6.3.2 サービスのエミュレーション機能を利用する場合
サービスのエミュレーション機能では,あらかじめサービスの応答電文を作成しておき,HCSC エミュレートビューに設定することで,実際のサービスを呼び出す代わりとすることができます。この機能によって,サービス呼出アクティビティに設定したサービス部品がなくても,ビジネスプロセスのデバッグ処理を進められます。
- 参考
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cscgenbinaryコマンドでバイナリ電文を作成し,応答電文として使用できます。cscgenbinaryコマンドについては,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscgenbinary(バイナリフォーマット定義ファイルからバイナリ電文の生成)」を参照してください。
サービスのエミュレーションは,ビジネスプロセスの処理が中断しているときに設定できます。ここでは,「6.3.1(5) リクエストの送信」までの手順を完了し,サービス呼出アクティビティ(StockAllocation)でビジネスプロセスの処理が中断しているものとして,「StockAllocation」サービスをエミュレーションする手順について説明します。
「StockAllocation」サービスをエミュレーションする手順を次に示します。
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XMLファイルを作成します。
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HCSC エミュレートビューを表示します。
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作成したXMLファイルを利用してサービスのエミュレーションを実行します。
サービスのエミュレーションを実行する前に,デバッガを起動して,サービスリクエスタからリクエストを送信しておく必要があります。
(1) XMLファイルの作成
サービスの応答として利用するXMLファイルを作成します。
XMLファイルを作成する手順を次に示します。
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Eclipseのメニューから,[ファイル]−[新規]−[その他]を選択し,表示されるダイアログで[一般]−[ファイル]を選択します。
[新規ファイル]ダイアログが表示されます。
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[新規ファイル]ダイアログでXMLファイルを保管するディレクトリを選択します。
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[ファイル名]に任意のファイル名(拡張子:.xml)を入力します。
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[終了]ボタンをクリックします。
XMLエディタが表示されます。
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XMLエディタの[ソース]タブをクリックし,次のように入力します(△は半角の空白です)。
<?xml△version="1.0"△encoding="UTF-8"?><reserveItemResponse△xmlns="http://sample/InventoryManagementService"△><ReservationNumber>R00000001</ReservationNumber></reserveItemResponse>
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メニューから[ファイル]−[保存]を選択します。
XMLファイルが保存されます。
(2) HCSC エミュレートビューの表示
サービスのエミュレーションはHCSC エミュレートビューで実行できます。
HCSC エミュレートビューを表示する手順を次に示します。
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Eclipseのメニューから,[ウィンドウ]−[ビューの表示]−[その他]を選択します。
[ビューの表示]ダイアログが表示されます。
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[デバッグ]−[HCSC エミュレート]を選択し,[開く]ボタンをクリックします。
HCSC エミュレートビューが表示されます。
(3) サービスのエミュレーションの実行
作成したXMLファイルを利用して,HCSC エミュレートビューでサービスのエミュレーションを実行します。
サービスのエミュレーションの実行手順を次に示します。
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[デバッグ]ビューでStockAllocation(サービス呼出アクティビティ)を選択します。
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HCSC エミュレートビューの[追加]ボタンをクリックします。
HCSC エミュレートビューのテーブルに行が追加されます。
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応答種別のセルを選択し,通常応答を選択します。
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応答電文のセルを選択し,[...]ボタンをクリックします。
[ファイル選択]ダイアログが表示されます。
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作成したXMLファイルを選択し,[OK]ボタンをクリックします。
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[ステップ実行]ボタンをクリックします。
サービス呼出アクティビティ(StockAllocation)からの応答がエミュレーションされます。
ビジネスプロセスの処理が分岐開始アクティビティ(StockAllocationResultCheck)に進みます。
以降のアクティビティへ進むには,[デバッグ]ビューを操作してください。詳細は,「6.3.1(6) ビジネスプロセスのデバッグの実行」を参照してください。