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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編


6.5.6 注意事項(サービス定義のエクスポート)

サービス定義のエクスポートの注意事項を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) エクスポート時の同名ファイルの定義と検証

サービス定義XMLをエクスポートする際は,サービス名やアクティビティ名などを利用して,エクスポート先のディレクトリやファイル名を作成します。

各サービスの編集エディタやサービス定義XML上では,アルファベットの大文字と小文字を区別しますが,Windowsのファイルシステムでは,大文字と小文字を区別しません。

例えば,各サービスの編集エディタやサービス定義XML上では「ProcessA」と「processa」という2つのビジネスプロセスを作成できますが,Windowsのファイルシステムでは「ProcessA」と「processa」を同一階層に作成できません。

このため,サービス定義のエクスポートでは大文字と小文字を区別しないで,「ProcessA」と「processa」を同名として扱います。エクスポート時に,ディレクトリ名およびファイル名として利用する文字列に対して同名が存在しないかどうかを検証し,同名が存在する場合は検証でエラーとします。

検証範囲,および範囲内で検証する項目を次に示します。

表6‒18 同名の検証範囲および範囲内で検証する項目

検証範囲

検証項目

全ビジネスプロセス

ビジネスプロセス名

各ビジネスプロセス

ユーザ定義受付(呼出先固定)名

データ変換アクティビティ名※1

スコープアクティビティ名

代入アクティビティ名

各スコープ

変数名※2

各代入アクティビティ

コピー元が固定値(非テキスト)の場合,次の項目を検証します。

  • コピー先変数名

  • コピー先変数名と部分名の組

各ユーザ定義受付(呼出先固定)

オペレーション名

全サービスアダプタ

サービスアダプタ名

各サービスアダプタ

オペレーション名

各オペレーション

フォルト名

全ユーザ定義受付(呼出先選択)

ユーザ定義受付(呼出先選択)名

各ユーザ定義受付(呼出先選択)

オペレーション名

各変数/要求電文/応答電文/フォルト電文

電文フォーマットファイルのファイル名※3

注※1

マッピング定義が存在するデータ変換アクティビティが対象です。

注※2

XML型変数およびnon-XML型変数が対象です。

注※3

電文フォーマットファイル内で外部ファイルを参照している場合,参照ファイルの名前は電文フォーマットファイル名として扱います。また,各ファイルのファイルパスは考慮しないで,ファイル名だけを検証の対象とします。例えば,電文フォーマットファイルとして「\C\\Sample1\FormatA.xsd」を指定し,そのファイル内で「\E\Sample2\formata.xsd」を参照している場合,電文フォーマットファイル名は「FormatA」と「formata」となるため,2つのファイルは同名としてエクスポート時に検証エラーとなります。

(2) SOAP受付またはSOAPアダプタのWSDLファイル,およびSessionBeanアダプタのEARファイルのエクスポートについて

SOAP受付を含むビジネスプロセス,またはSOAPアダプタをエクスポートする場合,WSDLファイルは出力されません。同様に,SessionBeanアダプタをエクスポートする場合,EARファイルは出力されません。そのため,エクスポートで取得したサービス定義XMLファイルを使用して再度インポートする場合は,前回インポート時に指定したWSDLファイルのパスをwsdl-file-path要素に,earファイルのパスをear-file-path要素に指定してください。

(3) ディレクトリ/ファイルのパスの長さに関する制限について

Windowsでは,パスが長いディレクトリやファイルを扱えないアプリケーションが存在します。そのため,エクスポート先ディレクトリとして指定するディレクトリのパスが長い場合,サービス定義のエクスポートで作成したディレクトリやファイルを開けないおそれがあります。

(4) サービス定義XMLファイルで指定できる値の範囲かどうかの検証

HCSCコンポーネントの設定値が,サービス定義XMLファイルで指定できる値の範囲かどうかをエクスポート実行時に検証します。検証する項目および検証エラーとなる設定値を次に示します。

表6‒19 エクスポート時に検証エラーとなる設定値(ビジネスプロセス)

アクティビティ種別

項目

検証エラーとなる値

繰り返しアクティビティ

最大繰り返し回数

1から2,147,483,647までの整数以外の値

表6‒20 エクスポート時に検証エラーとなる設定値(サービスアダプタ)

アダプタ種別

項目

検証エラーとなる値

すべての種別

最大インスタンス数

0から65,535までの整数以外の値

MDB(WS-R)アダプタ

最大メッセージ数

0から65,535までの整数以外の値

ユーザ定義受付には,検証エラーとなる設定値がありません。

(5) 電文フォーマットファイルの参照ファイルのエクスポート

HCSCコンポーネント内で指定した電文フォーマットファイル内で外部ファイルを参照している場合,参照先のファイルもエクスポートされます。

[図データ]

(6) エクスポート先のディレクトリ名およびファイル名のリネームについて

サービス定義のエクスポートでは,エクスポート先のディレクトリ名およびファイル名に,サービス名やアクティビティ名などを使用します。サービス名やアクティビティ名などが,Windowsのファイルシステムで使用できない文字列の場合,エクスポート先のディレクトリ名およびファイル名の一部がリネームされることがあります。

(7) サブシーケンスの定義方法

サブシーケンスはsub-sequence要素,またはsub-sequence-ref要素のどちらかを利用して定義します。サービス定義のエクスポートによって作成するサービス定義XMLファイルでは,サブシーケンスはsub-sequence-ref要素を利用します。

シーケンスおよびサブシーケンスの考え方については,「6.3.1 サービス定義XMLファイルでのビジネスプロセス定義の考え方」を,sub-sequence要素については「6.3.4(7) sub-sequence」を参照してください。

(8) SOAP受付またはSOAPアダプタのヘッダ電文の定義方法

SOAP受付またはSOAPアダプタで定義された要求または応答ヘッダ電文は,WSDLファイルで定義されたヘッダ電文であっても,すべてinput-headers要素またはoutput-headers要素の子要素に出力されます。