3.15 アプリケーションサーバのプロセスが使用するTCP/UDPのポート番号
ここでは,アプリケーションサーバのプロセスが使用するTCP/UDPのポート番号について説明します。
デフォルト値が「(浮動)」のポートは,ポート番号を明示的に固定しない場合にアプリケーションサーバによって自動的に番号が付けられるポートです。
アプリケーションサーバが使用するTCP/UDPのポート番号の説明を次の表に示します。なお,ご使用のOSによっては,ネットワーク単位ではなくホスト単位でファイアウォールが設定されているものがあります。これらのファイアウォールでは,localhost(127.0.0.1)以外との通信は,同一ホスト内でもファイアウォールのフィルタリングの対象になる場合があります。この場合は,ホスト内でしか通信しないポートであっても,フィルタで通信を許可する設定にしてください。
アプリケーションサーバのプロセスが使用するTCP/UDPのポート番号について,次の図に示します。(x)は表の項番と対応しています。
これ以外の凡例については,「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。
ポート番号の指定個所を次の表に示します。表の項番は図中の項番と対応しています。
項番 |
定義ファイル |
設定対象 |
パラメタ名※1 |
---|---|---|---|
(1) |
簡易構築定義ファイル |
論理J2EEサーバ(j2ee-server) |
vbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.listener.port |
(2) |
簡易構築定義ファイル |
論理J2EEサーバ(j2ee-server) |
ejbserver.http.port |
(3) |
簡易構築定義ファイル |
論理J2EEサーバ(j2ee-server) |
ejbserver.distributedtx.recovery.port |
(4) |
簡易構築定義ファイル |
論理J2EEサーバ(j2ee-server) |
webserver.connector.nio_http.port |
(5) |
簡易構築定義ファイル |
論理J2EEサーバ(j2ee-server) |
ejbserver.rmi.naming.port |
(6) |
Connector属性ファイル |
Reliable Messaging |
<config-property>タグに指定するRMSHPort※2 |
(7) |
簡易構築定義ファイル |
論理J2EEサーバ(j2ee-server) |
ejbserver.rmi.remote.listener.port |
(8) |
Connector属性ファイル |
TP1インバウンドアダプタ |
<config-property>タグに指定するscd_port※3 |
(9) |
Connector属性ファイル |
TP1インバウンドアダプタ |
<config-property>タグに指定するtrn_port※3 |
(10) |
簡易構築定義ファイル |
論理J2EEサーバ(j2ee-server) |
mngagent.connector.port |
(11) |
簡易構築定義ファイル |
論理スマートエージェント(smart-agent) |
smartagent.port |
(12) |
簡易構築定義ファイル |
論理J2EEサーバ(j2ee-server) |
ejbserver.naming.port |
(13) |
adminagent.properties |
運用管理エージェント |
adminagent.adapter.portキー |
(14) |
sinaviagent.properties※4 |
サーバ通信エージェント |
sinaviagent.portキー |
(15) |
mserver.properties |
Management Server |
webserver.connector.http.portキー |
(16) |
mserver.properties |
Management Server |
webserver.shutdown.portキー |
(17) |
mserver.properties |
Management Server |
webserver.connector.ajp13.portキー |
(18) |
mserver.properties |
Management Server |
com.cosminexus.mngsvr.management.portキー |
(19) |
mserver.properties |
Management Server |
com.cosminexus.mngsvr.management.listen.portキー |
(20) |
簡易構築定義ファイル |
論理Webサーバ (web-server) |
Listen |
(21) |
簡易構築定義ファイル |
論理Webサーバ (web-server) |
Listen |
(22) |
usrconf.properties(サーバ管理コマンド用システムプロパティファイル) |
サーバ管理コマンド |
vbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.listener.portキー |
(23) |
簡易構築定義ファイル |
論理CTM(component-transaction-monitor) |
ctm.RegOption |
(24) |
簡易構築定義ファイル |
論理CTM(component-transaction-monitor) |
ctm.EjbPort |
(25) |
簡易構築定義ファイル |
論理CTM(component-transaction-monitor) |
ctm.port |
(26) |
簡易構築定義ファイル |
論理CTMドメインマネジャ(ctm-domain-manager) |
cdm.port |
(27) |
config.properties |
CJMSPブローカー |
imq.portmapper.portキー |
(28) |
config.properties |
CJMSPブローカー |
imq.jms.tcp.portキー |
(29) |
config.properties |
CJMSPブローカー |
imq.admin.tcp.portキー |
(30) |
mserver.properties |
Management Server |
ejbserver.naming.portキー |
- 参考
-
運用管理ポータルまたはファイル編集によってアプリケーションサーバを構築している場合のTCP/UDPのポートの設定個所を次に示します。
表3‒5 運用管理ポータルまたはファイル編集によってアプリケーションサーバを構築している場合のTCP/UDPのポートの設定個所 項番
運用管理ポータルで構築している場合の設定個所
ファイル編集で構築している場合の設定個所
(1)
-
J2EEサーバの場合
[EJBコンテナの設定]画面の「オプション」の「通信ポート番号」
usrconf.propertiesのvbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.listener.portキー
(2)
[J2EEサーバの基本設定]画面の「コンテナの設定」の「管理用サーバのポート番号」
usrconf.propertiesのejbserver.http.portキー
(3)
[トランザクションの設定]画面の「トランザクションに関する設定」の「JTAリカバリの固定ポート番号」
usrconf.propertiesのejbserver.distributedtx.recovery.portキー
(4)
-
J2EEサーバの場合
[ネーミングの設定]画面の「インプロセス選択時の設定」の「ポート番号」
usrconf.propertiesのejbserver.naming.portキー
(5)
[Webコンテナの設定]画面の「NIO HTTP」の「ポート番号」
usrconf.propertiesのebserver.connector.nio_http.portキー
(6)
-
J2EEサーバの場合
[通信の設定]画面の「RMIレジストリの設定」の「ポート番号」
usrconf.propertiesのejbserver.rmi.naming.portキー
(7)
Connector属性ファイルの<config-property>タグに指定するRMSHPort※1
Connector属性ファイルの<config-property>タグに指定するRMSHPort※1
(8)
-
J2EEサーバの場合
[通信の設定]画面の「RMIレジストリの設定」の「通信ポート番号」
usrconf.propertiesのejbserver.rmi.remote.listener.portキー
(9)
TP1インバウンドアダプタのConnector属性ファイルのリソースアダプタの<config-property>タグに指定するscd_port
TP1インバウンドアダプタのConnector属性ファイルのリソースアダプタの<config-property>タグに指定するscd_port
(10)
TP1インバウンドアダプタのConnector属性ファイルのリソースアダプタの<config-property>タグに指定するtrn_port
TP1インバウンドアダプタのConnector属性ファイルのリソースアダプタの<config-property>タグに指定するtrn_port
(11)
-
J2EEサーバの場合
[J2EEコンテナの設定]画面の「運用監視エージェントの設定」の「ポート番号」
mngagent.<実サーバ名>.propertiesのmngagent.connector.portキー
(12)
[スマートエージェントの設定]画面の「スマートエージェントに関する設定」の「監視ポート番号」
環境変数OSAGENT_PORT
(13)
-
CORBAネーミングサービスをインプロセスで起動する場合
[J2EEサーバの基本設定]画面の「利用するネーミングサービスの設定」の「インプロセス用のポート番号」
-
CORBAネーミングサービスをアウトプロセスで起動する場合
[ホスト内のサーバの設定]画面の「ネーミングサービスの設定」の「ネーミングサービスのポート番号」
-
CORBAネーミングサービスをインプロセスまたはアウトプロセスで自動起動する場合
usrconf.propertiesのejbserver.naming.portキー
-
CORBAネーミングサービスを手動起動する場合
nameservコマンドのコマンド引数に「-Dvbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.listener.port=<ポート番号>」を指定。
(14)
adminagent.propertiesのadminagent.adapter.portキー
adminagent.propertiesのadminagent.adapter.portキー
(15)
sinaviagent.propertiesのsinaviagent.portキー※2
sinaviagent.propertiesのsinaviagent.portキー
(16)
[ネットワークの設定]画面の「Management Server接続HTTPポート番号」
mserver.propertiesのwebserver.connector.http.portキー
(17)
[ネットワークの設定]画面の「Management Server終了要求受信ポート番号」
mserver.propertiesのwebserver.shutdown.portキー
(18)
mserver.propertiesのcom.cosminexus.mngsvr.management.portキー
mserver.propertiesのcom.cosminexus.mngsvr.management.portキー
(19)
mserver.propertiesのcom.cosminexus.mngsvr.management.listen.portキー
mserver.propertiesのcom.cosminexus.mngsvr.management.listen.portキー
(20)
[ホスト内のサーバの設定]画面の「J2EEサーバの設定」の「ポート番号」の「http」
httpsd.confのListenディレクティブまたはPortディレクティブ
(21)
[ホスト内のサーバの設定]画面の「J2EEサーバの設定」の「ポート番号」の「https」
httpsd.confのListenディレクティブまたはPortディレクティブ
(22)
usrconf.properties(サーバ管理コマンド用システムプロパティファイル)のvbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.listener.portキー
usrconf.properties(サーバ管理コマンド用システムプロパティファイル)のvbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.listener.portキー
(23)
[レギュレータの設定]画面の「CTMレギュレータの設定」の「設定ファイル」
ctmregltdコマンドまたはctmstartコマンドの引数-CTMEjbPort
(24)
[スケジューリングの設定]画面の「詳細設定」の「EJBリクエスト受信ポート番号」
ctmstartコマンドの引数-CTMEjbPort
(25)
[CTMの基本設定]画面の「基本設定」の「ポート番号」
ctmstartコマンドの引数-CTMPort
(26)
[CTMドメインマネジャの基本設定]画面の「ポート番号」
ctmdmstartコマンドの引数-CTMPort
(27)
config.propertiesのimq.portmapper.portキー
config.propertiesのimq.portmapper.portキー
(28)
config.propertiesのimq.jms.tcp.portキー
config.propertiesのimq.jms.tcp.portキー
(29)
config.propertiesのimq.admin.tcp.portキー
config.propertiesのimq.admin.tcp.portキー
(30)
vmx.propertiesのvmx.vcenterserver.agent.portキー
vmx.propertiesのvmx.vcenterserver.agent.portキー
(31)
mserver.propertiesのejbserver.naming.portキー
mserver.propertiesのejbserver.naming.portキー
-
- 注意事項
-
サーバの待ち受けポートの注意事項(UNIXの場合)
UNIXの場合,次の条件がすべて重なるときは,待ち受けをしていないTCPポートに対して,接続に成功してしまうことがあります。
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待ち受けをしていないポートに対して接続試行を実行する
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接続対象が自ホストであり,かつ一時ポート番号の範囲(OSが動的に割り当てるポートの範囲)である
この現象が発生した場合,想定したプロセスとの通信ができないで,タイムアウトなどが発生します。この現象を回避するためには,サーバの待ち受けポートに一時ポート番号の範囲以外の値を指定してください。一時ポート番号の範囲は,次のファイルで確認できます。
- AIXの場合
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最小値(32768):no -o tcp_ephemeral_low
最大値(65535):no -o tcp_ephemeral_high
- Linuxの場合
-
/proc/sys/net/ipv4/ip_local_port_range
なお,サーバの待ち受けポートの設定方法は,各OSのマニュアルを参照してください。
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