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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)


3.6.17 Azure SQL Databaseに接続する場合の条件と設定

Azure SQL Databaseに接続する場合の条件と設定について説明します。

〈この項の構成〉

(1) Azure SQL Databaseに接続するための前提条件

Azure SQL Databaseは,データベースエンジンを選択できず,自動で最新のバージョンになります。そのため,データベース互換性レベルを設定した環境をサポートします。なお,J2EEサーバをV9互換モードで使用する場合はサポート対象外です。

Azure SQL Databaseに接続する場合のサポート条件を次の表に示します。

表3‒63 Azure SQL Databaseに接続する場合のサポート条件

項目

サポート条件

接続に使用できるJDBCドライバと接続先のAzure SQL Databaseのデータベース互換性レベル

リリースノートの前提ソフトウェアの項目に記載されているAzure SQL Databaseに接続する場合の条件に従ってください。

接続に使用するDB Connector

DBConnector_SQLServer_CP.rar

注意事項

接続に使用するDB ConnectorであるDBConnector_SQLServer_CP.rarでは,グローバルトランザクションを利用できません。

DB Connectorの設定条件を次の表に示します。なお,設定方法については,「(4)アプリケーションサーバの設定」を参照してください。

表3‒64 DB Connectorの設定の条件

設定項目

設定の条件

コネクションプーリング

有効

障害検知

コネクション取得要求時

(2) Azure SQL Databaseの使用条件

アプリケーションサーバ稼働中のAzure SQL Databaseの操作実行可否を次の表に示します。なお,次の表で「Azure SQL Databaseの操作」列にない操作も,アプリケーションサーバの稼働中は実行できません。

表3‒65 アプリケーションサーバ稼働中のAzure SQL Databaseの操作実行可否

Azure SQL Databaseの操作

使用可否

フェイルオーバー

メンテナンス

×

論理サーバの名前変更

×

DNSエイリアス

読み取り専用レプリカとの接続

データベースのスケールアップおよびスケールダウン

×

データベースリソースのスケールアップおよびスケールダウン

×

データベースのサービスレベルの変更

×

バックアップの作成

(凡例) ○:実行できる ×:実行できない

複数のリージョン間で機能を使用する場合や,複数のリージョン間での使用を前提とする機能については,利用者側で動作に問題がないことを十分確認したあとに利用してください。動作確認で問題があったDB Connectorの機能については,サポート対象外です。また,データベース認証オプションは,SQL認証だけ使用できます。

(3) 使用できるアプリケーションサーバの機能

アプリケーションサーバにはデータベースを前提とする機能があります。Azure SQL Databaseと接続した場合の使用可否を次の表に示します。

表3‒66 データベースを前提とする機能の使用可否

アプリケーションサーバの機能

使用可否

DB Connectorによるデータベース接続

Cosminexus Reliable Messaging

×

Entity Bean

×

アプリケーションサーバのJPAプロバイダ

×

Java Batch機能

×

データベース監査証跡連携機能

×

データベースセッションフェイルオーバ機能

×

(凡例) ○:使用できる ×:使用できない

(4) アプリケーションサーバの設定

Azure SQL Databaseに接続するために必要な,アプリケーションサーバの設定について説明します。

(a) DB Connectorの設定

DB Connectorの設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「4.2 データベースと接続するための設定」を参照してください。ただし,インポートするDB Connectorと,DB Connectorのプロパティ定義は次の説明に従ってください。

インポートするDB Connector

DBConnector_SQLServer_CP.rar

DB Connectorのプロパティ定義

Connector属性ファイルの<hitachi-connector-property>−<resourceadapter>−<outbound-resourceadapter>−<connection-definition>−<connector-runtime>−<property>タグに,DB Connectorの実行時プロパティを設定してください。

設定内容を次の表に示します。

表3‒67 設定が必要なDB Connectorの実行時プロパティ

property-name

property-type

property-value

デフォルト値

MaxPoolSize

int

プール内のコネクションの最大数を指定します。

1〜2147483647の整数値を設定してください。0以下の整数値は設定できません。

10

MinPoolSize

int

プール内のコネクションの最小数を指定します。

1〜2147483647の整数値を設定してください。0以下の整数値は設定できません。

10

ValidationType

int

コネクション障害検知機能の障害検知のタイミングを指定します。

1(コネクション取得要求時にチェック)を設定してください。

1

MaxPoolSizeおよびMinPoolSizeのプロパティを設定すると,コネクションプーリング機能が有効になります。コネクションプーリング機能の詳細は,「3.14.1 コネクションプーリング」を参照してください。また,ValidationTypeのプロパティを設定すると,コネクション障害検知機能が有効になります。コネクション障害検知機能の詳細は,「3.15.1 コネクションの障害検知」を参照してください。

(5) データベースの設定

データベースおよび接続に使用するクライアントのタイムアウトを適切に設定してください。特に,接続に使用するクライアントからの応答がない場合,アプリケーションサーバやDB Connectorが応答を待ち続けるおそれがあるため,注意してください。Azure SQL Databaseに接続する場合は,接続に使用するクライアントのタイムアウトとして,ソケット読み込みタイムアウトを設定してください。

接続に使用するクライアントのタイムアウト値を検討する場合は,アプリケーションサーバが持つ各タイムアウトの区間との内包関係を確認してください。各タイムアウトが適切に動作するよう,タイムアウト値の大小関係に注意してください。タイムアウトを設定する場合の指針については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「8.6 タイムアウトを設定する」を参照してください。また,Azure SQL Databaseに接続する場合に設定できるタイムアウトについては,SQL ServerおよびAzure SQLのドキュメントを参照してください。

(6) Azure SQL Databaseでフェイルオーバーが発生した場合のDB Connectorの動作

Azure SQL Databaseでフェイルオーバーが発生した場合のDB Connectorの動作については,「3.6.18 マネージドデータベースサービスがフェイルオーバーした場合のDB Connectorの動作」を参照してください。

(7) Azure SQL Databaseと接続するときの注意事項

Azure SQL Databaseと接続する場合の注意事項を次に示します。