Hitachi

Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説


8.12.4 トラブルシュート設計

障害発生時の原因調査に必要なログおよびトレースを取得できるようにシステムを設計します。

FTP連携で取得できるログおよびトレースの種類を次の表に示します。

表8‒41 トラブルシュートのために取得する情報一覧

情報種別

取得内容

取得するコンポーネント

FTPインバウンドアダプタ

FTP受付

FTPアダプタ

ファイル操作アダプタ

メッセージログ

HCSCサーバの操作時および稼働中のインフォメーション,警告,障害時のエラーなどのメッセージを取得します。

リクエストトレース

次のトレースを取得します。

  • HCSCサーバのリクエスト受け付け/応答

  • ビジネスプロセスの呼び出し/応答

  • アダプタからのサービス呼び出し/応答

性能解析トレース

各コンポーネント間の処理の進行状況を示すトレースを取得します。

ユーザ電文トレース

決められた取得ポイントでのユーザ電文のトレースを取得します。

保守用ログ

障害の切り分け,原因調査を目的とした製品の内部処理の情報を取得します。

プロトコルトレース

HCSCサーバと外部システムとの通信プロトコルのトレースとして,FTPクライアントまたはFTPサーバとの制御コネクション上で送受信されたFTPコマンドの情報を取得します。

必要に応じて,データコネクション上の情報も取得できます。

(凡例)

○:取得します。

−:取得しません。

FTP連携で取得できるログおよびトレースの出力先や出力内容の詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「7.7.11 FTP連携システムでの障害対策」を参照してください。

参考

FTP連携を利用する場合,スローダウンによるファイル転送の時間ロスを低減するために,スローダウンが発生した場合の調査手段を準備しておくことを推奨します。調査方法を次の表に示します。

表8‒42 FTP連携でのスローダウンの調査方法

想定される要因

調査方法

ネットワークの遅延

プロトコルトレース,およびOSの稼働統計で調査します。

ディスクI/Oの遅延

性能解析トレース,およびOSの稼働統計で調査します。

排他待ち

保守用ログで調査します。

リトライ多発

保守用ログで調査します。

CPUネック

OSの稼働統計で調査します。