15.3.5 待機系の前提条件
待機系の前提条件を次に示します。
なお,クラスタソフトウェアと連携してシステムを運用する場合,待機系はコールドスタンバイで系切り替えを待ちます。コールドスタンバイとは,系切り替えが発生したあとに待機系のサーバが起動する方法です。
(1) 1:1系切り替えシステム,相互系切り替えシステムおよびホスト単位管理モデルを対象にした系切り替えシステムの場合
1:1系切り替えシステム,相互系切り替えシステム,およびホスト単位管理モデルを対象にした系切り替えシステムの場合,待機系のアプリケーションサーバではアプリケーションサーバ関連のプロセスは起動できません。このため,次の操作ができないので注意してください。
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J2EEサーバへのアプリケーションのデプロイおよびアンデプロイ
J2EEアプリケーションの入れ替えも含みます。
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Management Serverおよび運用管理エージェントによる管理操作
また,待機系のアプリケーションサーバからは共有ディスク装置へのアクセスはできません。J2EEサーバを使用している場合でグローバルトランザクションのとき,共有ディスク装置にはトランザクションサービスなどの定義情報が保持されます。ただし,待機系のアプリケーションサーバからこの定義情報を変更することはできません。
(2) N:1系切り替えシステムの場合
N:1リカバリシステムの場合,待機系はリカバリ専用サーバとなります。待機系のリカバリ専用サーバの前提条件を次に示します。
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グローバルトランザクションを使用します。
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CORBAネーミングサービスおよびトランザクションサービスはインプロセスで動作させます。
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実行系のアプリケーションサーバ上のJ2EEサーバと同じ名称のJ2EEサーバが,待機系のリカバリ専用サーバ上で動作している必要があります。
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実行系のアプリケーションサーバで使用しているリソースアダプタと同じ設定のリソースアダプタをインポートし,デプロイ,開始しておきます。なお,リカバリ専用サーバには実行系で使用しているリソースアダプタをすべてインポートする必要があります。
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リカバリ専用サーバは,障害が発生したアプリケーションサーバのトランザクションを決着するために使用するサーバであるため,J2EEアプリケーションをデプロイする必要はありません。
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バッチアプリケーションの実行環境では使用できません。
なお,待機系であるリカバリ専用サーバマシンには,リカバリ処理をするリソースアダプタを,あらかじめ設定しておく必要があります。また,N:1リカバリが有効に動作するためには,次の二つの条件を満たしている必要があります。
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実行系のアプリケーションサーバで起動しているJ2EEサーバと同じ名称のJ2EEサーバが,待機系のリカバリ専用サーバにあること。
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実行系のJ2EEサーバでスタート状態にあるリソースアダプタの設定とまったく同じ設定のリソースアダプタが,待機系のJ2EEサーバに常に存在すること。