2.9.2 1台のマシンに複数の環境を構築する流れ
1台のマシンに複数のHCSC-Manager環境を構築する場合の流れを次の図に示します。
(1) CSCMNG_HOME環境変数の設定
1台のマシンに複数のHCSC-Manager環境を構築する場合,構築する環境の数だけCSCMNG_HOME環境変数を設定する必要があります。
CSCMNG_HOME環境変数には任意フォルダの絶対パスを設定してください。設定したパスの下にある定義ファイルがHCSC-Managerによって参照されます。
- ポイント
-
任意フォルダの絶対パスは,「c:\cscmng」など用途がわかりやすい設定にすることを推奨します。
HCSC-Managerが参照するCSCMNG_HOME環境変数以下の定義ファイルを次の表に示します。
ディレクトリ名 |
説明 |
---|---|
%CSCMNG_HOME%\config |
運用環境で使用するコンフィグファイル格納ディレクトリ |
%CSCMNG_HOME%\log |
運用環境で使用するデフォルトログディレクトリ |
%CSCMNG_HOME%\repository |
運用環境で使用するデフォルトリポジトリディレクトリ |
%CSCMNG_HOME%\spool |
運用環境で使用する一時ディレクトリ |
- 注意事項
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同一のCSCMNG_HOME環境変数で複数のHCSC-Manager環境を構築する場合,CSCMNG_HOME環境変数を設定したあとに,CSCMNGのすべてのコマンドでCSCMNG_HOME環境変数を同一の値に設定した状態で実行してください。
設定が漏れにくいようにするため,ユーザ環境変数,コマンドプロンプトのショートカット,リソース設定用シェルスクリプトを作成することを推奨します。
次にCSCMNG_HOME環境変数の設定例を示します。
(a) CSCMNG_HOME環境変数の設定例(Windowsの場合)
「c:\cscmng」を設定する例を示します。
- ●ユーザ環境変数の設定例
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「c:\cscmng」を設定する例を次の図に示します。
-
環境変数を設定するダイアログを表示し,次のように入力します。
-
[OK]ボタンをクリックします。
CSCMNG_HOME環境変数が有効になります。
-
- ●コマンドプロンプトのショートカットの設定例
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コマンドプロンプトのショートカットの設定手順を次に示します。
-
次の内容を記述したcscmng_env.batファイルを任意のディレクトリに作成します。
set CSCMNG_HOME=C:\cscmng
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コマンドプロンプトのショートカットを任意のディレクトリにコピーし,プロパティのリンク先を次のように変更します。
cmd.exe /K <手順1.で作成したcscmng_env.batファイルのフルパス>
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(b) CSCMNG_HOME環境変数の設定例(UNIXの場合)
「/home/user1/cscmng」を設定する例を示します。
- ●Bourneシェルの設定例
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Bourneシェルで設定する例を次に示します。
-
次の内容を記述したcscmng.shファイルを任意のディレクトリに作成します。
export CSCMNG_HOME=/home/user1/cscmng
-
次に示す形式でシェルを実行します。
. cscmng.sh
シェルを実行すると,cscmng.shファイルを読み込み,CSCMNG_HOME環境変数が有効になります。
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- ●Cシェルの設定例
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Cシェルで設定する例を次に示します。
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次の内容を記述したcscmng.cshファイルを任意のディレクトリに作成します。
setenv CSCMNG_HOME /home/user1/cscmng
-
次に示す形式でシェルを実行します。
source cscmng.csh
シェルを実行すると,cscmng.cshファイルを読み込み,CSCMNG_HOME環境変数が有効になります。
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(2) 運用環境の設定
1台のマシンに複数の運用環境を構築する場合は,構築する環境の数だけ設定が必要です。運用環境の設定方法については,「2.4 運用環境に関する設定」を参照してください。
HCSC-Manager定義ファイルおよびHCSC-Managerコマンドの共通定義を初期値から変更する場合の注意事項を次に示します。
(a) HCSC-Manager定義ファイルを初期値から変更する場合の注意事項
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%CSCMNG_HOME%\config\managerディレクトリを作成し,次のプロパティファイルを%CSCMNG_HOME%\config\managerディレクトリ下にコピーしてから使用してください。
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\config\manager\templates\cscmng.properties
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HCSC-Manager定義ファイルは,<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\config \manager\cscmng.propertiesではなく,%CSCMNG_HOME%\config\manager\cscmng.propertiesとなります。
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HCSC-Manager定義ファイルが有効にならない場合は,%CSCMNG_HOME%\config\manager\cscmng.propertiesが存在しているか確認してください。ファイルが存在する場合は,正しく編集されていることを確認してください。
(b) HCSC-Managerコマンドの共通定義を初期値から変更する場合の注意事項
-
%CSCMNG_HOME%\config\managerディレクトリを作成し,次のプロパティファイルを%CSCMNG_HOME%\config\managerディレクトリ下にコピーしてから使用してください。
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\config\manager\templates\csccmd.properties
-
HCSC-Managerコマンドの共通定義ファイルは,<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\config\manager\csccmd.propertiesではなく,%CSCMNG_HOME%\config\manager\csccmd.propertiesになります。
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HCSC-Managerコマンド共通定義ファイルが有効にならない場合は,%CSCMNG_HOME%\config\manager\csccmd.propertiesが存在しているか確認してください。ファイルが存在する場合は,正しく編集されていることを確認してください。
(3) HCSCサーバのセットアップ
HCSCサーバのセットアップについては,「3.1 システムのセットアップ」を参照してください。
(4) GUIの起動
HCSCサーバをセットアップしたあと,EclipseのGUIを使用して運用する場合は,CSCMNG_HOME環境変数が有効になっている状態で,Eclipseを起動してください。例えば,コマンドプロンプトにCSCMNG_HOME環境変数を有効にしている場合は,コマンドプロンプトからeclipse.exeを起動してください。