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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説


8.11.2 FTPアダプタの実行環境に依存する設定の定義

FTPアダプタでは,実行環境に依存する設定を3つの方法で定義できます。

FTPアダプタで実行環境に依存する設定を定義する場合,要求電文またはFTPアダプタ実行環境プロパティファイルを使用します。

FTPアダプタ実行環境プロパティファイルは,次に示す2種類があります。

これらのファイルが両方設定されている場合,2つのファイルの定義内容がマージされます。

また,1つのマシンに複数のHCSCサーバをセットアップした場合,FTPアダプタ実行環境プロパティファイルをHCSCサーバごとに定義することもできます。

同じプロパティがプロパティファイル間で複数設定された場合,プロパティの優先度は次のようになります。

ファイルの種類

プロパティ重複時の優先度

FTPアダプタ実行環境プロパティファイル

(HCSCサーバ単位の指定:あり)

FTPアダプタ実行環境共通プロパティファイル

(HCSCサーバ単位の指定:あり)

FTPアダプタ実行環境プロパティファイル

(HCSCサーバ単位の指定:なし)

FTPアダプタ実行環境共通プロパティファイル

(HCSCサーバ単位の指定:なし)

FTPアダプタ実行環境プロパティファイルの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.8.3 FTPアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。

FTPアダプタ実行環境共通プロパティファイルの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.8.4 FTPアダプタ実行環境共通プロパティファイル」を参照してください。

ここでは,FTPアダプタで使用する,要求電文および次の実行環境定義ファイルについて説明します。

〈この項の構成〉

(1) 要求電文

FTPアダプタの電文フォーマットの定義ファイルはサービスプラットフォームが提供するスキーマを使用します。そのため,電文フォーマットの定義ファイルの作成は不要です。

FTPアダプタの要求電文フォーマットの内容については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.10 FTPアダプタを定義する」を参照してください。

既存のFTPアダプタで,実行環境プロパティファイルのftpadp.pasvportプロパティまたはftpadp.file-size-checkプロパティを要求電文で設定したい場合は,開発環境のサービスアダプタ定義画面で電文フォーマットを再設定してください。

サービスアダプタ定義画面の詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「1.2.2 サービスアダプタ定義画面」を参照してください。

(2) FTPコマンド許可リスト定義ファイル(FTPアダプタ用)

FTPアダプタでは,転送前,転送後,リストコマンド実行前,またはリストコマンド実行後に実行を許可するコマンドを制限できます。コマンドを制限する方法は次の2つです。

  1. FTPアダプタ実行環境プロパティファイルのftpadp.cscthrough-filepathプロパティに指定するFTPコマンド許可リスト定義ファイル

  2. 製品固定パス(<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\FTP\config\common)に格納されたFTPコマンド許可リスト定義ファイル

製品固定パスの定義はFTPアダプタ実行環境プロパティファイルでftpadp.cscthrough-filepathプロパティを設定していないすべてのFTPアダプタに対して適用されます。コマンドの制限の組み合わせを次の表に示します。なお,表中の1.〜2.は上記のコマンドを制限する方法と対応しています。

表8‒38 コマンド制限の組み合わせ(FTPアダプタの場合)

実行を許可するコマンドを制限する方法

実行ユーザの制限

1.

2.

拒否

実行を拒否します。

設定なし※1

拒否

実行を拒否します。

設定なし※1

設定なし※2

実行を拒否します。

設定なし※1

許可

実行を許可します。

許可

実行を許可します。

(凡例)

−:設定は無視されます。

注※1

次のどれかを示します。

  • FTPアダプタ実行環境プロパティファイルを省略している

  • FTPアダプタ実行環境プロパティファイルのftpadp.cscthrough-filepathプロパティを設定していない

  • FTPアダプタ実行環境プロパティファイルのftpadp.cscthrough-filepathプロパティはあるが値を設定していない

注※2

次のどれかを示します。

  • 製品固定パスにFTPコマンド許可リスト定義ファイルを格納していない

  • FTPコマンド許可リスト定義ファイルでプロパティを定義していない

  • FTPコマンド許可リスト定義ファイルのプロパティはあるが値を設定していない

FTPコマンド許可リスト定義ファイルの詳細は,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.8.6 FTPコマンド許可リスト定義ファイル」を参照してください。

(3) FTPアダプタアカウント定義ファイル

FTPアダプタでは,FTPサーバに接続するためのユーザ認証情報をFTPアダプタアカウント定義ファイルで管理します。ユーザ認証情報を管理する方法は次の2つです。

  1. ユーザ任意の単位に任意のパスのアカウント定義ファイルで管理する。

  2. FTPアダプタ単位に製品固定パスのアカウント定義ファイルで管理する。

FTPアダプタのユーザ情報の確認,追加,変更,および削除は,運用環境で次のコマンドを実行します。

これらのコマンドの使用方法については,マニュアル「サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「5.4.14 FTPアダプタのユーザ情報を確認および変更する」を参照してください。