7.4.4 管理ユニットまたは仮想サーバグループの起動と停止(業務の開始と停止)
管理ユニットまたは仮想サーバグループを起動または停止します。
(1) 管理ユニットまたは仮想サーバグループの起動(業務の開始)
管理ユニットに属する仮想サーバ,または仮想サーバグループ内の仮想サーバを一括で起動する機能です。管理ユニットに属するすべての仮想サーバ,または仮想サーバグループ内の仮想サーバでアプリケーションサーバが利用できるようになり,業務が開始されます。管理ユニットまたは仮想サーバグループに属するすべての仮想サーバを稼働状態にして,業務を開始するときに使用します。
負荷分散機連携機能が有効になっている場合は,「7.4.5(2) 管理ユニットまたは仮想サーバグループの閉塞解除」機能も呼び出されます。複数のティアを管理する管理ユニットの場合,一つ以上のティアで負荷分散機連携機能が有効になっていれば,そのティアに割り当てられている仮想サーバの閉塞は解除されます。
この機能では,仮想サーバ上のアプリケーションサーバを起動するだけで,仮想サーバの電源をONにできません。
業務を開始する前に,あらかじめ次の作業を実行しておいてください。
-
仮想サーバの電源をONにする
-
「7.4.3 管理ユニットに属する仮想サーバへの定義ディレクトリの反映」機能で,定義ディレクトリを仮想サーバに反映する
開始処理では,仮想サーバ上で次のプロセスが起動されます。すべてのプロセスの起動に成功した場合に,業務の開始が成功したと判断されます。
-
Management Server
-
運用管理エージェント
-
論理サーバ
-
アプリケーション(J2EEアプリケーション)
-
リソースアダプタ(DB Connector)
なお,プロセスが起動済みの場合に,起動処理がスキップされたときも成功と見なされます。
-
実行方法
- 実行できるユーザ
-
・仮想サーバマネージャ管理者アカウントを持つユーザ
・システム構築者アカウントを持つユーザ
- 実行するコマンドまたは呼び出し元の機能
-
vmiunitコマンドのサブコマンド「start」を実行します。
-
実行結果
管理ユニットに属するすべての仮想サーバ上のアプリケーションサーバが起動され,業務が開始されます。または,仮想サーバグループ内の仮想サーバ上のアプリケーションサーバが起動され,業務が開始されます。
起動処理は,管理ユニットに属するすべての仮想サーバグループに対して非同期に並行して実行されます。一部の仮想サーバグループで起動処理が失敗しても,ほかの仮想サーバグループでは起動処理が続行されます。複数のティアを管理する管理ユニットの場合,仮想サーバグループ内の仮想サーバに対する起動処理は,ティアごとに設定された起動順序番号に従って,番号の小さい順に実行されます。起動済みの仮想サーバに対する起動処理はスキップされます。仮想サーバの起動処理が途中で失敗すると,それ以降の仮想サーバの起動処理は実行されません。この場合,その仮想サーバグループの起動処理は失敗となります。
すべての仮想サーバで起動処理が完了すると,起動処理が成功した仮想サーバの数と,起動処理に失敗した仮想サーバの数によって,次の実行結果が出力されます。
-
正常終了:起動処理が失敗した仮想サーバの数が0の場合
-
警告終了:起動処理が失敗した仮想サーバの数が1以上で,成功した仮想サーバの数も1以上の場合
-
異常終了:起動処理が成功した仮想サーバの数が0の場合
ただし,起動処理がスキップされた仮想サーバは,起動処理が成功および失敗した数には含まれません。なお,すべての仮想サーバで起動処理がスキップされた場合は,正常終了します。
-
-
注意事項
管理ユニットで管理するすべてのティアで負荷分散機連携機能が有効になっていない場合に,負荷分散機に対して閉塞解除処理を依頼するオプション(-lbオプション)を指定すると,異常終了します。
(2) 管理ユニットまたは仮想サーバグループの停止(業務の停止)
管理ユニットに属する仮想サーバ,または仮想サーバグループ内の仮想サーバを一括で停止する機能です。管理ユニットに属するすべての仮想サーバ,または仮想サーバグループ内の仮想サーバでアプリケーションサーバが利用できなくなり,業務が停止されます。管理ユニットまたは仮想サーバグループに属するすべての仮想サーバを停止状態にして,業務を停止するときに使用します。
負荷分散機連携機能が有効になっている場合は,「7.4.5(1) 管理ユニットまたは仮想サーバグループの閉塞」機能も呼び出されます。複数のティアを管理する管理ユニットの場合,一つ以上のティアで負荷分散機連携機能が有効になっていれば,そのティアに割り当てられている仮想サーバは閉塞されます。
この機能では,仮想サーバ上で稼働中のアプリケーションサーバを停止するだけで,仮想サーバの電源をOFFにできません。
停止処理では,仮想サーバ上で次のプロセスが停止されます。すべてのプロセスの停止に成功した場合に,業務の停止が成功したと判断されます。
-
Management Server
-
運用管理エージェント
-
論理サーバ
-
アプリケーション(J2EEアプリケーション)
-
リソースアダプタ(DB Connector)
なお,プロセスが停止済みの場合に,停止処理がスキップされたときも成功と見なされます。
-
実行方法
- 実行できるユーザ
-
・仮想サーバマネージャ管理者アカウントを持つユーザ
・システム構築者アカウントを持つユーザ
- 実行するコマンドまたは呼び出し元の機能
-
vmiunitコマンドのサブコマンド「stop」を実行します。
-
実行結果
管理ユニットに属するすべての仮想サーバ上のアプリケーションサーバが停止され,業務が停止されます。または,仮想サーバグループ内の仮想サーバ上のアプリケーションサーバが停止され,業務が停止されます。
停止処理は,管理ユニットに属するすべての仮想サーバグループに対して非同期に並行して実行されます。一部の仮想サーバグループで停止処理が失敗しても,ほかの仮想サーバグループでは停止処理が続行されます。複数のティアを管理する管理ユニットの場合,仮想サーバグループ内の仮想サーバに対する停止処理は,ティアごとに設定された起動順序番号に従って,番号の大きい順に実行されます。停止済みの仮想サーバに対する停止処理はスキップされます。仮想サーバの停止処理が途中で失敗すると,それ以降の仮想サーバの停止処理は実行されません。この場合,その仮想サーバグループの停止処理は失敗となります。
すべての仮想サーバで停止処理が完了すると,停止処理が成功した仮想サーバの数と,停止処理が失敗した仮想サーバの数によって,次の実行結果が出力されます。
-
正常終了:停止処理が失敗した仮想サーバの数が0の場合
-
警告終了:停止処理が失敗した仮想サーバの数が1以上で,成功した仮想サーバの数も1以上の場合
-
異常終了:停止処理が成功した仮想サーバの数が0の場合
ただし,停止処理がスキップされた仮想サーバは,停止処理が成功および失敗した数には含まれません。なお,すべての仮想サーバで停止処理がスキップされた場合は,正常終了します。
-
-
注意事項
管理ユニットで管理するすべてのティアで負荷分散機連携機能が有効になっていない場合に,負荷分散機に対して閉塞処理を依頼するオプション(-lbオプション)を指定すると,異常終了します。また,閉塞処理に失敗した仮想サーバグループでは,仮想サーバグループ内のすべての仮想サーバで停止処理は実行されません。