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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム 解説


4.7.1 システム例外をフォルトに変換する汎用フォルトの概要

汎用フォルト電文送出とは,アクティビティ内で発生したシステム例外を,共通のフォーマットで作成したフォルト電文に変換して送出することで,フォルトを発生させることができないアクティビティでもフォルトを送出できるようにする機能です。

この機能を使用した場合,プロセスインスタンスを中断しないで続行するため,プロセスインスタンスの再実行はできません。

〈この項の構成〉

(1) アクティビティ内で発生したシステム例外をフォルト電文に変換して送出するアクティビティ

汎用フォルト送出に対応するアクティビティと汎用フォルトに変換する例外を次に示します。

表4‒14 汎用フォルト送出に対応するアクティビティと汎用フォルトに変換する例外

項番

アクティビティ種別

汎用フォルトに変換する例外

1

Java呼出アクティビティ

  • 引数用割当変数が未初期化の場合に発生する例外

  • 戻り値用割当変数に対応する型以外を設定した場合に発生する例外

2

データ変換アクティビティ

  • 変換元変数が未初期化の場合に発生する例外

  • データ変換処理で発生する例外

3

代入アクティビティ

  • コピー元変数が不正または未初期化の場合に発生する例外

  • 代入処理で発生する例外

4

フォルト送出アクティビティ

割当変数が未初期化の場合に発生する例外

5

検証アクティビティ

  • 検証する変数が未初期化の場合に発生する例外

  • 検証する変数が空の場合に発生する例外

6

繰り返しアクティビティ

  • 繰り返し条件の判定で発生する例外

  • 繰り返しリストに指定した繰り返し対象が不正な場合に発生する例外

  • 最大繰り返し回数に指定した回数を超えて繰り返しを実行した場合に発生する例外

7

分岐アクティビティ

分岐条件の判定で発生する例外

8

リンクコネクション

リンク活性化条件の判定で発生する例外

設定条件の違いによるアクティビティ内で例外が発生したときの動作の違いを次の表に示します。

表4‒15 設定条件の違いによるアクティビティ内で例外が発生したときの動作の違い

HCSCサーバランタイム定義ファイルの設定

アクティビティ内で例外が発生したときの動作

対象アクティビティ

syserr-to-fault-convert=ON

汎用フォルト電文を送出

  • データ変換アクティビティ

  • 代入アクティビティ

  • 分岐アクティビティ

syserr-to-fault-convert=OFF

システム例外が発生

syserr-to-fault-convert-all-activity=ON

汎用フォルト電文を送出

  • リンクコネクション

  • Java呼出アクティビティ

  • データ変換アクティビティ

  • 代入アクティビティ

  • フォルト送出アクティビティ

  • 検証アクティビティ

  • 繰り返しアクティビティ

  • 分岐アクティビティ

syserr-to-fault-convert-all-activity=OFF

システム例外が発生

注※

syserr-to-fault-convertプロパティとsyserr-to-fault-convert-all-activityプロパティのどちらかだけONを指定した場合は,ONが適用され汎用フォルトが発生します。

syserr-to-fault-convertプロパティとsyserr-to-fault-convert-all-activityプロパティは対象となるアクティビティが異なるだけです。出力する汎用フォルト電文の内容は同じです。syserr-to-fault-convertプロパティとsyserr-to-fault-convert-all-activityプロパティを同時に指定してもエラーにはなりません。

(2) 検証アクティビティ

検証アクティビティは,validate-fault-compatibleプロパティを設定することによって,検証処理の結果が不正だったときに送出するフォルト電文の種類を変更できます。

設定条件の違いによる検証処理の結果が不正だったときの動作の違いを次の表に示します。

表4‒16 設定条件の違いによる検証処理の結果が不正だったときの動作の違い

HCSCサーバランタイム定義ファイルの設定

検証処理の結果が不正だったときの動作

validate-fault-compatible=ON

検証アクティビティ固有のフォルト電文を送出

validate-fault-compatible=OFF

汎用フォルト電文を送出

注※

HCSCサーバランタイム定義ファイルの「validation-activity」の設定がONになっている場合だけフォルト電文を送出します。「validation-activity」の設定がOFFの場合は検証処理そのものを実行しないため,フォルト電文も送出されません。