Hitachi

Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 互換編


5.13.1 Explicitヒープのメモリサイズの見積もり(J2EEサーバが使用するメモリサイズの見積もり)

Explicitヒープをチューニングする前提として,明示管理ヒープ機能を使用するための設定が必要です。明示管理ヒープ機能は,JavaVMの起動オプションとして-XX:+HitachiUseExplicitMemoryが指定されている場合に有効になります。J2EEサーバの場合,明示管理ヒープ機能はデフォルトで使用される設定になっています。また,Tenured領域のメモリサイズ増加の要因となるオブジェクトがExplicitヒープに配置されるように設定されています。このため,J2EEサーバが配置するオブジェクトに必要なExplicitヒープのメモリサイズを必ず見積もってください。

明示管理ヒープ機能は,Explicitヒープのメモリサイズを適切に見積もった上で使用しないと,効果が出ません。

J2EEサーバでは,Tenured領域のメモリサイズ増加の要因になる,次のオブジェクトをExplicitヒープに配置します。

リダイレクタとの通信用オブジェクトが利用するExplicitヒープのメモリサイズは,定義ファイルでの設定値から算出できます。見積もり方法については,「5.13.2 リダイレクタとの通信用オブジェクトで利用するメモリサイズ」を参照してください。

HTTPセッションに関するオブジェクトが利用するExplicitヒープのメモリサイズは,実際にアプリケーションを動作させて情報を取得した上で見積もります。見積もり方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「7.11.2 HTTPセッションに関するオブジェクトで利用するメモリサイズ」を参照してください。

Explicitヒープのメモリサイズを見積もった結果,HTTPセッションに関するオブジェクトが利用するExplicitヒープのメモリサイズが極端に大きい場合は,マニュアル「アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「付録A HTTPセッションで利用するExplicitヒープの効率的な利用」を参考にして,アプリケーションの設計を見直してください。V9互換モードでHTTPセッションを見積もる際には,リダイレクタとの通信用オブジェクトをExplicitヒープに配置しないように,J2EEサーバのユーザプロパティ「ejbserver.server.eheap.ajp13.enabled」にfalseを指定してください。