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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ Webサービス開発ガイド


39.4.3 性能解析トレースによる性能解析方法

性能解析トレースファイルとは,性能解析トレースをCSV形式で出力したテキストファイルを指します。

〈この項の構成〉

(1) Webサービスの場合

性能解析トレースファイルを使用して,JAX-WSエンジンを含むWebサービス全体のレスポンスタイムと,Webサービス(UP)のレスポンスタイムを解析する方法を説明します。なお,ここではWebサービス実装クラスで開発したWebサービスと,スタブベースのWebサービスクライアントの例を説明します。そのほかの形態のWebサービスおよびWebサービスクライアントの場合はイベントIDが異なることがあるので,必要に応じて読み替えてください。

イベントID「0xA408」,「0xA40C」,「0xA410」,および「0xA414」をキーにして,性能解析トレースファイルをフィルタリングします。各イベントIDに対するトレース取得ポイントを次の表に示します。

表39‒29 フィルタリングするイベントIDに対応するトレース取得ポイント

項番

イベントID

トレース取得ポイント

1

0xA408

JAX-WSエンジンのサーブレット開始時

2

0xA40C

Webサービス呼び出し前

3

0xA410

Webサービス呼び出し後

4

0xA414

JAX-WSエンジンのSOAPメッセージ送信前

リクエストを2回送信した場合に,イベントID「0xA408」,「0xA40C」,「0xA410」および「0xA414」をキーにして,性能解析トレースファイルをフィルタリングした例を次の図に示します。

図39‒16 性能解析トレースをフィルタリングした例

[図データ]

クライアントアプリケーション情報から,リクエストの処理状況を確認できます。同じリクエストを処理している場合,同じクライアントアプリケーション情報が出力されます。

同一クライアントアプリケーション情報の中のイベントID「0xA408」および「0xA414」のトレース取得時刻から,JAX-WSエンジンを含めたWebサービス全体のレスポンスタイムを解析できます。また,「0xA40C」および「0xA410」のトレース取得時刻から,Webサービス(UP)のレスポンスタイムを解析できます。

(2) Webリソースの場合

性能解析トレースファイルを使用して,JAX-RSエンジンを含むWebリソース全体のレスポンスタイムと,Webリソース(UP)のレスポンスタイムを解析する方法を説明します。

イベントID「0xA4A0」,「0xA4A2」,「0xA4A3」および「0xA4A1」をキーにして,性能解析トレースファイルをフィルタリングします。各イベントIDに対するトレース取得ポイントを次の表に示します。

表39‒30 フィルタリングするイベントIDに対応するトレース取得ポイント

項番

イベントID

トレース取得ポイント

1

0xA4A0

JAX-RSエンジンのサーブレット開始時

2

0xA4A2

Webリソース呼び出し前

3

0xA4A3

Webリソース呼び出し後

4

0xA4A1

JAX-RSエンジンのHTTPメッセージ送信前

リクエストを2回送信した場合に,イベントID「0xA4A0」,「0xA4A2」,「0xA4A3」および「0xA4A1」をキーにして,性能解析トレースファイルをフィルタリングした例を次の図に示します。

図39‒17 性能解析トレースをフィルタリングした例

[図データ]

クライアントアプリケーション情報から,リクエストの処理状況を確認できます。同じリクエストを処理している場合,同じクライアントアプリケーション情報が出力されます。

同一クライアントアプリケーション情報の中のイベントID「0xA4A0」および「0xA4A1」のトレース取得時刻から,JAX-RSエンジンを含めたWebリソース全体のレスポンスタイムを解析できます。また,「0xA4A2」および「0xA4A3」のトレース取得時刻から,Webリソース(UP)のレスポンスタイムを解析できます。