10.8.1 リソースアダプタの移行コマンドの実行
ここでは,リソースアダプタの移行コマンドであるcjrarupdateコマンドの実行について説明します。バッチサーバの場合は,「J2EEサーバ」を「バッチサーバ」と読み替えてください。
- 〈この項の構成〉
(1) バックアップRARディレクトリ
WindowsおよびUNIX共に,リソースアダプタの移行コマンドを実行すると,J2EEサーバの作業ディレクトリ内のファイルを変換する前にバックアップを作成します。このマニュアルでは,バックアップされた作業ディレクトリのことを,バックアップRARディレクトリと呼びます。バックアップRARディレクトリには,移行前の情報(ファイル)が残ります。リソースアダプタの移行コマンドの実行が終了したとき,バックアップRARディレクトリは自動的に削除されません。
また,リソースアダプタの移行コマンドを複数回実行する場合(例えば,DB Connector用に1回とTP1 Connector用に1回の合計2回実行する),バックアップRARディレクトリはコマンド実行ごとに生成され,最終的には複数残ります。
バックアップRARディレクトリの例,および移行処理に失敗した場合に自動で回復する方法について説明します。
-
バックアップRARディレクトリの例
バックアップRARディレクトリは,作業ディレクトリの直下に作成されます。バックアップRARディレクトリ名は,「rarupdate_bk」です。バックアップRARディレクトリの例を次に示します。
-
Windowsの場合
- 作業ディレクトリ
-
<製品のインストールディレクトリ>\CC\server\public
- バックアップRARディレクトリ
-
<製品のインストールディレクトリ>\CC\server\public\rarupdate_bk
-
UNIXの場合
- 作業ディレクトリ
-
/opt/Cosminexus/CC/server/public
- バックアップRARディレクトリ
-
/opt/Cosminexus/CC/server/public/rarupdate_bk
すでにバックアップRARディレクトリ(rarupdate_bk)が作成されている場合,既存のバックアップディレクトリは「rarupdate_bk_0000000[n]」(nは17けたの番号で年月日時間の情報)にリネームされたあと,新たにバックアップRARディレクトリが作成されます。
-
移行処理に失敗した場合に自動で回復する方法
移行処理に失敗した場合に自動で回復するには,cjrarupdateコマンドに引数-recoverfromを指定して実行してください。引数-recoverfromには,バックアップ格納先ディレクトリを指定します。バックアップ処理の開始時,および完了時には,メッセージが出力されます。また,引数-recoverfromに指定したバックアップ格納先ディレクトリが不正な場合,および回復処理に失敗した場合,エラーメッセージが出力されます。
(2) 移行コマンドの実行
cjrarupdateコマンドを実行します。DB Connector,およびバージョンアップする各リソースアダプタに対して,一回ずつcjrarupdateコマンドを実行します。
-
DB Connectorを使用している場合
-
Windowsの場合
<製品のインストールディレクトリ>\CC\server\bin\cjrarupdate -type dbconnector
-
UNIXの場合
/opt/Cosminexus/CC/server/bin/cjrarupdate -type dbconnector
-
-
DB Connector以外のリソースアダプタを使用している場合
-
Windowsの場合
<製品のインストールディレクトリ>\CC\server\bin\cjrarupdate -type rar -f <リソースアダプタのパス>
-
UNIXの場合
/opt/Cosminexus/CC/server/bin/cjrarupdate -type rar -f <リソースアダプタのパス>
-
なお,cjrarupdateコマンドのログは,次の場所に出力されます。
-
Windowsの場合
<製品のインストールディレクトリ>\CC\logs
-
UNIXの場合
/opt/Cosminexus/CC/logs
cjrarupdateコマンドの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjrarupdate(リソースアダプタのバージョンアップ)」を参照してください。
- 注意事項
-
-
cjrarupdateコマンドを同時に実行すると正しく環境が移行されないことがあります。コマンドを同時に実行しないでください。
-
複数のリソースアダプタを使用している場合,cjrarupdateコマンドを1回実行して,すべてのリソースアダプタを一括で移行できます。また,バックアップRARディレクトリのディレクトリパスを明示的に指定できます。
-
TP1/Message Queue-Accessを移行する場合に,新しいRARファイルが同一バージョンと認識されることがあります。その場合は-forceオプションを指定して強制的に移行処理を実行してください。
-
cjrarupdateコマンドに引数-recoverfromを指定して,J2EEアプリケーションに含めて使用するリソースアダプタを自動で回復する場合,移行処理に失敗したときに,回復が完了するまでJ2EEサーバに対する操作を実行しないでください。回復が完了する前にJ2EEサーバに対する操作を実行すると,回復処理が正しく実行されないことがあります。
-