4.2.11 保守情報収集機能(hwscollectコマンド)
Webサーバが異常終了および無応答となった場合などに,保守員が障害調査を実施するためのコアダンプ,エラーログ,アクセスログなどの資料が必要となります。hwscollectコマンドによって,これら障害調査のための資料を一括して収集できます。hwscollectコマンドはUNIX版だけで有効です。
hwscollectコマンドは,root権限で実行する必要があります。
(1) 形式
hwscollect 収集情報出力先ディレクトリ 〔-f 定義ファイル名〕
(2) オペランド
-
収集情報出力先ディレクトリ
収集した情報をtarのアーカイブファイルとして出力する場合の,出力先のディレクトリを指定します。
アーカイブファイルの名称は,HWSyyyymmddhhmmss.tar となります。ここでyyyymmddは hwscollectを起動した日付,hhmmssはhwscollectを起動した24時間制の時刻で,それぞれローカルタイムです。
-
-f 定義ファイル名
hwscollect.confファイルを指定します。絶対パスまたはカレントディレクトリからの相対パスで指定します。
(3) 使用方法
HTTP Serverを標準的な構成でインストールした場合の使用方法を示します。
/opt/hitachi/httpsd/maintenance/hwscollect /tmp
(4) コンフィグファイルの設定
hwscollect.confでhwscollectの動作を定義します。hwscollect.confは,キーワードと値をスペースで区切って記述します。キーワードは,大文字小文字を区別しません。行の最初に#を付けるとコメント行になります。ファイル名はすべて絶対パスで指定してください。コンフィグファイルのキーワードと指定について次に示します。
キーワード |
指定する値 |
指定 |
複数指定 |
ワイルドカード |
---|---|---|---|---|
ServerRoot |
httpsd.confのServerRootディレクティブの値を指定します。 |
必須 |
× |
× |
conf |
httpsd.confのファイル名を指定します。 |
必須 |
× |
× |
trcinfo |
hwstraceinfoコマンドの存在するディレクトリを指定します。 |
必須 |
× |
× |
trcid |
httpsd.confのHWSTraceIdFileディレクティブで指定されるファイル名を指定します。 |
必須 |
× |
× |
PidFile |
httpsd.confのPidFileディレクティブで指定されるファイル名を指定します。 |
必須 |
× |
× |
CORE |
httpsd.confのCoreDumpDirectoryディレクティブの値と,SSLCacheServerRunDirディレクティブの値を指定します。 |
任意 |
○ |
○ |
LOG |
httpsd.confのErrorLogディレクティブ,HWSRequestLogディレクティブおよびTransferLogディレクティブやCustomLogディレクティブなどのログを指定するファイル名を指定します。 |
任意 |
○ |
○ |
FILES |
そのほか,障害解析に役立つファイルがあれば指定します。 |
任意 |
○ |
○ |
(5) コンフィグファイルの指定例
コンフィグファイルの指定例を示します。
ServerRoot /opt/hitachi/httpsd conf /opt/hitachi/httpsd/conf/httpsd.conf trcinfo /opt/hitachi/httpsd/sbin/ trcid /opt/hitachi/httpsd/logs/hws.trcid PidFile /opt/hitachi/httpsd/logs/httpd.pid CORE /opt/hitachi/httpsd/logs/core* LOG /opt/hitachi/httpsd/logs/error* LOG /opt/hitachi/httpsd/logs/access* LOG /opt/hitachi/httpsd/logs/hws.trclog* LOG /opt/hitachi/httpsd/logs/hwsrequest*
(6) ディスク使用量
-
一時的に使用するファイル
200KB+7KB×MaxClients値
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収集した情報を出力するtarファイル
coreファイルの容量+logファイルの容量+一時的に使用するファイルの容量
(7) 注意事項
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収集情報出力先ディレクトリには,coreファイルを含む保守情報のアーカイブファイルが作成されるため,空き領域を確保してください。
-
収集情報出力先ディレクトリに出力ファイルおよび一時ファイルを作成します。このため,収集情報出力先ディレクトリは書き込み可能としてください。
-
CORE,LOGおよびFILESにディレクトリを指定すると,指定されたディレクトリ下のファイルのすべてを採取します。このため,ルートディレクトリなど上位ディレクトリを指定すると,大量かつ不要な情報を採取してしまうため,注意が必要です。