Hitachi

Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド


付録I.1 ファイルディスクリプタ数の見積もり

〈この項の構成〉

(1) ファイルディスクリプタ数の計算式

HCSCサーバを利用したシステムで使用するファイルディスクリプタ数は,次に示す計算式で最大値を見積もります。

ファイルディスクリプタ数の最大値= (A+A'+B+C)×1.25

計算式の各項目の説明を次に示します。

A:HCSCサーバ(J2EEサーバ)が使用するファイルディスクリプタ数
Aは次の式で算出します。

J2EEサーバのファイルディスクリプタ数+39

注※

J2EEサーバが使用するファイルディスクリプタ数は,マニュアル「アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「5.2.1 J2EEサーバが使用するリソースの見積もり」に記載されているファイルディスクリプタ数の計算式(以降,「J2EEサーバの計算式」と記載)を参照して見積もってください。なお,計算式に必要な情報は,「(2) ファイルディスクリプタ数の計算式に使用する値」の表の列「計算式(項目A)でJ2EEサーバの計算式に使用する値」の値を参照してください。

A':Σ(HCSCサーバ(J2EEサーバ)の設定内容に依存して増加するファイルディスクリプタ数)
A'は次の式で算出します。

a+b+c

a〜cの詳細を次に示します。

a:HCSCサーバで出力するログの種類(電文トレース,リクエストトレース,アクティビティトレース)×2

b:カスタムファンクションを使う場合,使用するjarファイル数

c:値置換えファンクションを使う場合,使用するcsvファイル数

B:Σ(HCSCコンポーネントが起動だけに使用するファイルディスクリプタ数)

Bには「(2) ファイルディスクリプタ数の計算式に使用する値」を参照して,使用するHCSCコンポーネントの列「計算式(項目B)」の値を割り当ててください。

Bの値は,J2EEサーバの計算式のIとLを含める値を合わせたものに相当します。J2EEサーバまたはHCSCサーバのファイルディスクリプタ数を見積もる際に使用してください。

C:Σ(HCSCコンポーネントがリクエストで使用するファイルディスクリプタ数)

Cには「(2) ファイルディスクリプタ数の計算式に使用する値」を参照して,使用するHCSCコンポーネントの列「計算式(項目C)」の値を割り当ててください。

(2) ファイルディスクリプタ数の計算式に使用する値

(1)の計算式の各項目に適用する値は,HCSCコンポーネントの種類によって異なります。計算式の各項目で使用する値を次の表に示します。

表I‒1 各HCSCコンポーネントが使用するファイルディスクリプタ数

HCSCコンポーネントの種類

計算式(項目A)でJ2EEサーバの計算式に使用する値

計算式(項目B)

計算式(項目C)

ビジネスプロセス

4+(3×ビジネスプロセス数)

サービスエミュレーション機能を使用しない場合:

0

サービスエミュレーション機能を使用する場合:

エミュレーション対象のサービスアダプタの最大同時実行数の合計×3

標準受付

SOAP

J2EEサーバの計算式C:

HCSCサーバランタイム定義ファイルの次に示すプロパティの指定値を合計して割り当ててください。

  • request-soap.instance.maximumプロパティ

  • request-soap1_2.instance.maximumプロパティ

3

0

EJB

J2EEサーバの計算式B:

HCSCサーバランタイム定義ファイルのrequest-ejb.instance.maximumプロパティの指定値を割り当ててください。

1

0

ユーザ定義受付

SOAP受付

J2EEサーバの計算式C:

ユーザ定義受付ランタイム定義ファイルのuser-defined-reception-soap.threads.maximumプロパティの指定値を割り当ててください。

1×受付数

全受付の次の算出結果の合計値。

添付ファイル数×最大同時実行数

最大同時実行数:

ユーザ定義受付ランタイム定義ファイルのuser-defined-reception-soap.threads.maximumプロパティの指定値

TP1/RPC受付

J2EEサーバの計算式H:

式の「各MDB(サービス)のMessage-driven Bean属性ファイルの<pooled-instance><maximum>に指定した値」には,TP1/RPC受付定義ファイルのurecp-tp1rpc.pooled-instance.maximumプロパティの合計値を割り当ててください。

6×受付数

0

FTP受付

3×受付数

全受付の,FTP受付定義ファイルのurecp-ftp.pooled-instance.maximumプロパティの指定値の合計値。

HTTP受付

J2EEサーバの計算式C:

HTTP受付定義ファイルのurecp-http.pooled-instance.maximumプロパティの指定値を割り当ててください。

  • HTTP受付のエラー応答カスタマイズ機能を使用しない場合

    4×受付数

  • HTTP受付のエラー応答カスタマイズ機能を使用する場合

    5×受付数

全受付の以下算出結果の合計値。

(受信ファイル数+送信ファイル数)×インスタンス最大数×n

インスタンス最大数:

HTTP受付定義ファイルのurecp-http.pooled-instance.maximumプロパティの指定値

n:

HTTP受付のエラー応答カスタマイズ機能で,レスポンスヘッダとレスポンスボディの両方を返却させる場合は,nに「2」を割り当てる

どちらか一方を返却させる場合はnに「1」を割り当てる

Message Queue受付

4×受付数

0

MQリソースアダプタのファイルディスクリプタ数計算で,各サービスのプールインスタンス数が必要な場合は,Message Queue受付定義ファイルのpooled-instance.maximumプロパティの指定値を割り当ててください。

ファイルイベント受付

8×受付数

全受付の以下算出結果の合計値。

  • 更新完了通知ファイルを監視する場合

    2(更新完了通知ファイル+排他管理)×最大スレッド数

  • 取得対象ファイルを監視する場合

    2(取得対象ファイル+排他管理)×最大スレッド数

最大スレッド数:

ファイルイベント受付定義ファイルのurecp-fileevent.thread-pool.maximumプロパティの指定値

Kafka受付

2×受付数

0

カスタム受付

(ユーザ定義部分は含まない)

2×受付数

0

サービスアダプタ

SOAPアダプタ

3×アダプタ数

全アダプタの以下算出結果の合計値。

(添付ファイル数+1)×各アダプタの最大インスタンス数

SessionBeanアダプタ

4×アダプタ数

各アダプタの最大インスタンス数の合計値。

DBアダプタ

6×アダプタ数

0

TP1アダプタ

  • TP1アダプタ実行環境プロパティファイルをHCSCサーバごとに設定しない場合

    10×アダプタ数+TP1アダプタ通信構成定義ファイルの<con_pool_num>の指定値×2

  • TP1アダプタ実行環境プロパティファイルをHCSCサーバごとに設定する場合

    11×アダプタ数+TP1アダプタ通信構成定義ファイルの<con_pool_num>の指定値×2

全アダプタの最大インスタンス数の合計値。

ファイルアダプタ

6×アダプタ数

全アダプタの最大インスタンス数の合計値。

Message Queueアダプタ

10×アダプタ数

次のプロパティの指定値の中で最も小さい値。

  • 全アダプタの最大インスタンス数の合計

  • MQリソースアダプタのアプリケーション統合属性ファイルの//hitachi-connector-property/resourceadapter/property[./property-name=' MaxTPoolSize'] ../property-value

  • MQリソースアダプタのアプリケーション統合属性ファイルの//hitachi-connector-property/resourceadapter/config-property[./config-property-name='maxConnections'] ../config-property-value

FTPアダプタ

(13+n)×アダプタ数

nには,HCSCサーバごとにFTPアダプタ実行環境プロパティファイルとFTPアダプタ実行環境共通プロパティファイルの両方を設定する場合,2を割り当てる。

どちらか一方を設定する場合,1を割り当てる。

3×全アダプタの最大インスタンス数の合計値。

ファイル操作アダプタ

8×アダプタ数

2×全アダプタの最大インスタンス数の合計値。

メールアダプタ

  • メールアダプタ実行環境プロパティファイルをHCSCサーバごとに設定しない場合

    10×アダプタ数

  • メールアダプタ実行環境プロパティファイルをHCSCサーバごとに設定する場合

    11×アダプタ数

  • 添付ファイルおよび本文に挿入するテキストファイルを使用する場合

    (添付ファイル数+本文ファイル数)×全アダプタの最大インスタンス数の合計値。

  • 上記以外の場合

    0

HTTPアダプタ

(9+1※1+1※2+n※3)×アダプタ数

注※1:

OAuth 2.0を使う場合

注※2:

ベーシック認証をする場合

注※3:

HCSCサーバごとに,HTTPアダプタ実行環境プロパティファイルまたはHTTPアダプタ実行環境共通プロパティファイルのどちらかを設定する場合:1

HCSCサーバごとに,HTTPアダプタ実行環境プロパティファイルとHTTPアダプタ実行環境共通プロパティファイルの両方を設定する場合:2

全アダプタの以下算出結果の合計値。

(送信添付ファイル数+受信添付ファイル数+1)×各アダプタの最大インスタンス数

OAuth 2.0を使う場合は,この合計値に秘密鍵ファイル数を加算する。

コマンドアダプタ

(ユーザ定義部分は含まない)

(13+n)×アダプタ数

nには,HCSCサーバごとにコマンドアダプタ実行環境プロパティファイルとコマンドアダプタ実行環境共通プロパティファイルの両方を設定する場合,2を割り当てる。

どちらか一方を設定する場合,1を割り当てる。

0

SFTPアダプタ

(11+n+m)×アダプタ数

n:

パスワード認証と公開鍵認証のどちらかを設定する場合は1,パスワード認証と公開鍵認証の両方を設定する場合は2を割り当てる

m:

HCSCサーバごとに,SFTPアダプタ実行環境プロパティファイルまたはSFTPアダプタ実行環境共通プロパティファイルのどちらかを設定する場合:1

HCSCサーバごとに,SFTPアダプタ実行環境プロパティファイルとSFTPアダプタ実行環境共通プロパティファイルの両方を設定する場合:2

  • ホスト認証を実施する場合

    3×全アダプタの最大インスタンス数の合計

  • 公開鍵認証を実施する場合

    2×全アダプタの最大インスタンス数の合計+秘密鍵ファイル数

Kafkaアダプタ

(11+n+m)×アダプタ数

n:

クライアント認証とサーバ認証のどちらかを使用する場合は1,クライアント認証とサーバ認証の両方を使用する場合は2を割り当てる

m:

HCSCサーバごとに,Kafkaアダプタ実行環境プロパティファイルまたはKafkaアダプタ実行環境共通プロパティファイルのどちらかを設定する場合:1

HCSCサーバごとに,Kafkaアダプタ実行環境プロパティファイルとKafkaアダプタ実行環境共通プロパティファイルの両方を設定する場合:2

0

汎用カスタムアダプタ

(ユーザ定義部分は含まない)

2×アダプタ数

0

リソースアダプタ

FTPインバウンドアダプタ

26

2×最大同時接続数

最大同時接続数:

FTPインバウンドアダプタの属性ファイルのserver_maxLoginsの指定値

TP1インバウンドアダプタ

J2EEサーバの計算式Hで見積もってください。

Kafkaインバウンドアダプタ

5

0

(凡例)

−:該当なし