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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)


3.15.13 実行環境での設定

ここでは,フォールトトレランスのための機能を使用する場合の設定について説明します。

なお,次に示す機能については事前に設定する必要はありません。

〈この項の構成〉

(1) J2EEサーバの設定

J2EEサーバの設定は,簡易構築定義ファイルで実施します。フォールトトレランスの定義は,簡易構築定義ファイルの論理J2EEサーバ(j2ee-server)の<configuration>タグ内に指定します。

簡易構築定義ファイルでのフォールトトレランスのための機能の定義について,次の表に示します。

表3‒68 簡易構築定義ファイルでのフォールトトレランスのための機能の定義

分類

プロパティ

設定内容

コネクションの自動クローズ

ejbserver.webj2ee.connectionAutoClose.enabled

Webアプリケーションでコネクションを自動クローズするかどうかを指定します。

トランザクションタイムアウト(J2EEサーバ単位)※1

ejbserver.jta.TransactionManager.defaultTimeOut

J2EEサーバ上で開始されるトランザクションのタイムアウトのデフォルト値を指定します。

トランザクションのリカバリ

ejbserver.distributedtx.recovery.port

グローバルトランザクションを使用する場合に,トランザクションのリカバリで使用する固定ポート番号を指定します。

未決着トランザクションの確認時間のタイムアウト※2

ejbserver.distributedtx.recovery.completionCheckOnStopping.timeout

J2EEサーバ停止時に行われるトランザクション仕掛かり完了確認のタイムアウト時間を指定します。

障害検知のタイムアウト

ejbserver.connectionpool.validation.timeout

コネクション障害検知機能のタイムアウト時間およびコネクション数調節機能によるコネクション削除処理のタイムアウト時間を指定します。

注※1 CMTの場合,Enterprise Bean,インタフェース,メソッド単位の設定もできます。Enterprise Bean,インタフェース,メソッド単位に設定する場合には,J2EEアプリケーションの設定時にサーバ管理コマンドを使用して属性ファイルに設定します。J2EEアプリケーションの設定については,「3.15.12 cosminexus.xmlでの定義」を参照してください。

注※2 アプリケーション開発時にタイムアウトを設定してください。J2EEアプリケーション運用時には,トランザクションの信頼性を保証するために,タイムアウトを設定しないことをお勧めします。

簡易構築定義ファイルおよびパラメタについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.3 簡易構築定義ファイル」を参照してください。

(2) リソースアダプタの設定

実行環境でのリソースアダプタの設定は,サーバ管理コマンドおよび属性ファイルを使用します。フォールトトレランスのための機能の定義には,Connector属性ファイルを使用します。

Connector属性ファイルでのフォールトトレランスのための機能の定義について次の表に示します。

表3‒69 Connector属性ファイルでのフォールトトレランスのための機能の定義

項目

指定するパラメタ

設定内容

コネクションの障害検知

<property>タグのValidationTypeおよびValidationInterval

コネクションの障害を検知するタイミングおよび障害を検知する間隔を指定します。

なお,コネクションの障害検知にタイムアウトを設定する場合には,NetworkFailureTimeoutでコネクション管理スレッドの使用を有効にします。※1

コネクション管理スレッド

<property>タグのNetworkFailureTimeout

コネクション管理スレッドを使用するかどうかを指定します。

コネクション管理スレッドを使用する場合,コネクションの障害検知機能,およびコネクション数調節機能のタイムアウトが有効になります。タイムアウト時間は簡易構築定義ファイルのJ2EEサーバで指定するキーに,任意の時間を指定できます(デフォルト値は5秒)。

コネクション枯渇時のコネクション取得待ち

<property>タグのRequestQueueEnable

コネクション枯渇時のコネクション取得待ちを有効にするかどうかを指定します。

<property>タグのRequestQueueTimeout

コネクション取得の待ち時間を指定します。

コネクションの取得リトライ

<property>タグのRetryCount

コネクション取得に失敗した場合のリトライ回数を指定します。

<property>タグのRetryInterval

コネクション取得に失敗した場合のリトライ間隔を指定します。

コネクションスイーパ

<property>タグのSweeperInterval※2

コネクションの自動破棄(コネクションスイーパ)が動作する間隔を指定します。

<property>タグのConnectionTimeout※2

コネクションの最終利用時刻からコネクションを自動破棄するかどうかを判定するまでの時間を指定します。

ステートメントキャンセル

<config-property>タグのCancelStatement

トランザクションタイムアウト発生時のステートメントキャンセルを有効にするかどうかを指定します。

注※1 コネクションの障害検知機能とコネクション数調節機能のタイムアウトを同じキーで設定します。このため,コネクションの障害検知機能でタイムアウトを使用する場合は,コネクション数調節機能でもタイムアウトを使用する設定となります。

注※2 設定値が3600秒未満の場合,KDJE48604-Wが出力されます。

Connector属性ファイルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。

(3) J2EEアプリケーションの設定

実行環境でのJ2EEアプリケーションの設定は,サーバ管理コマンドおよび属性ファイルで実施します。パフォーマンスチューニングのための機能の定義には,Session Bean属性ファイル,Entity Bean属性ファイルまたはMessage-driven Bean属性ファイルを使用します。

これらの属性ファイルで指定するタグは,cosminexus.xmlと対応しています。cosminexus.xmlでの定義については,「3.15.12 cosminexus.xmlでの定義」を参照してください。