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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ システム設計ガイド


3.11.2 アプリケーションサーバの実行系と待機系を1:1にする構成(トランザクションサービスを使用する場合)

アプリケーションサーバの実行系と待機系を1:1にする構成の場合に,トランザクションサービスを使用するときの構成について説明します。

〈この項の構成〉

(1) システム構成の特徴

グローバルトランザクションを使用する場合など,トランザクションサービスを使用する場合のシステム構成です。この場合,共有ディスク装置が必要です。

なお,ここでは,アプリケーションサーバを系切り替えする場合の構成を示します。運用管理サーバを系切り替えする場合の構成については,「3.11.3 運用管理サーバの実行系と待機系を1:1にする構成」を参照してください。

トランザクションサービスを使用する場合の構成の例を次の図に示します。

図3‒50 クラスタソフトウェアを使用してアプリケーションサーバの実行系と待機系を1:1にする場合のシステム構成の例(トランザクションサービスを使用する場合)

[図データ]

これ以外の凡例については,「3.2 システム構成の説明について」を参照してください。

特徴
  • 実行系と待機系は1:1で構成します。

  • 共有ディスク装置が必要です。

  • データベースがクラスタ構成になっている場合でも,アプリケーションサーバでは仮想アドレス(論理アドレス)だけを認識していれば,接続できます。

  • Management Serverをアプリケーションサーバと同じマシンに配置する場合については,「3.11.3 運用管理サーバの実行系と待機系を1:1にする構成」を参照してください。

リクエストの流れ

クライアントからは,実行系,待機系のアプリケーションサーバは,合わせて1台として認識されます。リクエストは,すべて実行系のアプリケーションサーバに送信されます。

系切り替えの流れ

実行系のアプリケーションサーバマシンに障害が発生すると,系切り替えが実行されます。系切り替えは,OS,または運用管理エージェントがダウンした場合に実行されます。なお,このほか,明示的に系切り替えを実行するコマンドを実行した場合や,これ以外にクラスタソフトウェアが系切り替えの対象にしている事象が発生した場合も,系切り替えが実行されます。

系切り替えが実行されると,待機系のアプリケーションサーバの運用管理エージェント,およびそれまで停止していたプロセスが起動されます。なお,トランザクション情報については,共有ディスクに格納されていた情報が引き継がれます。

(2) それぞれのマシンで起動するプロセス

それぞれのマシンに必要なソフトウェアとプロセスは,トランザクションサービスを利用しない場合と同じです。