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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ & BPM/ESB基盤 概説


4.6.1 アプリケーションサーバの機能の一覧

アプリケーションサーバの機能は,J2EEアプリケーションを実行するシステムとバッチアプリケーションを実行するシステムとで使用できる機能が異なります。

〈この項の構成〉

(1) J2EEアプリケーションを実行するシステムで使用できる機能

J2EEアプリケーションを実行するシステムの場合に使用できる主な機能について次の表に示します。

表4‒2 アプリケーションサーバの主な機能(J2EEアプリケーションを実行するシステムの場合)

機能分類

概要

Java言語

Java SE 11およびJava SE 17に対応しています。

Webサーバ

Apache HTTP ServerをベースにSecure Sockets Layer(SSL)をサポートしたミッションクリティカル分野向けのWebサーバ(HTTP Server)を提供しています。

Webコンテナ

ServletおよびJSPに対応したWebコンテナを使用できます。WebSocketやJSFを利用したWebアプリケーションも開発・実行できます。

EJBコンテナ

次のEnterprise Beanを実行できるEJBコンテナを提供しています。

  • Session Bean

  • Entity Bean

  • Message-driven Bean

また,Timer Serviceの機能も使用できます。

リソース接続とトランザクション管理

次の機能に対応したリソース接続とトランザクション管理ができます。

  • コネクションプーリング

  • コネクションシェアリング

  • JNDIによるルックアップ

  • ローカルトランザクション

  • 2フェーズコミットメント

  • 分散トランザクションの実現

また,OpenTP1との接続やJMS仕様に準拠した送信先(キューまたはトピック)との接続も実現できます。

スレッドの非同期並行処理

次の機能を使用できます。

  • TimerManagerを使用した非同期タイマ処理

  • WorkManagerを使用した非同期スレッド処理

XMLプロセッサ

JAXP仕様(DOM/SAX/XSLT/XPath/XMLSchemaの各仕様を含む),StAX仕様,JAXB仕様に対応しています。

Webサービス

次のWebサービスの実行および開発ができます。

  • JAX-WS仕様に対応したSOAP Webサービス

  • JAX-RS仕様に対応したRESTful Webサービス

また,既存機能であるSOAP通信基盤およびSOAPアプリケーション開発支援機能も使用できます。

OLTP技術の適用

次の機能を使用できます。

  • WebアプリケーションおよびURLグループ(業務ロジック)単位の同時実行スレッド数制御

  • Enterprise Beanの同時実行スレッド数制御(CTMの利用)

可用性向上

次の機能を使用できます。

  • J2EEサーバ間のセッション情報の引き継ぎ

  • リソース枯渇監視

  • 稼働情報監視

  • 性能解析トレース/障害解析トレースの出力

セキュリティ管理

次の機能を使用できます。

  • 統合ユーザ管理

  • 監査ログ出力

  • データベース監査証跡連携

セキュリティ管理(SOAP Webサービス)

次の機能を使用できます。

  • SOAPメッセージの完全性および秘匿性の保証

  • SOAPメッセージの認証

  • XML署名データの生成および検証

  • XML署名データの暗号化および復号化

フレームワーク・ライブラリ・DI仕様への対応

次の機能を使用できます。

  • JSFおよびJSTL

  • CDI

  • アプリケーションサーバ提供の汎用部品

アプリケーション開発

次の機能を使用できます。

  • WTPを使用したアプリケーションの開発

  • ローカルマシンでのデバッグおよびリモートマシンでのデバッグ

システム構築

次の機能を使用できます。

  • システム構成の一括定義と簡易構築(Smart Composer機能またはセットアップウィザード)

  • GUI画面を使用したシステム構築(運用管理ポータル)

  • リモート環境からの各種サーバの設定

  • アーカイブ形式または展開ディレクトリ形式でのアプリケーションのデプロイ

  • リソースアダプタのデプロイ

  • アプリケーションの設定

  • リソースの設定

システム運用

次の機能を使用できます。

  • サーバプロセスの一括起動,個別起動,自動起動,監視,再起動

  • JSP事前コンパイル

  • J2EEアプリケーションのリロード

  • 稼働情報監視によるイベント発行と自動アクション制御

  • ログ/トレース収集

  • ドメイン一括管理

クラスタソフトウェアとの連携

次のクラスタシステムを運用できます。

  • アプリケーションサーバまたは運用管理サーバを対象にした,コールドスタンバイでの1:1の系切り替え

  • 相互スタンバイ構成

  • 1台のリカバリ専用サーバを用意したN:1リカバリシステム構成

  • ホスト単位管理モデルを対象にしたコールドスタンバイでの系切り替え

JP1との連携

JP1の各製品と連携して次の機能を使用できます。

  • 障害の集中監視

  • 稼働性能の監視

  • ジョブによる運用の自動化

  • SNMPでの稼働情報の取得

  • 監査ログの収集と一元管理

注※ 対応するOracle社のJDKバージョンはJDK 11またはJDK 17です。使用できるコマンドやAPIの使用方法については,該当ページ(https://docs.oracle.com/javase/11/またはhttps://docs.oracle.com/javase/17/)を参照してください。

(2) バッチアプリケーションを実行するシステムで使用できる機能

バッチアプリケーションを実行するシステムの場合に使用できる主な機能について次の表に示します。

表4‒3 アプリケーションサーバの主な機能(バッチアプリケーションを実行するシステムの場合)

機能分類

概要

Java言語

Java SE 11およびJava SE 17に対応しています。

バッチサーバ

次の機能を実現できるバッチサーバを提供しています。

  • バッチ処理を実装したJavaアプリケーションの実行

  • FullGC実行制御

リソース接続とトランザクション管理

次の機能に対応したリソース接続とトランザクション管理ができます。

  • コネクションプーリング

  • コネクションシェアリング

  • JNDIによるルックアップ

  • ローカルトランザクション

XMLプロセッサ

JAXP仕様(DOM/SAX/XSLT/XPath/XMLSchemaの各仕様を含む),StAX仕様,JAXB仕様に対応しています。

可用性向上

次の機能を使用できます。

  • リソース枯渇監視

  • 稼働情報監視

  • 性能解析トレース/障害解析トレースの出力

セキュリティ管理

次の機能を使用できます。

  • 監査ログ出力

  • データベース監査証跡連携

アプリケーション開発

次の機能を使用できます。

  • WTPを使用したアプリケーションの開発

  • ローカルマシンでのデバッグおよびリモートマシンでのデバッグ

システム構築

次の機能を使用できます。

  • システム構成の一括定義と簡易構築(Smart Composer機能)

  • リモート環境からの各種サーバの設定

  • リソースアダプタのデプロイ

  • リソースの設定

システム運用

次の機能を使用できます。

  • サーバプロセスの一括起動,個別起動,自動起動,監視,再起動

  • 稼働情報監視によるイベント発行と自動アクション制御

  • ログ/トレース収集

  • ドメイン一括管理

クラスタソフトウェアとの連携

次のクラスタシステムを運用できます。

  • アプリケーションサーバを対象にした,コールドスタンバイでの1:1の系切り替え

  • 相互スタンバイ構成

  • ホスト単位管理モデルを対象にしたコールドスタンバイでの系切り替え

JP1との連携

JP1の各製品と連携して次の機能を使用できます。

  • 障害の集中監視

  • 稼働性能の監視

  • ジョブによる運用の自動化

  • SNMPでの稼働情報の取得

  • 監査ログの収集と一元管理

注※ 対応するOracle社のJDKバージョンはJDK 11またはJDK 17です。使用できるコマンドやAPIの使用方法については,該当ページ(https://docs.oracle.com/javase/11/またはhttps://docs.oracle.com/javase/17/)を参照してください。