6.3 POAの作成
旧バージョンのCORBAオブジェクトアダプタ(基本オブジェクトアダプタ:BOA)ではポータブルなオブジェクトサーバコードを使用できませんでした。新しい仕様はこの問題を解決するためにOMGによって開発されたもので,POA(ポータブルオブジェクトアダプタ)といいます。
- 注
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この節では,POAの基本機能の幾つかを紹介します。詳細については,「7. POAの使用」およびOMG仕様を参照してください。
基本的には,POA(およびそのコンポーネント)はクライアントリクエスト受信時にどのサーバントを起動するかを決定してから,そのサーバントを起動します。サーバントとはabstractオブジェクトのインプリメンテーションを提供するプログラミングオブジェクトです。サーバントはCORBAオブジェクトではありません。
各VisiBroker ORBは一つのPOA(rootPOAといいます)を提供します。追加のPOAを作成して,それぞれのPOAを異なった動作で構成できます。また,POAが制御するオブジェクトの特徴を定義することもできます。
サーバントを使ったPOAの設定手順は次のとおりです。
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rootPOAのリファレンスの取得
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POAポリシーの定義
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rootPOAの子としてPOAを作成
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サーバントの作成と活性化
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POAのマネージャを介したPOAの活性化
上記の手順には,アプリケーションによって異なるものがあります。