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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 互換編


16.7 アプリケーションサーバが使用するTCP/UDPのポート番号

デフォルト値が「(浮動)」のポートは,ポート番号を明示的に固定しない場合にアプリケーションサーバによって自動的に番号が付けられるポートです。

アプリケーションサーバが使用するTCP/UDPのポート番号の説明を次の表に示します。なお,ご使用のOSによっては,ネットワーク単位ではなくホスト単位でファイアウォールが設定されているものがあります。これらのファイアウォールでは,localhost(127.0.0.1)以外との通信は,同一ホスト内でもファイアウォールのフィルタリングの対象になる場合があります。この場合は,ホスト内でしか通信しないポートであっても,フィルタで通信を許可する設定にしてください。

表16‒17 アプリケーションサーバが使用するTCP/UDPのポート番号

項番

プロセス

説明

デフォルト値

(1)

J2EEサーバ

EJBコンテナのリクエスト受付ポート。

(浮動)

(2)

管理用通信ポート。

28008

(3)

Webサーバ(リダイレクタ)からのリクエスト受付ポート。

8007

(4)

トランザクションサービス使用時のトランザクションリカバリ処理通信ポート。

トランザクションサービス使用時に必要です。

20302

(5)

インプロセスで起動するネーミングサービスのリクエスト受付ポート。

900

(6)

インプロセスHTTPサーバのリクエスト受付ポート。

インプロセスHTTPサーバを使用するときに必要です。

80

(7)

RMIレジストリのリクエスト受付ポート。

23152

(8)

共有キューを使用して複数システム間でのアプリケーション連携をする場合のイベント受信用ポート。

20351

(9)

稼働情報取得時のリクエスト受付ポート。

23550

(10)

OpenTP1からのRPC要求を待ち受けるポート。

23700

(11)

OpenTP1からの同期点要求を待ち受けるポート。

23900

(12)

運用監視エージェント

運用監視エージェントの通信用ポート。

(浮動)

(13)

スマートエージェント

スマートエージェントの通信用ポート環境変数。

UDPによる双方向通信に必要です。

14000

(14)

ネーミングサービス

ネーミングサービスのリクエスト受付ポート引数(TPBrokerが利用)。

900

(15)

運用管理エージェント

運用管理エージェントがManagement Serverとの通信に使用するポート。

20295

(16)

サーバ通信エージェント

サーバ通信エージェントが仮想サーバマネージャとの通信に使用するポート。

20580

(17)

Management Server

Management Serverのhttpポート。

28080

(18)

Management Serverの終了要求ポート。

ホスト内通信に必要です。

28005

(19)

Management Serverの内部通信ポート。

ホスト内通信に必要です。

28009

(20)

Managerリモート管理機能への接続ポート。

28099

(21)

Managerリモート管理機能へのクライアント接続ポート。

(浮動)

(22)

HTTP Server

HTTP Serverのhttpポート。

80

(23)

HTTP Serverのhttpsポート。

443

(24)

サーバ管理コマンド

サーバ管理コマンドがJ2EEサーバと通信するポート。

(浮動)

(25)

CTMレギュレータ

CTMレギュレータがEJBクライアントからのリクエストを受け付けるポートの基底値。基底値+プロセス数だけ使用します。

CTM使用時に必要です。

(浮動)

(26)

CTMデーモン

CTMデーモンがEJBクライアントからのリクエストを受け付けるポート。

CTM使用時に必要です。

(浮動)

(27)

CTMデーモンがほかのデーモンやJ2EEサーバなどと通信するポート。

CTM使用時に必要です。

20138

(28)

CTMドメインマネジャ

CTMドメインマネジャがほかのCTMドメインマネジャと通信するポート。

CTM使用時に,TCPおよびUDP通信(ブロードキャスト)をするために必要です。

20137

(29)

CJMSPブローカー

CJMSプロバイダのブローカーがリソースアダプタやコマンドからのリクエストを受け付けるためのポート。

7676

(30)

CJMSプロバイダのブローカーがリソースアダプタとコネクションを確立するためのポート。

(浮動)

(31)

CJMSプロバイダのブローカーがコマンドとコネクションを確立するためのポート。

(浮動)

(32)

Management Server

08-50モードの仮想サーバマネージャ(Management Server)がvCenter Serverの接続処理を行うための,内部で起動するプロセス(Agent for vCenter Server)のポート。

28089

(33)

HCSC-Managerから利用されるManagement Serverの内部通信用ポート。

28900

アプリケーションサーバのプロセスが使用するTCP/UDPのポート番号について,次の図に示します。(x)は表の項番と対応しています。

図16‒5 アプリケーションサーバが使用するTCP/UDPのポート番号

[図データ]

これ以外の凡例については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。

ポート番号の指定個所を次の表に示します。表の項番は図中の項番と対応しています。

表16‒18 アプリケーションサーバが使用するTCP/UDPのポート番号の指定個所

項番

定義ファイル

設定対象

パラメタ名※1

(1)

簡易構築定義ファイル

論理J2EEサーバ(j2ee-server)

vbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.listener.port

(2)

簡易構築定義ファイル

論理J2EEサーバ(j2ee-server)

ejbserver.http.port

(3)

簡易構築定義ファイル

論理J2EEサーバ(j2ee-server)

webserver.connector.ajp13.port

(4)

簡易構築定義ファイル

論理J2EEサーバ(j2ee-server)

ejbserver.distributedtx.recovery.port

(5)

簡易構築定義ファイル

論理J2EEサーバ(j2ee-server)

webserver.connector.inprocess_http.port

(6)

簡易構築定義ファイル

論理J2EEサーバ(j2ee-server)

ejbserver.rmi.naming.port

(7)

Connector属性ファイル

Reliable Messaging

<config-property>タグに指定するRMSHPort※2

(8)

簡易構築定義ファイル

論理J2EEサーバ(j2ee-server)

ejbserver.rmi.remote.listener.port

(9)

Connector属性ファイル

TP1インバウンドアダプタ

<config-property>タグに指定するscd_port※3

(10)

Connector属性ファイル

TP1インバウンドアダプタ

<config-property>タグに指定するtrn_port※3

(11)

簡易構築定義ファイル

論理J2EEサーバ(j2ee-server)

mngagent.connector.port

(12)

簡易構築定義ファイル

論理スマートエージェント(smart-agent)

smartagent.port

(13)

簡易構築定義ファイル

論理J2EEサーバ(j2ee-server)

ejbserver.naming.port

(14)

adminagent.properties

運用管理エージェント

adminagent.adapter.portキー

(15)

sinaviagent.properties※4

サーバ通信エージェント

sinaviagent.portキー

(16)

mserver.properties

Management Server

webserver.connector.http.portキー

(17)

mserver.properties

Management Server

webserver.shutdown.portキー

(18)

mserver.properties

Management Server

webserver.connector.ajp13.portキー

(19)

mserver.properties

Management Server

com.cosminexus.mngsvr.management.portキー

(20)

mserver.properties

Management Server

com.cosminexus.mngsvr.management.listen.portキー

(21)

簡易構築定義ファイル

論理Webサーバ

(web-server)

Listen

(22)

簡易構築定義ファイル

論理Webサーバ

(web-server)

Listen

(23)

usrconf.properties(サーバ管理コマンド用システムプロパティファイル)

サーバ管理コマンド

vbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.listener.portキー

(24)

簡易構築定義ファイル

論理CTM(component-transaction-monitor)

ctm.RegOption

(25)

簡易構築定義ファイル

論理CTM(component-transaction-monitor)

ctm.EjbPort

(26)

簡易構築定義ファイル

論理CTM(component-transaction-monitor)

ctm.port

(27)

簡易構築定義ファイル

論理CTMドメインマネジャ(ctm-domain-manager)

cdm.port

(28)

config.properties

CJMSPブローカー

imq.portmapper.portキー

(29)

config.properties

CJMSPブローカー

imq.jms.tcp.portキー

(30)

config.properties

CJMSPブローカー

imq.admin.tcp.portキー

(31)

vmx.properties

08-50モードの仮想サーバマネージャ(Management Server)

vmx.vcenterserver.agent.portキー

(32)

mserver.properties

Management Server

ejbserver.naming.portキー

注※1 設定ファイルが簡易構築定義ファイルの場合は,<configuration>タグ内の<param-name>の指定値を指します。

注※2 RMSHPortは,リソースアダプタReliable Messagingのプロパティ定義で指定するコンフィグレーションプロパティです。RMSHPortについては,マニュアル「Reliable Messaging」の「6. コンフィグレーションプロパティ」を参照してください。

注※3 scd_portおよびtrn_portは,リソースアダプタTP1インバウンドアダプタのプロパティ定義で指定するコンフィグレーションプロパティです。scd_portおよびtrn_portについては,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「4.12.2 リソースアダプタの設定」を参照してください。

注※4 サーバ通信エージェントの詳細については,サーバ通信エージェントのドキュメントを参照してください。

参考

運用管理ポータルまたはファイル編集によってアプリケーションサーバを構築している場合のTCP/UDPのポートの設定個所を次に示します。

表16‒19 運用管理ポータルまたはファイル編集によってアプリケーションサーバを構築している場合のTCP/UDPのポートの設定個所

項番

運用管理ポータルで構築している場合の設定個所

ファイル編集で構築している場合の設定個所

(1)

[EJBコンテナの設定]画面の「オプション」の「通信ポート番号」

usrconf.propertiesのvbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.listener.portキー

(2)

[J2EEサーバの基本設定]画面の「コンテナの設定」の「簡易Webサーバのポート番号」

usrconf.propertiesのejbserver.http.portキー

(3)

[Webコンテナの設定]画面の「Webサーバとの接続」の「ポート番号」

usrconf.propertiesのwebserver.connector.ajp13.portキー

(4)

[トランザクションの設定]画面の「トランザクションに関する設定」の「JTAリカバリの固定ポート番号」

usrconf.propertiesのejbserver.distributedtx.recovery.portキー

(5)

[ネーミングの設定]画面の「インプロセス選択時の設定」の「ポート番号」

usrconf.propertiesのejbserver.naming.portキー

(6)

[Webコンテナの設定]画面の「インプロセスHTTPサーバ機能の使用」の「ポート番号」

usrconf.propertiesのwebserver.connector.inprocess_http.portキー

(7)

[通信の設定]画面の「RMIレジストリの設定」の「ポート番号」

usrconf.propertiesのejbserver.rmi.naming.portキー

(8)

Connector属性ファイルの<config-property>タグに指定するRMSHPort※1

Connector属性ファイルの<config-property>タグに指定するRMSHPort※1

(9)

[通信の設定]画面の「RMIレジストリの設定」の「通信ポート番号」

usrconf.propertiesのejbserver.rmi.remote.listener.portキー

(10)

TP1インバウンドアダプタのConnector属性ファイルのリソースアダプタの<config-property>タグに指定するscd_port

TP1インバウンドアダプタのConnector属性ファイルのリソースアダプタの<config-property>タグに指定するscd_port

(11)

TP1インバウンドアダプタのConnector属性ファイルのリソースアダプタの<config-property>タグに指定するtrn_port

TP1インバウンドアダプタのConnector属性ファイルのリソースアダプタの<config-property>タグに指定するtrn_port

(12)

[J2EEコンテナの設定]画面の「運用監視エージェントの設定」の「ポート番号」

mngagent.<実サーバ名>.propertiesのmngagent.connector.portキー

(13)

[スマートエージェントの設定]画面の「スマートエージェントに関する設定」の「監視ポート番号」

環境変数OSAGENT_PORT

(14)

  • CORBAネーミングサービスをインプロセスで起動する場合

    [J2EEサーバの基本設定]画面の「利用するネーミングサービスの設定」の「インプロセス用のポート番号」

  • CORBAネーミングサービスをアウトプロセスで起動する場合

    [ホスト内のサーバの設定]画面の「ネーミングサービスの設定」の「ネーミングサービスのポート番号」

  • CORBAネーミングサービスをインプロセスまたはアウトプロセスで自動起動する場合

    usrconf.propertiesのejbserver.naming.portキー

  • CORBAネーミングサービスを手動起動する場合

    nameservコマンドのコマンド引数に「-Dvbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.listener.port=<ポート番号>」を指定。

(15)

adminagent.propertiesのadminagent.adapter.portキー

adminagent.propertiesのadminagent.adapter.portキー

(16)

sinaviagent.propertiesのsinaviagent.portキー※2

sinaviagent.propertiesのsinaviagent.portキー

(17)

[ネットワークの設定]画面の「Management Server接続HTTPポート番号」

mserver.propertiesのwebserver.connector.http.portキー

(18)

[ネットワークの設定]画面の「Management Server終了要求受信ポート番号」

mserver.propertiesのwebserver.shutdown.portキー

(19)

[ネットワークの設定]画面の「Management Server内部通信用ポート番号」

mserver.propertiesのwebserver.connector.ajp13.portキー

(20)

mserver.propertiesのcom.cosminexus.mngsvr.management.portキー

mserver.propertiesのcom.cosminexus.mngsvr.management.portキー

(21)

mserver.propertiesのcom.cosminexus.mngsvr.management.listen.portキー

mserver.propertiesのcom.cosminexus.mngsvr.management.listen.portキー

(22)

[ホスト内のサーバの設定]画面の「J2EEサーバの設定」の「ポート番号」の「http」

httpsd.confのListenディレクティブまたはPortディレクティブ

(23)

[ホスト内のサーバの設定]画面の「J2EEサーバの設定」の「ポート番号」の「https」

httpsd.confのListenディレクティブまたはPortディレクティブ

(24)

usrconf.properties(サーバ管理コマンド用システムプロパティファイル)のvbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.listener.portキー

usrconf.properties(サーバ管理コマンド用システムプロパティファイル)のvbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.listener.portキー

(25)

[レギュレータの設定]画面の「CTMレギュレータの設定」の「設定ファイル」

ctmregltdコマンドまたはctmstartコマンドの引数-CTMEjbPort

(26)

[スケジューリングの設定]画面の「詳細設定」の「EJBリクエスト受信ポート番号」

ctmstartコマンドの引数-CTMEjbPort

(27)

[CTMの基本設定]画面の「基本設定」の「ポート番号」

ctmstartコマンドの引数-CTMPort

(28)

[CTMドメインマネジャの基本設定]画面の「ポート番号」

ctmdmstartコマンドの引数-CTMPort

(29)

config.propertiesのimq.portmapper.portキー

config.propertiesのimq.portmapper.portキー

(30)

config.propertiesのimq.jms.tcp.portキー

config.propertiesのimq.jms.tcp.portキー

(31)

config.propertiesのimq.admin.tcp.portキー

config.propertiesのimq.admin.tcp.portキー

(32)

vmx.propertiesのvmx.vcenterserver.agent.portキー

vmx.propertiesのvmx.vcenterserver.agent.portキー

(33)

mserver.propertiesのejbserver.naming.portキー

mserver.propertiesのejbserver.naming.portキー

注※1 RMSHPortは,リソースアダプタReliable Messagingのプロパティ定義で指定するコンフィグレーションプロパティです。RMSHPortについては,マニュアル「Reliable Messaging」の「6. コンフィグレーションプロパティ」を参照してください。

注※2 サーバ通信エージェントの詳細については,サーバ通信エージェントのドキュメントを参照してください。

注意事項

サーバの待ち受けポートの注意事項(UNIXの場合)

UNIXの場合,次の条件がすべて重なるときは,待ち受けをしていないTCPポートに対して,接続に成功してしまうことがあります。

  • 待ち受けをしていないポートに対して接続試行を実行する

  • 接続対象が自ホストであり,かつ一時ポート番号の範囲(OSが動的に割り当てるポートの範囲)である

この現象が発生した場合,想定したプロセスとの通信ができないで,タイムアウトなどが発生します。この現象を回避するためには,サーバの待ち受けポートに一時ポート番号の範囲以外の値を指定してください。一時ポート番号の範囲は,次のファイルで確認できます。

AIXの場合

最小値(32768):no -o tcp_ephemeral_low

最大値(65535):no -o tcp_ephemeral_high

Linuxの場合

/proc/sys/net/ipv4/ip_local_port_range

なお,サーバの待ち受けポートの設定方法は,各OSのマニュアルを参照してください。