServersディレクティブ指定値より小さくなった場合,新しいプロセスが生成されます。
- prefork MPM
-
この機能は,プロセス数に関する各ディレクティブの指定値が,次の関係にある場合に有効です。
MinSpareServers < StartServers≦MaxClients
かつ
MinSpareServers < MaxSpareServers≦MaxClients
StartServersディレクティブ設定値が,MinSpareServersディレクティブ設定値より小さい場合は,MinSpareServersディレクティブの値でサーバプロセス数が維持されます。
- worker MPM
-
この機能は,プロセス数およびスレッド数に関する各ディレクティブの指定値が,次の関係にある場合に有効です。
MinSpareThreads < StartServers × ThreadsPerChild ≦ MaxClients
かつ
MinSpareThreads < MaxSpareThreads ≦ MaxClients
StartServersディレクティブ × ThreadsPerChildディレクティブの値が,MinSpareThreadsディレクティブ設定値より小さい場合は,MinSpareThreadsディレクティブ設定値に従ってサーバプロセス数が維持されます。
Off:StartServersディレクティブに指定した数の稼働しているサーバプロセスは維持されません。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf
(30) HWSLogSSLVerbose {On|Off}
(a) 内容
クライアントとサーバ間のSSLハンドシェイク処理中に,ログに出力されるエラーのうちinfoレベルおよびerrorレベルのエラーについて,詳細情報を表示するかどうかを指定します。SSLを有効にする場合には,このディレクティブをOnに設定することを推奨します。
On:詳細情報を表示します。
Off:詳細情報を表示しません。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf
(31) HWSLogTimeVerbose {On|Off}
(a) 内容
エラーログ※とリクエストログの時刻,アクセスログのアクセス時刻,リクエスト処理に掛かった時間(%T),およびリクエスト処理を開始した時刻(%t)をミリ秒まで表示するかどうかを指定します。なお,起動および再起動中に出力されるメッセージでは,このディレクティブでOnを指定してもミリ秒まで表示されない場合があります。
注※ ErrorLogディレクティブで指定するエラーログが対象になります。ScriptLogディレクティブで指定するCGIスクリプトのエラーログは対象になりません。
On:時刻および時間をミリ秒まで表示します。
Off:時刻および時間を秒まで表示します。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf
(32) HWSMaxQueueSize リクエストキューサイズ
〜((0−2147483647))《8192》
(a) 内容
クライアントからのリクエストについての最大の待ちリクエスト数を指定します。0を指定した場合は,無制限となります。このディレクティブで指定したリクエストキューサイズを超えたクライアントからのリクエストは,サーバ側で切断されます。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf
(33) HWSNotModifiedResponseHeaders ヘッダ名〔ヘッダ名 …〕
(a) 内容
ステータスコード304 Not Modifiedをクライアントへ送信する際に付加するレスポンスヘッダを指定します。
なお,次のヘッダについては,このディレクティブに指定がなくてもレスポンスに付加します。ただし,必ず付加するのではなく,外部モジュールまたはサーバ内部などで設定された場合にだけ付加します。
-
Date
-
Server
-
Connection
-
Keep-Alive
-
ETag
-
Content-Location
-
Expires
-
Cache-Control
-
Vary
-
Warning
-
WWW-Authenticate
-
Proxy-Authenticate
(b) 記述できる場所
httpsd.conf
(c) 指定例
HWSNotModifiedResponseHeaders Set-Cookie Set-Cookie2
(d) 注意事項
HTTP/2通信の場合,このディレクティブは機能しません。
(34) HWSPrfId 文字列
《PRF_ID》
(a) 内容
PRFデーモン起動時にPRF識別子に指定した文字列を指定します。
リダイレクタのモジュールをLoadModuleで組み込んだ場合,このディレクティブの指定は無効になります。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf
(36) HWSRequestLog {ファイル名|パイプ}
(a) 内容
リクエストログを出力するファイル名を指定します。リクエストログとは,モジュールトレース,リクエストトレース,I/Oフィルタトレースおよびプロキシトレースの総称です。出力するリクエストログの種別は,HWSRequestLogTypeディレクティブで選択できます。
ファイル名:リクエストログを出力するファイル名を指定します。ファイル名には,絶対パスまたはServerRootディレクティブの指定値からの相対パスを指定できます。
パイプ:標準入力からリクエストログ情報を受け取るプログラムを「 |プログラム名」の形式で指定します。Windows版での注意事項は,CustomLogディレクティブを参照してください。
(b) 注意事項
-
このディレクティブを省略した場合のモジュールトレース出力先は,ErrorLogディレクティブで指定したファイルになります。モジュールトレースの採取レベルは,LogLevelディレクティブで指定してください。モジュールトレースの詳細は,「4.2.6 モジュールトレースの採取」を参照してください。
-
リクエストトレース,I/Oフィルタトレースおよびプロキシトレースの出力先を,ErrorLogディレクティブで指定したファイルにすることはできません。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf
(37) HWSRequestLogType トレース種別 〔トレース種別 …〕
〜《module-info request proxy》
(a) 内容
HWSRequestLogディレクティブで設定するリクエストログに出力するトレース種別を指定します。トレース種別を次に示します。
トレース種別 |
内容 |
---|---|
module-debug |
内部モジュールに対するモジュールトレースおよびmodule-info相当のトレースを出力します。出力量が多いため,デバッグ目的以外では指定しないでください。 |
module-info |
外部モジュールとCGIプログラム実行時のモジュールトレースを出力します。 |
request |
リクエスト処理開始時およびリクエスト処理完了時にトレースを出力します。また,HTTP/1.1通信のKeepAlive接続の場合は,次のリクエストライン受信完了時にもトレースを出力します。これらのトレースをリクエストトレースと呼びます。 |
filter |
モジュールが実装している入出力フィルタ関数の実行契機を示すI/Oフィルタトレースを出力します。出力量が多いため,デバッグ目的以外では指定しないでください。 |
proxy |
リバースプロキシ機能使用時にリバースプロキシに関するトレースを出力します。 |
none |
リクエストログを採取しません。 |
(b) 注意事項
指定したトレース種別にnoneが含まれている場合,リクエストログを一切採取しません。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf
(38) HWSSetEnvIfIPv6 リクエスト値 IPv6アドレス 環境変数〔=値〕〔環境変数〔=値〕…〕
(a) 内容
クライアントまたはサーバのIPv6アドレスを基に環境変数を定義します。リクエスト値がIPv6アドレスで表した条件を満たす場合,指定した環境変数を設定します。設定する値のデフォルト値は1です。環境変数の前に「!」が付いたときは,その環境変数の設定を解除します。
リクエスト値として,次に示す値を指定できます。
リクエスト値 |
意味 |
---|---|
Remote_Addr |
クライアントのIPv6アドレス |
Server_Addr |
リクエストを受信したサーバのIPv6アドレス |
IPv6アドレスは,[ ]で囲まないで指定してください。なお,IPv6アドレスの後ろに,10進数でプリフィックス長も指定できます。プリフィックス長は,「IPv6アドレス/プリフィックス長」の形式で指定します。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccess
(c) 上書き許可
FileInfoレベル
(d) 指定例
HWSSetEnvIfIPv6 Remote_Addr 2001:0:0:1230::/64 IPV6_CLIENT
クライアントのIPv6アドレスが2001:0:0:1230から始まる場合,環境変数IPV6_CLIENTを設定します。
(39) HWSSuppressModuleTrace モジュールファイル名 〔all|hook|handler〕
(a) 内容
モジュールトレースの出力を抑止するモジュールファイル名および抑止する関数種別を指定します。
all:指定したモジュールが出力するモジュールトレースをすべて抑止します。
hook:指定したモジュールが出力するモジュールトレースのうち,handler関数以外のモジュールトレースを抑止します。関数の種別については,「4.2.6 モジュールトレースの採取」の表4-4を参照してください。
handler:指定したモジュールが出力するモジュールトレースのうち,handler関数のモジュールトレースを抑止します。関数の種別については,「4.2.6 モジュールトレースの採取」の表4-4を参照してください。
モジュールファイル名には,エラーログまたはリクエストログに出力されるモジュールファイル名称を指定します。次の例のモジュールトレースを抑止する場合は,モジュールファイル名に"mod_example.c"を指定します。
- (例)
[Mon Dec 18 14:57:14 2006] [info] hws : module --> (mod_example.c[12])(1896) [Mon Dec 18 14:57:14 2006] [info] hws : module <-- (mod_example.c[12])(1896)(-1)
HTTP Serverが標準提供している外部モジュールとモジュールファイル名の対応を次に示します。
HTTP Serverが標準提供している外部モジュール以外を使用する場合は,そのモジュールのトレースが出力される可能性があります。また,LogLevelディレクティブにdebugを設定またはHWSRequestLogTypeディレクティブにmodule-debugを設定している場合は,内部モジュールに対するトレースも出力されます。
なお,このディレクティブは,複数指定できます。同じモジュールファイル名を指定した場合は,あとに指定したものが有効となります。
(b) 注意事項
CGIプログラム実行時のモジュールトレースは抑止できません。
(c) 記述できる場所
httpsd.conf
(d) 指定例
- (例1)
HWSSuppressModuleTrace mod_proxy.c all
この指定では,プロキシモジュール内のすべての関数に対するモジュールトレースを抑止します。
- (例2)
HWSSuppressModuleTrace mod_proxy.c hook
この指定では,プロキシモジュール内のhandler以外の関数に対するモジュールトレースを抑止します。
(40) HWSTraceIdFile ファイル名
〜《logs/hws.trcid》
(a) 内容
トレース採取のための共有メモリIDを格納するファイル名を指定します。ファイル名には,絶対パスまたはServerRootディレクティブの指定値からの相対パスが指定できます。
このファイルは複数のWebサーバでは共有できません。同一ServerRootディレクティブ指定で複数のWebサーバを起動する場合は,このディレクティブで異なるファイル名を指定する必要があります。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf
(41) HWSTraceLogFile ファイル名
〜《logs/hws.trclog》
(a) 内容
サーバプロセスが異常終了した場合に共有メモリに採取されたトレースを出力するファイル名を指定します。ファイル名には,絶対パスまたはServerRootディレクティブの指定値からの相対パスが指定できます。
このファイルは複数のWebサーバでは共有できません。同一ServerRootディレクティブ指定で複数のWebサーバを起動する場合は,このディレクティブで異なるファイル名を指定する必要があります。
トレースは複数のファイルにラップアラウンドして出力します。
UNIX版では,最大5ファイル出力します。出力するファイルは「指定したファイル名.nn」のファイル名となります。nnは01から05までです。HTTP Serverの起動時には,「指定したファイル名.01」がカレントの出力ファイル名となります。カレントの出力ファイル名が「指定したファイル名.nn」であった場合にトレースをファイルに出力すると,次のカレントのファイル名は「指定したファイル名.nn+1」になります。なお,「指定したファイル名.nn」が.05の場合には,次のカレントのファイル名は「指定したファイル名.01」になります。
Windows版では,最大2ファイル出力します。出力するファイルは「指定したファイル名.01」または「指定したファイル名.02」のファイル名になります。HTTP Serverの起動時には,「指定したファイル名.01」がカレントの出力ファイル名となります。カレントの出力ファイル名が「指定したファイル名.01」のときにトレースをファイルに出力すると,次のカレントのファイル名は「指定したファイル名.02」になります。なお,カレントの出力ファイル名が「指定したファイル名.02」のときにトレースをファイルに出力すると,次のカレントのファイル名は「指定したファイル名.01」になります。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf
(42) HWSWebSocketLog {ファイル名|パイプ}
(a) 内容
WebSocket通信に関するログを出力するファイル名を指定します。
ファイル名:WebSocket通信に関するログを出力するファイル名を指定します。ファイル名には,絶対パスまたはServerRootディレクティブの指定値からの相対パスを指定できます。
パイプ:標準入力からWebSocket通信に関するログ情報を受け取るプログラムを「 |プログラム名」の形式で指定します。
(b) 注意事項
WebSocketプロキシ機能を使用するためには,mod_proxyモジュール,mod_proxy_httpモジュール,およびmod_proxy_wstunnelモジュールの組み込みが必要です。
- UNIX版の場合
-
LoadModule proxy_module libexec/mod_proxy.so
LoadModule proxy_http_module libexec/mod_proxy_http.so
LoadModule proxy_wstunnel_module libexec/mod_proxy_wstunnel.so
- Windows版の場合
-
LoadModule proxy_module modules/mod_proxy.so
LoadModule proxy_http_module modules/mod_proxy_http.so
LoadModule proxy_wstunnel_module modules/mod_proxy_wstunnel.so
(c) 記述できる場所
httpsd.conf
(43) IdentityCheck {On|Off}
(a) 内容
クライアントホストのidentdデーモンを使用してクライアントの確認をするかどうかを指定します。 identについては,RFC1413を参照してください。
ただし,クライアントホストがIPv6アドレスの場合は,Onを指定してもidentdデーモンを使用してクライアントの確認をしません。また,ログフォーマットに%lを指定している場合,CGI環境変数 REMOTE_IDENTには「unknown」を出力します。
On:identdデーモンを使用してクライアントの確認をします。
Off:identdデーモンを使用してクライアントの確認をしません。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>
(44) ImapBase {map|referer|URL}
(a) 内容
イメージマップファイルのbase行のデフォルトを指定します。
map:マップファイルの場所
referer:ドキュメントの場所(イメージマップを表示したHTMLファイルの場所)
URL:指定したURL
URLには,IPv6アドレスまたはIPv6アドレスに対応したホスト名も指定できます。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccess
(c) 上書き許可
Indexesレベル
(45) ImapDefault {error|nocontent|map|referer|URL}
(a) 内容
イメージマップファイルのdefault行のデフォルトを指定します。
error:標準のエラーメッセージを表示します(ステータスコード500 Server Errorを応答します)。
nocontent:リクエストを無視します(ステータスコード204 No Contentを応答します)。
map:マップファイル中のURLをメニュー表示します。
referer:ステータスコード302 Foundを応答します。
URL:指定したURLのコンテンツを表示します。
URLには,IPv6アドレスまたはIPv6アドレスに対応したホスト名も指定できます。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccess
(c) 上書き許可
Indexesレベル
(47) Include ファイル名
(a) 内容
ファイル名で指定したファイルをコンフィグファイルとして利用できるようにします。
ファイル名には,絶対パスまたはServerRootディレクティブの指定値からの相対パスが指定できます。このディレクティブを複数指定する場合,マージされた内容が使用されます。ファイル内に同じディレクティブがある場合,後ろに指定した方で上書きされます。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf
(48) IndexIgnore ファイル名 〔ファイル名 …〕
(a) 内容
ディレクトリインデクス表示時に,Webブラウザに表示させないファイル名を指定します。正規表現でも指定できます。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccess
(c) 上書き許可
Indexesレベル
(d) 指定例
IndexIgnore .??* *~ *# HEADER* README* RCS CVS *,v *,t
(49) IndexOptions 〔{+|-}〕オプション 〔〔{+|-}〕オプション …〕
(a) 内容
ディレクトリインデクスの整形表示機能のオプション設定をします。オプションの前に+を指定するかまたは+-を省略するとそのオプションが有効になります。デフォルトではすべてのオプションが無効です。指定できるオプションの一覧を次に示します。
オプション |
意味 |
---|---|
Charset=文字セット 〜《ISO-8859-1》 〜《UTF-8》 |
インデクス表示するページの文字セットを指定します。HeaderNameディレクティブまたはReadmeNameディレクティブで指定したファイルで使用している文字セットが,デフォルトの文字セット(UNIX版:ISO-8859-1,Windows版:UTF-8)と異なる場合は,このオプションでHeaderNameディレクティブまたはReadmeNameディレクティブで指定したファイルと同じ文字セットを指定してください。このオプションでは,=文字セットを省略できません。また,-Charset指定時も+Charset指定時と同様の動作をします。 |
DescriptionWidth〔={文字数|*}〕 《23,30,42または49》 |
ファイル説明文エリアの幅を文字数(1文字=1バイト)で指定します。*を指定した場合はAddDescriptionディレクティブで指定したファイル説明文の最大長に合わせて表示します。このオプションを省略した場合のファイル説明文エリアの幅は,23バイト(ただし,SuppressSize指定時+7,SuppressLastModified指定時+19)です。 -DescriptionWidth指定時は={文字数|*}を省略できます。この場合の表示幅は23バイトです。 |
FancyIndexing |
ディレクトリインデクスの整形表示機能を有効にします。 |
FoldersFirst |
ファイルよりディレクトリを先にインデクス表示する場合に指定します。ただし,FancyIndexingが有効な場合だけです。 |
IconsAreLinks |
ディレクトリインデクス整形表示時のアイコンをファイルに対するアンカーにします。 |
IconHeight〔=ピクセル数〕((>0))《22》 |
ディレクトリインデクス整形表示時のアイコンの高さをピクセル数で指定します。IconWidthオプションと一緒に指定します。インデクスを表示するHTMLのIMGタグのHEIGHT属性になります。 |
IconWidth〔=ピクセル数〕((>0))《20》 |
ディレクトリインデクス整形表示時のアイコンの幅をピクセルで指定します。IconHeightオプションと一緒に指定します。インデクスを表示するHTMLのIMGタグのWIDTH属性になります。 |
IgnoreCase |
ディレクトリインデクス整形表示時に,ファイル名およびディレクトリ名の大文字と小文字の区別をしないで並べ替えます。 |
NameWidth〔={文字数|*}〕《23》 |
ファイル名およびディレクトリ名エリアの幅を文字数(1文字=1バイト)で指定します。*を指定した場合はファイル名およびディレクトリ名の最大長に合わせて表示します。 ={文字数|*}を省略する場合は必ず-NameWidthと指定してください。 |
ScanHTMLTitles |
AddDescriptionディレクティブの指定がない場合に,HTMLファイル中の<TITLE>タグを検索し,説明文として表示します。 |
SuppressColumnSorting |
ファイル名,ディレクトリ名,最終更新日時,ファイルサイズおよびファイルの説明文の各カラムでインデクスを並べ替える機能を抑止します。 |
SuppressDescription |
ファイルの説明文を表示しません。 |
SuppressHTMLPreamble |
HeaderNameディレクティブが指定されている場合,HeaderNameディレクティブで指定されたファイルの内容と,自動生成されるHTMLヘッダ部(<HTML>や<TITLE>など)が共に出力されます。このオプションは,HeaderNameディレクティブで指定されたファイルがHTMLで記述されている場合,自動生成されるHTMLヘッダ部の出力を抑制します。 |
SuppressLastModified |
最終更新日時を表示させません。 |
SuppressSize |
ファイルサイズを表示させません。 |
TrackModified |
ディレクトリ表示のためのレスポンスのHTTPレスポンスヘッダに,Last-Modified値とEtag値を設定します。このオプションを指定すると,クライアントはHEADリクエストでディレクトリはファイル構成の変更を確認できるため,クライアントのキャッシュ機能を有効に活用できます。このオプションはオペレーティングシステムとファイルシステムがstat()をサポートしている場合だけ有効です。 |
(b) 注意事項
-
このディレクティブを複数指定する場合,同じファイル名に異なる文字列は指定できません。
-
IconHeight,IconWidth,NameWidthで=値を指定する場合,-の指定はできません。
-
設定されたオプションは,httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccessの順で,また,上位ディレクトリから下位ディレクトリへ継承します。継承したオプションを最終的にマージして,インデクス整形表示形式を決定します。
-
httpsd.confで+-を付けてオプションを指定しても無効になります。ただし,httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccessの順で,また,下位ディレクトリに継承されます。継承されたオプション指定はマージ処理で有効になります。参照順位が下位の指定場所でオプションの指定がある場合または次に示すディレクティブのどれかの指定がある場合,マージ処理が実行されます。
-
AddAlt
-
AddAltByEncoding
-
AddAltByType
-
AddDescription
-
AddIcon
-
AddIconByEncoding
-
AddIconByType
-
DefaultIcon
-
HeaderName
-
ReadmeName
(例)
httpsd.confファイルにIndexOptions +FancyIndexing +IconsAreLinksを指定した場合,下位の指定場所でインデクス関係のディレクティブ指定がなければFancyIndexing,IconsAreLinksは無効になります。
httpsd.confファイルにIndexOptions +FancyIndexing +IconsAreLinks,かつ下位ディレクトリのアクセスコントロールファイルに,AddDescription "テキストファイル" *.txtを指定した場合,FancyIndexing,IconsAreLinksは有効になります。
-
-
+-指定のないCharset,IconHeight,IconWidth,NameWidthディレクティブを指定すると,その指定場所内でそのオプションが指定されている位置より前に指定されている+-付のオプション(Charset,IconHeight,IconWidth,NameWidthを除いて)は無効になります。
(例)
IndexOptions FancyIndexing -IconsAreLinks IconHeight IconWidth
この場合,FancyIndexing,IconHeight,IconWidthディレクティブが有効になります。IconsAreLinksの-指定は継承されません。
-
指定場所間で同じディレクトリのインデクスを対象にオプション指定した場合のマージ処理は,参照順位がより後方の指定場所で+-のないオプションを指定すると,先に指定したオプションは無効になります。ただし,IconHeight,IconWidth,NameWidthは無効になりません。
(例1)
-
httpsd.confファイルの指定
IndexOptions +FancyIndexing +IconsAreLinks
-
アクセスコントロールファイルの指定
IndexOptions FancyIndexing SuppressLastModified
これらを指定した場合,IconsAreLinksは無効になります。FancyIndexing,SuppressLastModifiedは有効になります。
(例2)
-
httpsd.confファイルの指定
IndexOptions SuppressColumnSorting +FancyIndexing +IconsAreLinks
-
アクセスコントロールファイルの指定
IndexOptions FancyIndexing SuppressLastModified
これらを指定した場合,SuppressColumnSorting,IconsAreLinksは無効になります。また,FancyIndexing,SuppressLastModifiedは有効になります。
-
-
指定場所間で,同じディレクトリのインデクスを対象にオプション指定した場合のマージ処理は,同じオプションに対して+と-の両方を指定すると-指定が有効になります。
(例)
-
httpsd.confファイルの指定
IndexOptions +FancyIndexing -IconsAreLinks
-
アクセスコントロールファイルの指定
IndexOptions +IconsAreLinks
これらを指定した場合,IconsAreLinksは無効になります。
-
-
同じ指定場所で+-を指定しないオプションを指定すると,Charset,IconHeight,IconWidth,NameWidthディレクティブ以外の+-で指定したオプションは無効になります。
(例1)
-
httpsd.confファイルの指定
IndexOptions +IconsAreLinks FancyIndexing +SuppressLastModified
この場合,IconsAreLinksは無効になります。
(例2)
-
<VirtualHost>ブロック,<Directory>ブロックまたはアクセスコントロールファイルの指定
IndexOptions +IconsAreLinks FancyIndexing +SuppressLastModified
この場合,IconsAreLinks,SuppressLastModifiedは無効になります。
-
(c) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccess
(d) 上書き許可
Indexesレベル
(50) IndexOrderDefault {Ascending|Descending} {Name|Date|Size|Description}
(a) 内容
ディレクトリインデクス表示での,ファイルの並び順のデフォルトを指定します。
Ascending:昇順
Descending:降順
Name:ファイル名で並べます。
Date:ファイル更新日付で並べます。
Size:ファイルサイズで並べます。
Description:AddDescriptionディレクティブで指定した説明文で並べます。
(b) 記述できる場所
httpsd.conf,<VirtualHost>,<Directory>,.htaccess
(c) 上書き許可
Indexesレベル