4.16.4　トランザクション連携機能を使用する場合の性能解析トレース情報の引き継ぎ

トランザクション連携機能を使用する場合の性能解析トレース情報の引き継ぎについて説明します。ここでは，アプリケーションサーバの性能解析情報と引き継ぎ元のOpenTP1の性能解析情報を突き合わせることによって，OpenTP1とアプリケーションサーバ間でのRPC通信を追跡する例を示します。

RPCおよび同期点処理の実行によって突き合わせ可能な範囲を次の図に示します。

図4‒24　RPCおよび同期点処理の実行によって突き合わせ可能な範囲

次に示す性能解析トレース情報を突き合わせて，トレース情報を追跡します。

RPC要求を受信したときのOpenTP1とTP1インバウンドアダプタ間の性能解析トレース情報

アプリケーションサーバの性能解析情報と引き継ぎ元のOpenTP1の性能解析情報を突き合わせます。詳細は「4.16.3　トランザクション連携機能を使用しない場合の性能解析トレース情報の引き継ぎ」を参照してください。
同期点処理時のOpenTP1とTP1インバウンドアダプタ間の性能解析トレース情報

トランザクショングローバル識別子を突き合わせます。詳細は「4.16.4(1)　同期点処理でのOpenTP1とTP1インバウンドアダプタ間の性能解析トレース情報の突き合わせ」を参照してください。
アプリケーションサーバ内でのRPC要求受信時と同期点処理時の間の性能解析トレース情報

PRFトレース（0xAA00）で出力したトランザクショングローバル識別子，および同期点処理時に出力するトランザクショングローバル識別子を突き合わせます。詳細は「4.16.4(2)　RPC要求と同期点処理間の性能解析トレース情報の突き合わせ」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1)　同期点処理でのOpenTP1とTP1インバウンドアダプタ間の性能解析トレース情報の突き合わせ

同期点処理では，OpenTP1から引き継がれるトランザクショングローバル識別子を突き合わせます。アプリケーションサーバの性能解析情報と引き継ぎ元のOpenTP1の性能解析情報を突き合わせることによって，OpenTP1とアプリケーションサーバ間での同期点処理を追跡する例を示します。

図4‒25　同期点処理でのPRFトレースの突き合わせの例

OpenTP1のPRF（プリペアメッセージの送信時の場合は0x4000）のTrnの先頭16文字と，0xAA14のOPT（ASCII列）を突き合わせます。

また，0xAA14のRootAP情報のIPアドレス，およびINTに出力する送信元のノード識別子もOpenTP1のPRFと突き合わせます。

応答も同様に0xAA14のOPT（ASCII列）とOpenTP1のPRF（プリペア完了メッセージの受信時であれば0x4003）のTrnの先頭16文字と突き合わせます。

RPC要求と同期点処理間のPRFトレースは，0xAA00で出力したOPT（ASCII列）の5文字目から20文字目のトランザクショングローバル識別子と，同期点処理時に出力される0xAA14のOPT（ASCII列）のトランザクショングローバル識別子を突き合わせます。

RPC要求と同期点処理間のPRFトレースの突き合わせの例を次に示します。

図4‒26　RPC要求と同期点処理間のPRFトレースの突き合わせの例