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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド


4.6.1 コンポーネント単位のリポジトリの追加・更新

コンポーネント単位でリポジトリを追加(インポート)または更新するには,cscrepctlコマンドに-importオプションを指定して実行します。インポートの前にcscrepcheckコマンドを実行すると,指定したリポジトリZIPファイル内のHCSCコンポーネントを運用環境のリポジトリにインポートできるか検証できます。

〈この項の構成〉

(1) インポート前のインポート可否の検証(cscrepcheckコマンド)

cscrepcheckコマンドは,運用環境のリポジトリのHCSCコンポーネントの情報と状態を確認し,次の内容を検証して検証結果を表示します。cscrepcheckコマンドについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscrepcheck(インポート可否の検証)」を参照してください。

cscrepcheckコマンドではリポジトリのインポートは実行されません。リポジトリをインポートするにはcscrepctlコマンドを実行してください。

(a) インポート可否を検証できないケース

次の場合は,リポジトリ情報のインポート可否は検証できません。

  • 現在の運用環境のリポジトリ情報と,検証対象となるリポジトリ情報が,単一のクラスタ構成になっていない場合

  • 現在の運用環境のリポジトリ情報と,検証対象となるリポジトリ情報で,SOAPモードが異なる場合

  • データベースおよびReliable Messagingを使用するかどうかの設定が異なる場合

    設定が異なる場合のインポートの検証可否を次の表に示します。

    表4‒6 インポート可否の検証ができる場合とできない場合の設定

    現在の運用環境のリポジトリ情報での設定

    検証の対象となるリポジトリ情報での設定

    データベースとReliable Messagingの両方を使用する

    データベースを使用してReliable Messagingを使用しない

    データベースとReliable Messagingの両方を使用しない

    データベースとReliable Messagingの両方を使用する

    データベースを使用してReliable Messagingを使用しない

    ×

    データベースとReliable Messagingの両方を使用しない

    ×

    ×

    (凡例)

    ○:インポート可否を検証できます。

    ×:インポート可否を検証できません。

(b) インポート可否の検証の実行

cscrepcheckコマンドを実行して,指定したリポジトリのインポート可否を検証する例を次に示します。この例では,HCSC-ManagerのユーザIDとパスワードはHCSC-Managerコマンド共通定義ファイルに定義していることを前提としています。

  • コマンド実行例1

    repository.zip全体のインポート可否を検証します。

    cscrepcheck -repfile D:\tmp\repository.zip
  • コマンド実行例2

    repository.zipのコンポーネント単位でのインポート可否を検証します。

    cscrepcheck -repfile D:\tmp\repository.zip -compo
  • コマンド実行例3

    repository.zip内のサービスID「1」のインポート可否を検証します。

    cscrepcheck -repfile D:\tmp\repository.zip -compo -name 1

(c) インポート可否の検証結果

cscrepcheckコマンドの実行によって表示される検証結果の例を次に示します。

  • インポートできる場合

    検証開始・検証終了メッセージを表示して,コマンドが正常終了します。

    KEOS52322-I cscrepcheck will now start.
    Command Edit Time: YYYY/MM/DD hh:mm:ss.SSS
    KEOS50237-I Verification of the repository to be imported will now be started.
    KEOS50238-I Verification of the repository to be imported has ended successfully.
    KEOS52323-I cscrepcheck ended normally.
  • インポートできない場合

    検証開始メッセージを表示したあと,インポートできないすべてのHCSCコンポーネントとその理由を表示して,検証がエラーであることを示すメッセージKEOS50239-Eを出力します。その後,コマンドが正常終了します。

    KEOS52322-I cscrepcheck will now start.
    Command Edit Time: YYYY/MM/DD hh:mm:ss.SSS
    KEOS50237-I Verification of the repository to be imported will now be started.
    …
    <HCSCコンポーネントごとのエラーメッセージを表示>
    …
    KEOS50239-E Verification of the repository to be imported has ended with errors.
    KEOS52323-I cscrepcheck ended normally.

    このほかのエラーが発生した場合は,エラーメッセージKEOS50239-Eを出力しないでコマンドが異常終了します。

(2) コンポーネント単位でのリポジトリのインポート(cscrepctlコマンド)

cscrepctlコマンドで,リポジトリをコンポーネント単位でインポートする例を次に示します。この例では,HCSC-ManagerのユーザIDとパスワードはHCSC-Managerコマンド共通定義ファイルに定義していることを前提としています。

注※

HCSCコンポーネント指定ファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.5.5 HCSCコンポーネント指定ファイル」を参照してください。

cscrepctlコマンドについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscrepctl(インポート/エクスポート)」を参照してください。