5.6.2 Webアプリケーションのサービスの部分閉塞による入れ替え
Webアプリケーションのサービス閉塞では,部分的にサービスを閉塞することもできます。Webアプリケーションのサービスの部分閉塞によって,サービスを停止することなく,J2EEアプリケーションの入れ替えができ,システムをメンテナンスできます。
- 〈この項の構成〉
(1) サービスの部分閉塞ができるシステム構成
サービスの部分閉塞ができるシステム構成を次に示します。
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負荷分散機を使用して,複数のWebサーバにリクエストを振り分けていること
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WebサーバとJ2EEサーバは,1:1または1:nの構成になっていること
なお,セッションを使用するアプリケーションの場合,同一セッションのリクエストは同一のJ2EEサーバで処理する必要がありますが,Webアプリケーションのサービスの部分閉塞をすると,リクエストは,閉塞されたWebアプリケーションがあるJ2EEサーバとは別のJ2EEサーバで処理されます。セッション情報を引き継ぐためには,セッションフェイルオーバ機能を使用してください。セッションフェイルオーバ機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「5. J2EEサーバ間のセッション情報の引き継ぎ」を参照してください。
(2) サービスの部分閉塞の方法
Webアプリケーションのサービスの部分閉塞をするには,負荷分散機のリクエスト振り分け先を変更して,閉塞したいWebアプリケーションにリクエストが転送されないようにします。
このとき,リクエストにエラーが返されないようにするため,J2EEサーバで実行されるリクエストがないことを確認します。使用しているWebサーバによって,次のことを実施してください。
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WebサーバにHTTP Serverを使用している場合
HTTP Serverを停止してください。HTTP Serverを停止すると,J2EEサーバにリクエストは転送されません。
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WebサーバにMicrosoft IISを使用している場合
該当するJ2EEサーバで実行中のリクエストがないことを確認してください。J2EEサーバで実行中のリクエスト数を確認するには,Management Serverのmngsvrutilコマンドによって稼働情報を取得してください。詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「mngsvrutil(Management Serverの運用管理コマンド)」を参照してください。
なお,負荷分散機には,リクエストの振り分け先を変更したときに,変更前にあった負荷分散機とWebサーバの接続を,リクエスト処理が完了するまで保持する機能が必要です。この機能のない負荷分散機を使用すると,実行中のリクエストにエラーを返すので注意してください。