Hitachi

Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 互換編


20.3.1 クラスタコネクションプールの概要

クラスタ化されたコネクションプールをクラスタコネクションプールといいます。ルートリソースアダプタとメンバリソースアダプタで構成されます。メンバリソースアダプタのコネクションプールをメンバコネクションプールといいます。

DB Connectorのクラスタコネクションプールを使用するための作業と状態の制御方法を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) クラスタコネクションプールの設定

クラスタコネクションプールを使用するためには,クラスタコネクションプールを使用できるリソースアダプタの設定が必要です。

クラスタコネクションプール用のDB Connectorの設定は,次の手順で実施します。

なお,手順1,2は,必要なメンバリソースアダプタの数だけ繰り返してください。

  1. メンバリソースアダプタ用DB Connectorを設定します。

    メンバリソースアダプタ用DB Connectorを,次の手順で設定します。

    • メンバリソースアダプタ用のDB ConnectorのRARファイルをインポートします。

    • プロパティを定義します。

    • DB Connectorをデプロイします。

    • 接続を確認します。

      正しく接続できるかどうかは,接続テストで確認できます。

  2. メンバリソースアダプタ用DB Connectorを開始します。

  3. ルートリソースアダプタ用DB Connectorを設定します。

    ルートリソースアダプタ用DB Connectorを,次の手順で設定します。

    • ルートリソースアダプタ用のDB ConnectorのRARファイルをインポートします。

    • プロパティを定義します。

    • DB Connectorをデプロイします。

    • 接続を確認します。

      正しく接続できるかどうかは,接続テストで確認できます。

  4. ルートリソースアダプタ用DB Connectorを開始します。

ルートリソースアダプタは,J2EEアプリケーションから直接アクセスされるので,デプロイしたルートリソースアダプタは,J2EEアプリケーションのプロパティ設定でリファレンスを解決する必要があります。詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「9.3.3 リソースアダプタのリファレンス定義」を参照してください。

参考

DB Connectorのプロパティを新規に設定する場合,Component Containerが提供しているテンプレートファイルが利用できます。

Connector属性ファイルのテンプレートファイルは,次に示すディレクトリに格納されています。

  • Windowsの場合

    <Application Serverのインストールディレクトリ>\CC\admin\templates\

  • UNIXの場合

    /opt/Cosminexus/CC/admin/templates/

このテンプレートファイルを使用すると,DB Connectorをインポートする前に,Connector属性ファイルを編集しておくことができます。なお,テンプレートファイルはコピーして使用してください。

Connector属性ファイルのテンプレートファイル名については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1.13 Connector属性ファイルのテンプレートファイル」を参照してください。

なお,すでにプロパティが設定されているDB Connectorのプロパティを変更する場合は,テンプレートファイルは使用しないでください。インポートしたDB ConnectorのConnector属性を取得して,Connector属性ファイルを編集してください。

(2) クラスタコネクションプールの状態と実行できる操作

メンバコネクションプールは,データベースの障害や保守などの場合,手動で一時停止できます。一時停止状態になると,ルートリソースアダプタへのコネクション取得要求時に処理が実行されません。

また,一時停止したメンバコネクションプールは,手動で再開できます。ルートリソースアダプタへのコネクション取得要求時には,開始状態のコネクションプールだけ処理が実行されます。

コネクションプールの状態制御については,「20.1.4 クラスタコネクションプールの動作」を参照してください。

(3) リソースアダプタの種類による機能差異

リソースアダプタの種類で,使用できる機能を次に示します。

表20‒7 リソースアダプタの種類による機能一覧

機能

リソースアダプタの種類

ルートリソースアダプタ

メンバリソースアダプタ

コネクションプーリング

×

コネクションプールのウォーミングアップ

×

コネクションシェアリング・アソシエーション

×

ステートメントプーリング

×

DataSourceオブジェクトのキャッシング

×

DB Connectorのコンテナ管理でのサインオンの最適化

×

コネクション障害検知

×

コネクション障害検知のタイムアウト

×

コネクション枯渇時のコネクション取得待ち

×

コネクション取得リトライ

×

×

コネクションプール情報表示

×

コネクションプールクリア

×

コネクション自動クローズ

×

コネクションスイーパ

×

接続テスト

コネクションプール数調節機能

×

コネクションプール情報の表示

×

コネクションプールの一時停止

×

コネクションプールの再開

×

J2EEリソースのユーザ指定名前空間機能

×

(凡例) ◎:必ず有効になる ○:使用できる ×:使用できない

注※ コネクションプールをクラスタで使用しない場合,コネクションプールの一時停止および再開は実行できません。

DB Connectorの属性を設定するリソースアダプタの種類を次に示します。

表20‒8 リソースアダプタの種類と属性設定

設定項目

リソースアダプタの種類

ルートリソースアダプタ

メンバリソースアダプタ

トランザクションサポートレベル

×

ログ取得可否

データベース接続情報

DB Connector固有の設定(ステートメントプールなど)

セキュリティ情報(ユーザ名,パスワード)

×

コネクションプールサイズ

×

クラスタコネクションプール固有の設定

(凡例) ○:設定要 ×:設定不要 −:設定項目なし