Hitachi

Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド


7.6.1 コマンド操作や運用環境の画面操作での障害調査

障害が発生した場合,コンソールまたは運用環境の画面に表示されるメッセージを確認して障害を調査します。運用環境の画面が操作できなくなった場合は,画面が正常な状態になるよう対処します。

〈この項の構成〉

(1) ログの見方および障害の切り分け方法

コマンド操作や運用環境の画面操作時に障害が発生した場合の,障害の調査手順について次の図に示します。

図7‒42 障害の調査手順(コマンド操作や運用環境の画面操作での障害調査)

[図データ]

この図が示す調査の流れを次に説明します。

  1. コマンド操作や運用環境の画面操作でエラーが発生した場合,コマンドの応答でコンソールに出力されるメッセージを最初に確認します。

    また,メッセージの中に詳細情報として別のメッセージが出力されているか確認します。出力例を次に示します。

    [図データ]

    • KDECで始まるメッセージやKEOSで始まるメッセージ(HCSC-Managerに関するメッセージ)の詳細情報として,KDECで始まるメッセージが含まれている場合

      マニュアル「サービスプラットフォーム メッセージ」を確認して,対処します。

    • KEOSで始まるメッセージ(HCSC-Managerに関するメッセージ)の詳細情報として,KDEC以外で始まるメッセージが含まれている場合

      各メッセージに対応したマニュアルを参照して対処します(例えば,KDJEメッセージが含まれている場合は,マニュアル「アプリケーションサーバ メッセージ(監査者用)」を参照します)。

  2. 要因が特定できない場合は,取得しているメッセージログを参照します。セットアップまたはアンセットアップ実行時に参照する障害情報は,次のメッセージログです。詳細については,「7.4.1 メッセージログ」を参照してください。

    • HCSC-Managerのログ

    • 統合メッセージログ

    • J2EEサーバの稼働ログ

    障害が発生した原因は,コマンド実行以前の環境設定や,システムの状態に起因することもあるため,コマンド応答のメッセージを出力している個所の前後を確認し,ほかにエラーメッセージが出ていないか確認して対策します。

なお,メッセージログの内容を確認するとき,コンソールに出力されたメッセージが重複して出力されていることもありますので,適宜実行時間を確認してください。

(2) 代表的な障害とその対処方法

コマンド操作での代表的な障害と,その対処方法について次の表に示します。

表7‒74 代表的な障害とその対処方法(コマンド操作や運用環境の画面操作での障害調査)

操作

代表的な障害

考えられる要因

対策

参照先マニュアル

Type4ドライバ利用時のcsmコマンド実行

HCSCサーバが未起動状態でcsmコマンドを実行すると次のエラーが発生する

KDEC10410-E(KDEC10044-E)

KDEC10044-Eの詳細で,(error code = KDEC05012-E, error message = Database access initialization, before HCSC server startup, failed because loading of the JDBC driver failed. (JDBC name = JP.co.Hitachi.soft.HiRDB.JDBC.HiRDBDriver))を出力

次のどれかのディレクトリの設定漏れです。

  • Windowsの場合

    <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\config\msg\cmdconf.bat

  • UNIX/Linuxの場合

    <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>/CSC/config/msg/cmdconf

    または

    CSC/config/msg/cmdconf

cmdconf(cmdconf.bat)のHCSC_ADDCLASSPATHにHiRDB Type4 JDBC Driverのjarファイル(pdjdbc2.jar)のパスを指定します。

マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.5.4 HCSC-Messagingコマンド共通定義ファイル

Oracle利用時のcsmコマンド実行

HCSCサーバが未起動状態でcsmコマンドを実行すると次のエラーが発生する

KDEC10410-E(KDEC10044-E)

KDEC10044-Eの詳細で,(error code = KDEC05012-E, error message = Database access initialization, before HCSC server startup, failed because loading of the JDBC driver failed. (JDBC name = oracle.jdbc.OracleDriver))を出力

cmdconf(cmdconf.bat)のHCSC_ADDCLASSPATHにOracle JDBC Thin Driverのjarファイルの絶対パスを指定します。

HCSCサーバが未起動の状態でcsmコマンド実行

HCSCサーバが未起動状態でcsmコマンドを実行すると次のエラーが発生する

KDEC10410-E(KDEC10044-E)

KDEC10044-Eの詳細で,(error code = KDEC05001-E, error message = An attempt to open a connection to the database has failed. (reason = KFPA11724-E Environment definition error, variable=PDUSER, reason=NO VALUE[PrdbConnection.PrdbConnection], SQL state = R0000, error code = -724))を出力

csmコマンドのオプションでデータベースのユーザ名とパスワードを指定していません。

csmコマンドのオプションでデータベースのユーザ名とパスワードを指定します。

HCSCサーバオフライン時は,データベースのユーザ名とパスワードを必ず指定します。

マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「5. コマンド(運用環境・実行環境)

csmコマンド実行

csmコマンドが失敗し,データベース(HiRDB)のログおよびトレースでKFPA11912-Eメッセージ(排他制御のための作業領域が不足)が発生している

排他制御のための作業領域が不足しています。

HiRDBのシステム定義の次のオペランドの指定値を増やして,HiRDBを再起動します。

  • pd_max_access_tables

  • pd_lck_pool_size

  • pd_fes_lck_pool_size

マニュアル「HiRDB システム定義」

(3) 運用環境の画面が操作できなくなった場合の対処方法

運用環境の画面が操作できなくなった場合の対処方法について次に示します。

(a) 画面からの操作を失敗してボタンをクリックできなくなった場合

次の手順で対処します。

  1. ダイアログまたは画面コンソールに出力されたエラーの原因を調査して対処します。

  2. 次のどちらかの操作をします。

    • [HCSC-Manager]メニューから[最新の情報に更新]を実行

    • エディタを閉じて再度表示

  3. 手順1.,2.の操作で復旧しない場合は,次のどちらかの操作をします。

    • エラーとなった操作をコマンドで実行

    • 失敗した操作と対となる操作(開始で失敗した場合は停止)をコマンドで実行

(b) Eclipse画面が「応答なし」になった場合

次の手順で対処します。

  1. Eclipse画面の[閉じる]ボタンをクリックして,強制的に画面を閉じます。

    ボタンで閉じられない場合は,[タスクマネージャ]の[アプリケーション]タグからEclipseのタスクを終了します。

  2. エラーの原因を調査して対処します。

  3. Eclipse画面を起動し,HCSC-Managerにログイン後,エラーとなった操作を再実行します。

注意事項

上記に示す対処をした場合,運用環境と同一のEclipseで編集中の内容も失われます。運用環境の画面を操作する場合は,Eclipseで編集中の内容を,あらかじめ保存または終了してください。