4.2.1 バッチアプリケーションをスケジューリングする利点
ここでは,スケジューリング機能を使用する利点について説明します。
バッチサーバでは,同時に実行できるバッチアプリケーションの数は一つです。バッチアプリケーションを開始するには,アプリケーションサーバで提供しているバッチ実行コマンドを使用します。バッチサーバでは,バッチ実行コマンドによるバッチアプリケーションの実行リクエストを受けて,バッチアプリケーションを開始します。
スケジューリング機能を使用しない場合,バッチサーバの数を超えたバッチアプリケーションの実行リクエストは受け付けられません。この場合,受け付けられないリクエストはエラーとなります。また,バッチ実行コマンドにどのバッチサーバで実行するかを定義する必要があります。
スケジューリング機能を使用する場合,バッチサーバの数を超えたバッチアプリケーションの実行リクエストは,CTMによってスケジュールキューに滞留され,エラーになりません。滞留されたリクエストは,CTMによってバッチサーバに振り分けられます。このため,バッチサーバの数に関係なく,バッチ実行コマンドを実行できます。また,バッチアプリケーションの実行リクエストを実行するバッチサーバは,CTMによって振り分けられるため,バッチ実行コマンドにどのバッチサーバで実行するかを定義する必要がありません。
スケジューリング機能の使用の有無によるバッチアプリケーションの実行の流れを次の図に示します。
この図は,バッチサーバが2台のシステムに対して,JP1/AJSのジョブまたは直接マシンからバッチ実行コマンドを同時に実行する例です。
スケジューリング機能を使用しない場合は,図中の2と3のバッチ実行コマンドを同時に実行できません。スケジューリング機能を使用する場合は,CTMによってバッチアプリケーションの実行リクエストがバッチサーバに振り分けられるため,図中の2と3のバッチ実行コマンドを同時に実行できます。