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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム ファーストステップガイド


6.3.1 サンプルプログラムが提供するサービス部品を利用するデバッグ

サンプルプログラムが提供するサービス部品を利用する場合,ビジネスプロセスのデバッグの流れを次に示します。

  1. アクティビティにブレークポイントを設定します。

  2. サービスリクエスタ・サービス部品をデプロイします。

  3. HCSCサーバを起動します。

  4. デバッガを起動します。

  5. サービスリクエスタからリクエストを送信し,ビジネスプロセスの処理を開始します。

  6. アクティビティごとにデバッグを実行します。

  7. ビジネスプロセスのデバッグを終了します。

〈この項の構成〉

(1) ブレークポイントの設定

ビジネスプロセスの処理を中断するアクティビティにブレークポイントを設定します。

ここでは,サービス呼出アクティビティ(StockAllocation)にブレークポイントを設定します。

ブレークポイントを設定する手順を次に示します。

  1. ビジネスプロセス定義画面のキャンバスでサービス呼出アクティビティ(StockAllocation)を右クリックし,[ブレークポイントの追加]を選択します。

    アクティビティにブレークポイントが追加されます。次の図のように,アクティビティの横にブレークポイントを表すチェックが付きます。

    [図データ]

(2) サービスリクエスタ・サービス部品のデプロイ

リクエストの送信およびサービス部品の呼び出しのために,商品手配サンプルプログラムのEclipseプロジェクトをインポートしたあと,サービスリクエスタ・サービス部品をJ2EEサーバにデプロイします。

サービスリクエスタ・サービス部品をデプロイする手順を次に示します。

  1. HCSCサーバを停止します。

    [スタート]メニューの[プログラム]から[Cosminexus]−[テストサーバ停止]を選択して,テスト環境のPerformance Tracer,J2EEサーバ,および,標準受付とユーザ定義受付を含むHCSCサーバを停止します。

    注※

    プログラムフォルダ名を変更している場合,変更したプログラムフォルダから選択してください。

  2. Eclipseのメニューから[ウィンドウ]−[パースペクティブを開く]−[その他]を選択します。

    [パースペクティブを開く]ダイアログが表示されます。

  3. [J2EE(デフォルト)]を選択し,[開く]ボタンをクリックします。

    [J2EE]パースペクティブが表示されます。

  4. メニューから[ファイル]−[インポート]を選択します。

    選択画面が表示されます。

  5. ツリービューから[一般]−[既存プロジェクトをワークスペースへ]を選択します。

    [図データ]

  6. [次へ]ボタンをクリックします。

    プロジェクトのインポート画面が表示されます。

    [図データ]

  7. [ルート・ディレクトリーの選択]を選択し,[参照]ボタンをクリックします。

    ファイルの参照画面が表示されます。

  8. サンプルプログラムが格納されているディレクトリ(<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>CSCTE¥Samples¥SOAP1.1_1.2mode¥ProductStock)を選択し,[OK]ボタンをクリックします。

    プロジェクトのインポート画面に戻ります。すべてのプロジェクトにチェックが入っていることを確認してください。

  9. [プロジェクトをワークスペースにコピー]のチェックが入っていない場合は,チェックを入れます。

    チェックを入れないと,サンプルプログラムが削除されるおそれがあります。必ずチェックを入れてください。

    [図データ]

  10. [終了]ボタンをクリックします。

    パースペクティブに選択したプロジェクトがインポートされます。

  11. [サーバー]ビューの[J2EEServer at localhost]サーバを右クリックし,[デバッグ]を選択します。

    [図データ]

    処理中であることを知らせるメッセージが表示されたあと,J2EEサーバが起動されます。J2EEサーバが表示されていない場合は,「4.2.1(3) J2EEサーバの選択」を参照してください。

  12. [サーバー]ビューの[J2EEServer at localhost]サーバを右クリックし,[追加と削除...]を選択します。

    [追加と削除...]ダイアログが表示されます。

  13. [使用可能]から[ArrangementClient],[DeliveryService],および[InventoryManagementService]を選択し,[追加]ボタンをクリックします。

    [図データ]

  14. [終了]ボタンをクリックします。

    処理中であることを知らせるメッセージが表示されます。処理終了後,[J2EE]パースペクティブに戻ります。

    設定が終わったら,[サーバー]ビューの[J2EEServer at localhost]の配下に[ArrangementClient],[DeliveryService],および[InventoryManagementService]プロジェクトがあることを確認してください。

(3) HCSCサーバの起動

デバッガを起動する前に,HCSCサーバを起動します。

  1. HCSCサーバを起動します。

    [スタート]メニューの[プログラム]から[Cosminexus]−[テストサーバ起動]を選択して,テスト環境のPerformance Tracer,J2EEサーバ,および,標準受付とユーザ定義受付を含むHCSCサーバを起動します。

    注※

    プログラムフォルダ名を変更している場合,変更したプログラムフォルダから,選択してください。

(4) デバッガの起動

デバッガを起動する手順を次に示します。

  1. Eclipseのメニューから[実行]−[デバッグの構成]を選択します。

    [デバッグ構成]ダイアログが表示されます。

  2. [デバッグ構成]ダイアログのメニューから[HCSC-BP]を右クリックし,[新規]を選択します。

  3. [名前]に任意の名称を入力し,[デバッグ対象]は,ドロップダウンリストから「ProductStock」を選択します。

    [図データ]

  4. [デバッグ]ボタンをクリックします。

    アカウント認証画面が表示されます。

  5. [ユーザID]に「admin」,[パスワード]に「admin」を入力して,[OK]ボタンをクリックします。

    処理中であることを知らせるメッセージが表示されます。2回目以降にデバッガを起動するときは,アカウント認証画面は表示されないで,すぐに処理が開始されます。

  6. [OK]ボタンをクリックします。

    デバッガが起動されます。

(5) リクエストの送信

サービスリクエスタからリクエストを送信して,ビジネスプロセスの処理を開始します。

リクエストを送信する手順を次に示します。

  1. ブラウザから次に示すURLを入力します。

    http://localhost/ArrangementClientWeb/index.html

    商品手配サンプルプログラムの実行画面が起動されます。

  2. 商品名と個数を選択します。

    [図データ]

  3. [Arrangement]ボタンをクリックします。

    Eclipseにパースペクティブを切り替えるかどうかを確認するダイアログが表示されます。

  4. [はい]ボタンをクリックします。

    デバッグ情報や変数を表示するビューが開き,ビジネスプロセスの処理が開始されます。サービス呼出アクティビティ(StockAllocation)でビジネスプロセスの処理が中断されます。ビジネスプロセス定義画面のキャンバスのアクティビティに,次のように中断していることを表す色が付きます。

    [図データ]

(6) ビジネスプロセスのデバッグの実行

ビジネスプロセスの処理が中断している状態では,次に示す画面でデバッグを実行できます。

図6‒2 ビジネスプロセスのデバッグ画面

[図データ]

ビジネスプロセスのデバッグで実行できる項目を次の表に示します。

表6‒7 ビジネスプロセスのデバッグで実行できる項目

項目

説明

変数・相関セットの確認

ビジネスプロセスで現在使用している変数,および相関セットを確認できます。

変数の更新

ビジネスプロセスで現在使用している変数の値を更新できます。

ステップ実行および再開

[デバッグ]ビューでは次の操作を実行できます。これらの操作によって,アクティビティごとにデバッグを実行してください。

  • ステップイン([図データ]

    次のアクティビティに進みます。分岐開始アクティビティで実行した場合は,分岐先で最初に処理されるアクティビティに進みます。

  • ステップオーバー([図データ]

    分岐開始アクティビティで実行した場合は,分岐終了アクティビティまでをまとめて処理します。分岐開始アクティビティ以外で実行した場合は,ステップインと同じ動作になります。

  • ステップリターン([図データ]

    スコープアクティビティおよび繰り返しアクティビティの内部のアクティビティで実行した場合は,所属するアクティビティの次のアクティビティまで処理します。

  • 再開([図データ]

    次にブレークポイントを設定しているアクティビティまで,ビジネスプロセスの処理を再開します。

サービスのエミュレーション

作成済みの応答電文を利用することで,サービスをエミュレーションできます。

サービスをエミュレーションする手順については,「6.3.2 サービスのエミュレーション機能を利用する場合」を参照してください。

(7) ビジネスプロセスのデバッグの終了

ビジネスプロセスの処理の流れを確認したら,ビジネスプロセスのデバッグを終了します。

ビジネスプロセスのデバッグを終了する手順を次に示します。

  1. [デバッグ]ビューで「ProductStock」を選択し,[終了]アイコンをクリックします。

    [図データ]

    ビジネスプロセスのデバッグが終了します。