2.3.2　JNDI名前空間のマッピングとルックアップ

(1)　Enterprise Beanを参照する仕組みと使い方（ejb-ref）

J2EEサーバ内で実行するアプリケーションでは，Enterprise Beanを呼び出すために，Enterprise Bean参照の名前解決が必要です。正確には，Enterprise Beanに対応するEJBホームインタフェース，EJBローカルホームインタフェース，ビジネスインタフェースなどの名前解決をします。

EJBホームインタフェース，またはビジネスインタフェースの名前解決をするためには，次の2種類の作業が必要です。

• 参照側アプリケーションの作成時の作業

  アプリケーションの作成時に参照用の名称を決め，Enterprise Beanやサーブレットなどのプログラム内でのlookupの引数に，その参照用の名称を指定します。また，java:comp/envを使用する場合は，DDの<ejb-ref>に，決めた参照用の名称を記載します。

• 参照側アプリケーションのデプロイ時の作業

  作成したアプリケーションをJ2EEサーバ上にデプロイするときに，Enterprise Beanをカスタマイズして，参照用の名称と実際の名称をlinked-toで結び付けます。

  この操作は，サーバ管理コマンドを使用して実行できます。

マッピングの仕組みは，参照側のアプリケーションと参照先のアプリケーションが同じJ2EEアプリケーションか，別のJ2EEアプリケーションかによって異なります。次に，EJBホームインタフェースの名前解決の例として，別のJ2EEアプリケーションのEnterprise Beanを参照する場合と，同じJ2EEアプリケーション内のEnterprise Beanを参照する場合の例を示します。

ページの先頭へ

(2)　リソースを参照する仕組みと使い方（resource-ref）

J2EEサーバ内で実行するアプリケーションでリソースアダプタを利用する場合，lookupによるリソース参照の名前解決が必要です。正確には，リソースマネジャへのコネクションを作成するファクトリの名前解決をします。

リソースマネジャへのコネクションを作成するファクトリの名前解決をするためには，次の2種類の作業が必要です。

• 参照側アプリケーションの作成時の作業

  アプリケーションの作成時に参照用の名称を決め，Enterprise Beanやサーブレットなどのプログラム内でのlookupの引数に，その参照用の名称を指定します。また，DDの<resource-ref>に，決めた参照用の名称を記載します。

• 参照側アプリケーションのデプロイ時の作業

  作成したアプリケーションをJ2EEサーバ上にデプロイするときに，リソースをカスタマイズして，参照用の名称とJ2EEサーバ上に登録済みのリソースをlinked-toで結び付けます。

  この操作は，サーバ管理コマンドを使用して実行できます。

次にDB Connector経由でデータベースにアクセスする場合の例を示します。

図2‒3　DB Connector経由でデータベースにアクセスする場合の例

この例では，リソースの参照名称とリソースの表示名称を結び付けています。

ページの先頭へ