6.5.1 HCSC-ManagerコマンドJavaVM起動オプション定義ファイル
(1) 形式
- Windowsの場合
-
Win32のバッチファイル形式で指定してください。△は半角スペースを示します。
set△cscjvmopt_<コマンド名>=<JavaVM起動オプション1>[△<JavaVM起動オプション2>][△…]
- UNIXの場合
-
シェルスクリプトファイル形式で指定してください。△は半角スペースを示します。
cscjvmopt_<コマンド名>="<JavaVM起動オプション1>[△<JavaVM起動オプション2>][△…]"
(2) 機能
コマンドごとに,適用するJavaVM起動オプションを設定します。対象となるコマンドは,運用環境または実行環境のコマンドのうち,コマンド名が「csc」で始まるコマンドです。運用環境または実行環境のコマンドについては,「5. コマンド(運用環境・実行環境)」を参照してください。
設定したJavaVM起動オプションは,コマンドの環境変数(UNIXの場合は変数)の値として設定されます。そのため,ファイルを設定または変更した場合は,次回のコマンド実行時から適用されます。
ファイルの作成時には次の点に注意してください。
-
UNIXの場合,オプション全体を「"」(ダブルクォーテーション)で囲んで指定してください。
-
"="の前後にはスペースを入れないでください。
-
スペルミスなど,JavaVM起動オプションとして不正な値が設定された場合の挙動はJavaVMに依存します。
なお,JavaVM起動オプションを設定した場合の動作はJavaVMの仕様に従います。コマンドの実行時にJavaVMエラーが発生するなど,期待どおりの動作とならない場合は,ファイルを修正してコマンドを再実行してください。
JavaVM起動オプションの引数に次のようなファイルパスを指定した場合,動作は保証しません。
-
スペースを含むファイルパスを指定した場合。
-
ファイルパスを「"」(ダブルクォーテーション)や「'」(シングルクォーテーション)で囲んだ場合。
- 指定誤りの例(UNIXの場合)
cscjvmopt_cscpiselect=-XX:HitachiJavaLog:"/opt/Program△Files"
(3) ファイルの格納先
- Windowsの場合
-
- テンプレートファイル:
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\config\manager\templates\cscjvmopt.bat
- 設定したファイルの格納場所およびファイル名:
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\config\manager\cscjvmopt.bat
- UNIXの場合
-
- テンプレートファイル:
/opt/Cosminexus/CSC/config/manager/templates/cscjvmopt
- 設定したファイルの格納場所およびファイル名:
/opt/Cosminexus/CSC/config/manager/cscjvmopt
(4) 設定できるJavaVM起動オプション
JavaVM起動オプションの引数の設定範囲など詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「14. JavaVM起動オプション」を参照してください。ここに記載していないJavaVM起動オプションを設定した場合,動作は保証できません。
-Xms
ヒープ領域(New領域+Old領域)の初期値を指定します。
-Xmx
ヒープ領域(New領域+Old領域)の最大値を指定します。
-Xss
スレッドのスタックサイズを指定します。
-XX:MetaspaceSize
Metaspace領域の初期値を指定します。
-XX:MaxMetaspaceSize
Metaspace領域の最大値を指定します。
-XX:HitachiJavaLog
JavaVMログファイルのプリフィックスおよびログファイルの出力先ディレクトリを指定します。
- 複数のHCSC-Manager環境を構築した場合のログファイル出力先の設定について
-
環境変数CSCMNG_HOMEを複数設定して1台のマシンに複数のHCSC-Manager環境を構築した場合,ログファイル出力先が重複しないよう設定してください。同じログファイル出力先を設定した場合は動作を保証できません。環境変数CSCMNG_HOMEについては,マニュアル「サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド」の「2.9.2 1台のマシンに複数の環境を構築する流れ」を参照してください。
HCSC-Manager環境ごとにログファイル出力先を切り替えるには,引数に環境変数CSCMNG_HOMEを含めることを推奨します(例:-XX:HitachiJavaLog:%CSCMNG_HOME%¥log)。
この場合,ログファイルの出力先は次のようにHCSC-Manager環境ごとに切り替えられます。
- 環境変数CSCMNG_HOMEの設定(HCSC-Manager環境1)
set CSCMNG_HOME=C:\WorkPri
これによってログファイル出力先は次のようになります。
C:\WorkPri\log\javalog01.log
- 環境変数CSCMNG_HOMEの設定(HCSC-Manager環境2)
set CSCMNG_HOME=C:\WorkSec
これによってログファイル出力先は次のようになります。
C:\WorkSec\log\javalog01.log
- 注意事項
-
環境変数CSCMNG_HOMEに設定されたパスに空白が含まれている場合は,ログ出力先のパスに環境変数CSCMNG_HOMEは設定できません。この場合は代わりに,空白を含まないパスを設定した任意の環境変数を使用し,環境変数CSCMNG_HOMEとあわせて切り替えるよう運用してください。
-XX:HitachiJavaLogFileSize
JavaVMログファイルの1ファイル当たりのファイルサイズの上限値を指定します。
-XX:HitachiJavaLogNumberOfFile
作成するJavaVMログファイルの最大ファイル数を指定します。
-XX:[+|-]HitachiVerboseGC
GCが発生した場合に拡張verbosegc情報を出力するかどうかを指定します。
(5) 記述例
cscpiselectコマンドにJavaVM起動オプションを設定する例を次に示します。
Windowsの場合
set cscjvmopt_cscpiselect=-Xmx512m -Xms512m
UNIXの場合
cscjvmopt_cscpiselect="-Xmx512m -Xms512m"