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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編


14.2.1 ジョブによるシステムの自動運転の仕組み

JP1/AJSと連携してシステムを自動運転にすると,アプリケーションサーバシステム内の論理サーバおよびJ2EEアプリケーションの計画的な一括開始や一括停止ができるようになります。夜間に実行するバッチ処理,曜日によって異なる業務の切り替え,月末だけに実行する業務などをあらかじめスケジュール定義しておくことで,システムリソースを計画的に確保して,有効活用できるようになります。

〈この項の構成〉

(1) JP1/AJSを使用したシステムの自動運転

JP1/AJSを使用したシステムの自動運転を次に示します。

図14‒1 JP1/AJSを使用したシステムの自動運転の概要

[図データ]

アプリケーションサーバシステムの運用を自動化するためには,まず,J2EEアプリケーションの開始や停止などの処理の一つ一つをジョブとして定義して,それらの実行順序をジョブネットとして定義します。アプリケーションサーバシステムの場合,ジョブとして,Management Serverのコマンドであるmngsvrutilコマンドを1実行単位で定義します。次に,運用計画に従って,ジョブネットごとに開始曜日や時刻などのスケジュールを設定して,JP1ジョブ運用管理サーバのJP1/AJSに登録します。例えば,WebサーバとJ2EEアプリケーション「AP1」「AP2」の起動と停止を,それぞれAM8:00とPM5:00に定義します。設定した時刻になると,JP1/AJSによって,ジョブとして定義したmngsvrutilコマンドが実行されます。

また,JP1/IMと連携しておけば,JP1/AJSによって自動実行されたジョブに異常が発生した場合に,運用管理者の携帯電話などに通知する運用もできます。

なお,Windowsの場合,アプリケーションサーバでは,このような運用を実現するために,カスタムジョブの提供による,ジョブ定義支援機能を提供しています。

(2) JP1/AJSを使用したバッチアプリケーションの自動実行

バッチアプリケーションは,アプリケーションサーバで構築するバッチサーバ上でも実行できます。バッチサーバで動作するバッチアプリケーションは,アプリケーションサーバで提供するバッチ実行コマンドで開始します。バッチ実行コマンドをJP1/AJSのジョブとして定義することで,バッチアプリケーションの自動実行が実現します。

JP1/AJSを使用したバッチアプリケーションの自動実行を次の図に示します。

図14‒2 JP1/AJSを使用したバッチアプリケーションの自動実行の概要

[図データ]

また,JP1/AJSでは,BJEXまたはJP1/Advanced Shellと連携することもできます。BJEXまたはJP1/Advanced Shellと連携する場合は,JP1/AJSのジョブとして,BJEXまたはJP1/Advanced Shellのバッチジョブの実行コマンドを定義する必要があります。ジョブの定義については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「2.3.2 バッチアプリケーションの実行」を参照してください。