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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)


2.12.1 ユーザスレッドでの機能の使用可否

ここでは,ユーザスレッドで使用できるアプリケーションサーバの機能について説明します。ユーザスレッドの使用方法については,「8.2.1(15) ユーザスレッドの使用方法」を参照してください。

アプリケーションサーバで提供される各機能について,ユーザスレッドで使用できるかどうかを次の表に示します。

表2‒38 ユーザスレッドでの機能の使用可否

機能名

使用可否

参照先

サーブレットAPIの利用

2.12.1(1)

Enterprise Beanの呼び出し

×

ネーミングサービス

2.12.1(2)

リソース接続

2.12.1(3)

トランザクションサービス

統合ユーザ管理

×

ログ運用および障害検知

2.12.1(4)

J2EEアプリケーション運用

2.12.1(5)

コンテナ拡張ライブラリの利用

2.12.1(6)

(凡例)○:使用できる △:一部の機能が使用できない ×:使用できない −:該当なし

ユーザスレッドで使用できる機能をさらに詳細機能に分類し,各機能についてサーブレット/JSP,およびユーザスレッドで使用できるかどうかを示します。また,ユーザスレッドで使用する場合の注意事項についても示します。

〈この項の構成〉

(1) サーブレットAPI

サーブレットAPIをユーザスレッドで使用する場合,リクエストオブジェクトおよびレスポンスオブジェクトは使用できません。リクエスト処理スレッドでだけ使用してください。詳細は,サーブレット仕様書のThread Safetyの項を参照してください。

(2) ネーミングサービス

ネーミングサービスとして提供される機能が,サーブレット/JSPおよびユーザスレッドで使用できるかどうかを次の表に示します。

表2‒39 ネーミングサービスの機能の使用可否(ユーザスレッド)

分類/機能名

サーブレット/JSP

ユーザスレッド

JNDIのルックアップ

リソースアダプタ

DB Connector

DB Connector for Reliable MessagingとReliable Messaging

TP1/Message Queue-Access

TP1 Connector

Java Mail

JavaBeansリソース

ユーザトランザクション

(凡例)○:使用できる

ネーミングサービスを使用する場合,ユーザスレッドの実行中にアプリケーションを停止しないでください。

(3) リソース接続およびトランザクションサービス

リソース接続およびトランザクションサービスとして提供される機能が,サーブレット/JSPおよびユーザスレッドで使用できるかどうかを次の表に示します。

表2‒40 リソース接続およびトランザクション管理の機能の使用可否(ユーザスレッド)

分類/機能名

サーブレット/JSP

ユーザスレッド

コネクションプーリング

DB Connectorによるコネクションプーリング

DB Connector for Reliable MessagingとReliable Messagingによるコネクションプーリング

TP1 Connectorとのコネクションプーリング

TP1/Message Queue - Accessとのコネクションプーリング

SMTPサーバとのコネクションプーリング

×

×

コネクションプールのウォーミングアップ

コネクション数調節

コネクションシェアリング

コネクションアソシエーション

ステートメントプーリング(DB Connector)

ライトトランザクション

インプロセストランザクションサービス

DataSourceオブジェクトのキャッシング

DB Connectorのコンテナ管理でのサインオンの最適化

受信バッファのプーリング

コネクションの障害検知

DB Connectorによる障害検知

DB Connector for Reliable MessagingとReliable Messagingによる障害検知

TP1 Connectorとのコネクション障害検知

×

×

TP1/Message Queue - Accessとのコネクション障害検知

×

×

SMTPサーバとのコネクション障害検知

×

×

コネクション枯渇時のコネクション取得待ち

コネクションの取得リトライ

DB Connectorによるコネクション取得リトライ

DB Connector for Reliable MessagingとReliable Messagingによるコネクション取得リトライ

TP1 Connectorとのコネクション取得リトライ

TP1/Message Queue - Accessとのコネクション取得リトライ

SMTPサーバとのコネクション取得リトライ

×

×

コネクションプールクリア

コネクションのクローズ・解放

コネクション自動クローズ(Webコンテナ)

×

コネクションスイーパ

トランザクションタイムアウト

トランザクションリカバリ

トランザクションの自動決着

×

障害調査用SQLの出力

クラスタコネクションプール(互換機能)

(凡例)○:使用できる ×:使用できない

注※

サーブレットのメソッドからリターンするとき,未決着のトランザクションをロールバックする機能です。

ユーザスレッドでリソース接続およびトランザクションサービスを使用する場合の注意事項を示します。

(4) ログ運用および障害検知

ログ運用および障害検知として提供される機能が,サーブレット/JSPおよびユーザスレッドで使用できるかどうかを次の表に示します。

表2‒41 ログ運用および障害検知の機能の使用可否(ユーザスレッド)

分類/機能名

サーブレット/JSP

ユーザスレッド

Managementイベントによる処理の自動実行

JP1イベントによるシステムの監視

ユーザログ出力

性能解析トレース

CTMの稼働情報の監視

(凡例)○:使用できる

(5) J2EEアプリケーション運用

J2EEアプリケーション運用機能として提供される機能が,サーブレット/JSPおよびユーザスレッドで使用できるかどうかを次の表に示します。

表2‒42 J2EEアプリケーション運用機能の使用可否(ユーザスレッド)

分類/機能名

サーブレット/JSP

ユーザスレッド

Webコンテナでの同時実行スレッド数の制御

×

スケジュールキュー単位の同時実行数の動的変更

J2EEアプリケーションの実行時間監視

メソッドタイムアウト機能

×

メソッドキャンセル機能

×

J2EEアプリケーションの停止

通常停止

※1

強制停止

※1

J2EEアプリケーションの入れ替え

リデプロイ機能による入れ替え

※2

リロード機能による入れ替え

(凡例)○:使用できる ×:使用できない

注※1

コンテナでは,ユーザスレッドを停止しません。

注※2

開始状態のJ2EEアプリケーションを入れ替えた場合,コンテナではユーザスレッドを停止しません。

(6) コンテナ拡張ライブラリ

コンテナ拡張ライブラリは,サーブレット/JSPおよびユーザスレッドのどちらでも使用できます。