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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説


5.1.2 データベースへのアクセスに関する多重度

永続化するビジネスプロセスを使用する(プロセスインスタンスの実行履歴を採取する)場合,および非同期プロトコルを使用する場合は,HCSCサーバに設定するDB Connectorの定義で,コネクションプール数を設定します。

〈この項の構成〉

(1) 永続化するビジネスプロセスを使用する場合

HCSCサーバに設定した2つのDB Connectorのうち,HCSCサーバセットアップ定義ファイルのdbcon-xadisplaynameプロパティに指定したDB Connectorを使用します。リクエスト受付からビジネスプロセスを経由して,一度に多くの要求が来ても,DB Connectorの部分でデータベースへの出力が一度にできなくなります。すると,性能上のボトルネックが発生して,その結果,ビジネスプロセスの同時実行処理性能が遅くなります。そのため,プロセスインスタンスの実行履歴を採取するときの多重度を設定する必要があります。永続化するビジネスプロセスを使用する場合のボトルネックを次の図に示します。

図5‒3 永続化するビジネスプロセスを使用する場合のボトルネック

[図データ]

(2) 非同期プロトコルを使用する場合

HCSCサーバに設定した2つのDB Connectorのうち,HCSCサーバセットアップ定義ファイルのdbcon-xadisplaynameプロパティに指定したDB Connectorは,非同期(MDB(WS-R)またはMDB(DBキュー))の標準受付でキューからメッセージを取り出したり,非同期(MDB(WS-R)またはMDB(DBキュー))のサービスアダプタでメッセージを送信したりするときにも使用します。そのため,プロセスインスタンスの実行履歴を採取するときの多重度に加えて,HCSCサーバがリクエスト受付のキューからメッセージを取り出すときや,サービスアダプタが転送キューにメッセージを送信するときの多重度も含めて,コネクションプール数を検討する必要があります。

キューに対して一度に多くの要求が来ても,Reliable Messagingのリソースアダプタが同時にメッセージの取り出し処理ができないで,性能上のボトルネックが発生します。また,サービスアダプタの多重度を大きくしていても,サービスアダプタがキューにメッセージを送信するときの同時実行数が少ないと,やはり性能上のボトルネックが発生します。非同期プロトコルを使用する場合のボトルネックを次の図に示します。

図5‒4 非同期プロトコルを使用する場合のボトルネック

[図データ]

(3) データベースへのアクセスに関する多重度の設定

データベースへのアクセスに関する多重度は,次の表に示すように設定します。

表5‒6 DB Connectorの多重度を設定するプロパティ

定義ファイル

プロパティ

内容

DB Connector(LocalTransactionまたはXATransaction)のセットアップ時に設定する属性ファイル

MinPoolSize

プールの最小値

MaxPoolSize

プールの最大値

注1

プールの最大値を増やした場合,データベース側の同時接続数も変更する必要があるため,注意が必要です(HiRDBの場合,pd_max_users(HiRDBの最大接続数)となります)。

注2

実行環境が使用するDBコネクション数の最大値については,マニュアル「サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「3.1.2 実行環境に必要なソフトウェアを設定する」を参照してください。

表5‒7 Reliable Messagingの多重度を設定するプロパティ

定義ファイル

プロパティ

内容

Reliable Messagingのセットアップ時に設定する属性ファイル

MinPoolSize

プールの最小値

MaxPoolSize

プールの最大値