13.5.1 Webフロントシステムでの運用例
ここでは,WebフロントシステムでJP1/IMと連携し,アプリケーションサーバのログファイルを監視して,システムの集中監視をする運用例について説明します。
(1) システム構成と運用例
JP1/IMと連携してシステムを集中監視すると,アプリケーションサーバのプロセスで発生した事象(エラーメッセージ)は,JP1イベントに変換されてJP1総合運用管理サーバへ転送され,システム運用者に通知されます。
この場合,アプリケーションサーバにはJP1/Base,JP1/統合運用管理サーバにはJP1/Base,JP1/IM - Manager,JP1/IM - Viewなどを利用します。
Webフロントシステムでのシステム構成と運用例を次の図に示します。
-
アプリケーションサーバのプロセスで発生した事象(エラーメッセージ)が出力されたログファイルは,JP1/Baseのログファイルトラップによって定期的に監視されます。
-
ログファイルトラップ動作定義ファイルの監視条件と一致すると,JP1/BaseのログファイルトラップによってそのエラーメッセージはJP1イベントに変換され,JP1/Baseのイベントサービスによってイベントデータベースに蓄積されます。
-
JP1イベントは,JP1/BaseのイベントサービスによってJP1統合運用管理サーバへ転送されます。
-
通知を受けたシステム運用者は,JP1/IM - Viewを使って発生した事象を確認します。
このシステム構成を例にして,監視するログとメッセージ,および各ログを監視するためのログファイルトラップ動作定義ファイルの設定例を説明します。ここでは,代表的なOSの設定例について説明します。
(2) Windowsの場合の設定例
Windowsの場合に監視するログファイルと,ログファイルトラップ動作定義ファイルの設定内容を次の表に示します。なお,ここで説明するログファイルの出力先はデフォルトになります。
項番 |
プロセス名 |
監視するログファイル名 |
ログファイルトラップ動作定義ファイルの設定内容 |
説明 |
||
---|---|---|---|---|---|---|
FILETYPE※1の指定値 |
ACTDEF※2の指定値 |
MARKSTR※3の指定値 |
||||
1 |
Webサーバ(HTTP Serverの場合) |
<HWSのインストールディレクトリ>\servers\HWS_<サーバ名称>\logs\error.[n] |
WRAP2 新規出現タイプ |
"emerg" "alert" "crit" "error" |
"File does not exist" |
[n]は001から005まで作成されます。すべてのファイルを監視します。 |
<アプリケーションサーバのインストールディレクトリ>\CC\web\redirector\logs\hws_redirect[n].log |
WRAP2 新規出現タイプ |
"-E" |
"KDJE39188-E" "KDJE41010-E" |
[n]は1から8まで作成されます。すべてのファイルを監視します。 |
||
2 |
J2EEサーバ |
<アプリケーションサーバのインストールディレクトリ>\CC\server\public\ejb\<サーバ名称>\logs\cjmessage[n].log |
WRAP2 新規出現タイプ |
"-E" "KDJE52703-W" "KDJE31002-W" "KDJE34500-W" |
"KDJE39022-E" "KDJE39051-E" "KDJE39057-E" |
[n]は1から2まで作成されます。すべてのファイルを監視します。 |
|
WRAP2 新規出現タイプ |
"-E" |
− |
[n]は1から4まで作成されます。すべてのファイルを監視します。 |
||
3 |
Management Server |
<アプリケーションサーバのインストールディレクトリ>\manager\log\message\mngmessage[n].log |
WRAP2 新規出現タイプ |
"-E" |
− |
[n]は1から4まで作成されます。すべてのファイルを監視します。 |
4 |
運用管理エージェント |
JP1/Baseのログファイルトラップの起動コマンド(jevlogstartコマンド)に,引数として設定するログファイルトラップ動作定義ファイルの作成例を次に示します。ログファイルトラップ動作定義ファイルは,監視するログファイルごとに作成します。
-
error.[n]を監視するためのログファイルトラップ動作定義ファイルの作成例
FILETYPE=WRAP2 MARKSTR="File does not exist" ACTDEF=<Emergency>111A "emerg" ACTDEF=<Alert>111B "alert" ACTDEF=<Critical>111C "crit" ACTDEF=<Error>111D "error"
-
hws_redirect[n].logを監視するためのログファイルトラップ動作定義ファイルの作成例
FILETYPE=WRAP2 MARKSTR="KDJE39188-E" MARKSTR="KDJE41010-E" ACTDEF=<Error>112A "-E"
-
cjmessage[n].logを監視するためのログファイルトラップ動作定義ファイルの作成例
FILETYPE=WRAP2 MARKSTR="KDJE39022-E" MARKSTR="KDJE39051-E" MARKSTR="KDJE39057-E" ACTDEF=<Error>113A "-E" ACTDEF=<Warning>113B "KDJE52703-W" ACTDEF=<Warning>113C "KDJE31002-W" ACTDEF=<Warning>113D "KDJE53850-W"
-
DB_Connector_for_Oracle[n].log,DB_Connector_for_HiRDB_Type4[n].log,またはDB_Connector_for_SQLServer2005[n].logを監視するためのログファイルトラップ動作定義ファイルの作成例
FILETYPE=WRAP2 ACTDEF=<Error>114A "-E"
-
mngmessage[n].logを監視するためのログファイルトラップ動作定義ファイルの作成例
FILETYPE=WRAP2 ACTDEF=<Error>115A "-E"
(3) Linux(AMD64 & Intel EM64T)の場合の設定例
Linux(AMD64 & Intel EM64T)の場合に監視するログファイルと,ログファイルトラップ動作定義ファイルの設定内容を次の表に示します。なお,ここで説明するログファイルの出力先はデフォルトになります。
項番 |
プロセス名 |
監視するログファイル名 |
ログファイルトラップ動作定義ファイルの設定内容 |
説明 |
||
---|---|---|---|---|---|---|
FILETYPE※1の指定値 |
ACTDEF※2の指定値 |
MARKSTR※3の指定値 |
||||
1 |
Webサーバ(HTTP Serverの場合) |
<HWSのインストールディレクトリ>/servers/HWS_<サーバ名称>/logs/error.[n] |
WRAP2 新規出現タイプ |
"emerg" "alert" "crit" "error" |
"File does not exist" |
[n]は001から005まで作成されます。すべてのファイルを監視します。 |
/opt/Cosminexus/CC/web/redirector/logs/hws_redirect[n].log |
HTRACE 新規出現タイプ |
"-E" |
"KDJE39188-E" "KDJE41010-E" |
[n]は1から8まで作成されます。すべてのファイルを監視します。 |
||
2 |
J2EEサーバ |
/opt/Cosminexus/CC/server/public/ejb/<サーバ名称>/logs/cjmessage[n].log |
WRAP2 新規出現タイプ |
"-E" "KDJE52703-W" "KDJE31002-W" "KDJE34500-W" |
"KDJE39022-E" "KDJE39051-E" "KDJE39057-E" |
[n]は1から2まで作成されます。すべてのファイルを監視します。 |
|
WRAP2 新規出現タイプ |
"-E" |
− |
[n]は1から4まで作成されます。すべてのファイルを監視します。 |
||
3 |
Management Server |
/opt/Cosminexus/manager/log/message/mngmessage[n].log |
WRAP2 新規出現タイプ |
"-E" |
− |
[n]は1から4まで作成されます。すべてのファイルを監視します。 |
4 |
運用管理エージェント |
JP1/Baseのログファイルトラップの起動コマンド(jevlogstartコマンド)に,引数として設定するログファイルトラップ動作定義ファイルの作成例を次に示します。ログファイルトラップ動作定義ファイルは,監視するログファイルごとに作成します。
-
error.[n]を監視するためのログファイルトラップ動作定義ファイルの作成例
FILETYPE=WRAP2 MARKSTR="File does not exist" ACTDEF=<Emergency>111A "emerg" ACTDEF=<Alert>111B "alert" ACTDEF=<Critical>111C "crit" ACTDEF=<Error>111D "error"
-
hws_redirect[n].logを監視するためのログファイルトラップ動作定義ファイルの作成例
FILETYPE=HTRACE MARKSTR="KDJE39188-E" MARKSTR="KDJE41010-E" ACTDEF=<Error>112A "-E"
-
cjmessage[n].logを監視するためのログファイルトラップ動作定義ファイルの作成例
FILETYPE=WRAP2 MARKSTR="KDJE39022-E" MARKSTR="KDJE39051-E" MARKSTR="KDJE39057-E" ACTDEF=<Error>113A "-E" ACTDEF=<Warning>113B "KDJE52703-W" ACTDEF=<Warning>113C "KDJE31002-W" ACTDEF=<Warning>1130 "KDJE34500-W"
-
DB_Connector_for_Oracle[n].log,DB_Connector_for_HiRDB_Type4[n].log,またはDB_Connector_for_SQLServer2005[n].logを監視するためのログファイルトラップ動作定義ファイルの作成例
FILETYPE=WRAP2 ACTDEF=<Error>114A "-E"
-
mngmessage[n].logを監視するためのログファイルトラップ動作定義ファイルの作成例
FILETYPE=WRAP2 ACTDEF=<Error>115A "-E"