3.3.15 SFTPアダプタを定義する
SFTPアダプタの定義方法について説明します。
(1) 電文フォーマットの作成
SFTPアダプタの電文フォーマットの定義ファイルはサービスプラットフォームが提供するスキーマを使用します。そのため,電文フォーマットの定義ファイルの作成は不要です。
SFTPアダプタで使用する電文フォーマットの内容について説明します。
ファイルの格納場所は「<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\SFTP\schema」です。
(a) SFTPアダプタの要求電文フォーマット
SFTPアダプタの要求電文フォーマットを,オペレーションごとに説明します。
- ●PUTオペレーション
-
ビジネスプロセスからSFTPアダプタに渡すPUTオペレーションの要求電文フォーマットを次に示します。ファイル名は「sftpadp_put_request.xsd」です。名前空間名は「http://www.hitachi.co.jp/soft/xml/cosminexus/csasftp/put_request」です。
表3‒109 要求電文フォーマット(PUTオペレーション) タグ名
種別
出現回数※1
説明
<request>
−
1回
−
<host-ipaddr>
string
0または1回
接続するSFTPサーバのIPアドレスまたはホスト名です。
Windowsを使用する場合,ループバックIPアドレス(127.0.0.1またはlocalhost)を指定すると,SFTP接続に失敗する場合があります。実IPアドレスまたはホスト名を指定してください。
<host-con-port>
long
0または1回
接続するSFTPサーバのポート番号です。
1から65535までのポート番号を指定します。
<sftp-user>※2
string
0または1回
接続するSFTPサーバのユーザ名を示すタグです。
SFTPサーバが存在するマシンのユーザ名を指定します。
<data-compression>
boolean
0または1回
転送データを圧縮するかどうかを指定するタグです。
true:転送データを圧縮します。
false:転送データを圧縮しません。
<host-auth>
−
0または1回
ホスト認証に関する設定を示すタグです。
<strict-hostkey-checking>
boolean
0または1回
厳格なホスト鍵チェックの実施の有無を指定するタグです。
true:厳格なホスト鍵チェックをします。
false:厳格なホスト鍵チェックをしません。
<overwrite-data>
boolean
0または1回
転送先にファイルが存在する場合の動作を指定するタグです。
true:ファイルを上書きします。
false:ファイルを追記します。
要素が省略された場合は「true」が仮定されます。
<user-auth>
−
0または1回
ユーザ認証に関する設定を示すタグです。
<user-auth-type>
string
0または1回
ユーザ認証の形式を示すタグです。
password:パスワード認証です。
publickey:公開鍵認証です。
<user-auth-info>
string
0または1回
ユーザ認証で使用する認証情報を指定するタグです。
-
パスワード認証を実施する場合
運用コマンドで設定したユーザ名を指定します。
-
公開鍵認証を実施する場合
運用コマンドで設定した鍵IDを指定します。
<request-id>
string
0または1回
受付で作成したリクエストIDを示すタグです。
共通フォルダを利用するときは無視されます。
<local-folder>
string
1回
ローカル側フォルダを示すタグです。
-
タグの属性にcommon="true"が指定されている場合
ローカルフォルダとして共通フォルダを利用し,このタグには共通フォルダ定義名を指定します。
-
タグの属性にcommon="false"が指定されている場合
ローカルフォルダとして作業フォルダを利用します。
<local-file-name>
string
1回
ローカル側ファイル名を示すタグです。
-
作業フォルダを利用する場合,作業フォルダ直下のファイルを指定してください。ファイル名の先頭以外に区切り文字(スラッシュ(/),円マーク(\)など)は使用できません。ファイル名の先頭にスラッシュ(/)を使用した場合,スラッシュ(/)は無視されます。
-
共通フォルダを利用する場合,共通フォルダルート配下のファイルを指定してください。シンボリックリンク以外のファイルを指定してください。
<remote-path>
string
1回
リモートパス名(SFTPサーバに転送するときの転送先パス名)を示すタグです。
<sftp-commands-before>
string
0または1回
ファイル転送前に実行するSFTPコマンドとその引数を示すタグです。
複数のコマンドを実行する場合は,実行する順番にセミコロン(;)で区切って設定します。
<sftp-commands-after>
string
0または1回
ファイル転送後に実行するSFTPコマンドとその引数を示すタグです。
複数のコマンドを実行する場合は,実行する順番にセミコロン(;)で区切って設定します。
-
- ●GETオペレーション
-
ビジネスプロセスがSFTPアダプタに渡すGETオペレーションの要求電文のフォーマットを次に示します。ファイル名は「sftpadp_get_request.xsd」です。名前空間名は「http://www.hitachi.co.jp/soft/xml/cosminexus/csasftp/get_request」です。
表3‒110 要求電文フォーマット(GETオペレーション) タグ名
種別
出現回数※1
説明
<request>
−
1回
−
<host-ipaddr>
string
0または1回
接続するSFTPサーバのIPアドレスまたはホスト名です。
Windowsを使用する場合,ループバックIPアドレス(127.0.0.1またはlocalhost)を指定すると,SFTP接続に失敗する場合があります。実IPアドレスまたはホスト名を指定してください。
<host-con-port>
long
0または1回
接続するSFTPサーバのポート番号です。
1から65535までのポート番号を指定します。
<sftp-user>※2
string
0または1回
接続するSFTPサーバのユーザ名を示すタグです。
SFTPサーバが存在するマシンのユーザ名を指定します。
<data-compression>
boolean
0または1回
転送データを圧縮するかどうかを指定するタグです。
true:転送データを圧縮します。
false:転送データを圧縮しません。
<host-auth>
−
0または1回
ホスト認証に関する設定を示すタグです。
<strict-hostkey-checking>
boolean
0または1回
厳格なホスト鍵チェックの実施の有無を指定するタグです。
true:厳格なホスト鍵チェックをします。
false:厳格なホスト鍵チェックをしません。
<user-auth>
−
0または1回
ユーザ認証に関する設定を示すタグです。
<user-auth-type>
string
0または1回
ユーザ認証の形式を示すタグです。
password:パスワード認証です。
publickey:公開鍵認証です。
<user-auth-info>
string
0または1回
ユーザ認証で使用する認証情報を指定するタグです。
-
パスワード認証を実施する場合
運用コマンドで設定したユーザ名を指定します。
-
公開鍵認証を実施する場合
運用コマンドで設定した鍵IDを指定します。
<request-id>
string
0または1回
受付で作成したリクエストIDを示すタグです。
共通フォルダを利用するときは無視されます。
<local-folder>
string
1回
ローカル側フォルダを示すタグです。
-
タグの属性にcommon="true"が指定されている場合
ローカルフォルダとして共通フォルダを利用し,このタグには「共通フォルダ定義名」を指定します。
-
タグの属性にcommon="false"が指定されている場合
ローカルフォルダとして作業フォルダを利用します。
<local-file-name>
string
0または1回
ローカル側ファイル名を示すタグです。
-
作業フォルダを利用する場合
この設定は無視されます。
-
共通フォルダを利用する場合
共通フォルダルート配下のファイルを指定してください。
指定したファイル名でファイルが作成されます。
存在するファイル名を指定した場合,ファイルが上書きされます。
共通フォルダルートからの相対パスで指定したサブフォルダが存在しない場合は,サブフォルダを作成します。
また,シンボリックリンク以外のファイルを指定してください。
<remote-path>
string
1回
リモートパス名(SFTPサーバ上にある取得対象パス名)を示すタグです。
<sftp-commands-before>
string
0または1回
ファイル転送前に実行するSFTPコマンドとその引数を示すタグです。
複数のコマンドを実行する場合は,実行する順番にセミコロン(;)で区切って設定します。
<sftp-commands-after>
string
0または1回
ファイル転送後に実行するSFTPコマンドとその引数を示すタグです。
複数のコマンドを実行する場合は,実行する順番にセミコロン(;)で区切って設定します。
-
- ●GETINFOオペレーション
-
ビジネスプロセスがSFTPアダプタに渡すGETINFOオペレーションの要求電文のフォーマットを次に示します。ファイル名は「sftpadp_getinfo_request.xsd」です。名前空間名は「http://www.hitachi.co.jp/soft/xml/cosminexus/csasftp/getinfo_request」です。
表3‒111 要求電文フォーマット(GETINFOオペレーション) タグ名
種別
出現回数※1
説明
<request>
−
1回
−
<host-ipaddr>
string
0または1回
接続するSFTPサーバのIPアドレスまたはホスト名です。
Windowsを使用する場合,ループバックIPアドレス(127.0.0.1またはlocalhost)を指定すると,SFTP接続に失敗する場合があります。実IPアドレスまたはホスト名を指定してください。
<host-con-port>
long
0または1回
接続するSFTPサーバのポート番号です。
1から65535までのポート番号を指定します。
<sftp-user>※2
string
0または1回
接続するSFTPサーバのユーザ名を示すタグです。
SFTPサーバが存在するマシンのユーザ名を指定します。
<data-compression>
boolean
0または1回
転送データの圧縮の有無を指定するタグです。
true:転送データを圧縮します。
false:転送データを圧縮しません。
<host-auth>
−
0または1回
ホスト認証に関する設定を示すタグです。
<strict-hostkey-checking>
boolean
0または1回
厳格なホスト鍵チェックの実施の有無を指定するタグです。
true:厳格なホスト鍵チェックをします。
false:厳格なホスト鍵チェックをしません。
<user-auth>
−
0または1回
ユーザ認証に関する設定を示すタグです。
<user-auth-type>
string
0または1回
ユーザ認証の形式を示すタグです。
password:パスワード認証です。
publickey:公開鍵認証です。
<user-auth-info>
string
0または1回
ユーザ認証で使用する認証情報を指定するタグです。
-
パスワード認証を実施する場合
運用コマンドで設定したユーザ名を指定します。
-
公開鍵認証を実施する場合
運用コマンドで設定した鍵IDを指定します。
<getinfo-type>
string
1回
SFTPサーバから取得する情報の取得種別を指定するタグです。
LIST:ファイル情報の一覧を取得します。
NLST:ファイル名の一覧を取得します。
<getinfo-path>
string
0または1回
接続するSFTPサーバから取得する情報の取得パスを示すタグです。<getinfo-type>で指定したコマンドを実行するときに指定するパスです。
タグがない場合,リストコマンド実行前にcdコマンドを実行したかどうかで,次のように異なります。
-
cdコマンドを実行した場合
cdコマンドで変更したパスを利用します。
-
cdコマンドを実行していない場合
リモートサーバのディレクトリのパスを利用します。
<sftp-commands-before>
string
0または1回
ファイル転送前に実行するSFTPコマンドとその引数を示すタグです。
複数のコマンドを実行する場合は,実行する順番にセミコロン(;)で区切って設定します。
<sftp-commands-after>
string
0または1回
ファイル転送後に実行するSFTPコマンドとその引数を示すタグです。
複数のコマンドを実行する場合は,実行する順番にセミコロン(;)で区切って設定します。
-
(b) SFTPアダプタの応答電文フォーマット
SFTPアダプタの応答電文フォーマットを,オペレーションごとに説明します。
- ●PUTオペレーション
-
SFTPアダプタが呼び出し元のビジネスプロセスに返すPUTオペレーションの応答電文のフォーマットを次に示します。ファイル名は「sftpadp_put_response.xsd」です。名前空間名は「http://www.hitachi.co.jp/soft/xml/cosminexus/csasftp/put_response」です。
表3‒112 応答電文フォーマット(PUTオペレーション) タグ名
種別
出現回数
説明
<response>
−
1回
−
<local-folder>
string
1回
ローカル側フォルダを示すタグです。
作業フォルダを利用した場合,属性に「common="false"」が設定されます。値には空白が設定されます。
共通フォルダを利用した場合,属性に「common="true"」が設定されます。値には,要求電文の<local-folder>タグで指定された共通フォルダ定義名が設定されます。
<local-file-name>
string
1回
ローカル側ファイル名を示すタグです。
要求電文の<local-file-name>で指定した値が設定されます。
- ●GETオペレーション
-
SFTPアダプタが呼び出し元のビジネスプロセスに返すGETオペレーションの応答電文のフォーマットを次に示します。ファイル名は「sftpadp_get_response.xsd」です。名前空間名は「http://www.hitachi.co.jp/soft/xml/cosminexus/csasftp/get_response」です。
表3‒113 応答電文フォーマット(GETオペレーション) タグ名
種別
出現回数
説明
<response>
−
1回
−
<local-folder>
string
1回
ローカル側フォルダを示すタグです。
作業フォルダを利用した場合,属性に「common="false"」が設定されます。値には空白が設定されます。
共通フォルダを利用した場合,属性に「common="true"」が設定されます。値には,要求電文の<local-folder>タグで指定された共通フォルダ定義名が設定されます。
<local-file-name>
string
1回
ローカル側ファイル名を示すタグです。
- 作業フォルダを利用する場合
-
作業フォルダの下に格納したファイル名が設定されます。ファイル名は,「csc_<内部生成された文字>」の形式となります。
- 共通フォルダを利用する場合
-
要求電文の<local-file-name>で指定した値が設定されます。
<file-size>
long
1回
SFTPサーバから取得したローカルファイルのサイズを示すタグです。
- ●GETINFOオペレーション
-
SFTPアダプタが呼び出し元のビジネスプロセスに返すGETINFOオペレーションの応答電文のフォーマットを次に示します。ファイル名は「sftpadp_getinfo_response.xsd」です。名前空間名は「http://www.hitachi.co.jp/soft/xml/cosminexus/csasftp/getinfo_response」です。
表3‒114 応答電文フォーマット(GETINFOオペレーション) タグ名
種別
出現回数
説明
<response>
−
1回
−
<list-info>
−
1回
ファイル一覧情報を示すタグです。
<list>
string
0回以上
ファイル情報を示すタグです。
- 要求電文のgetinfo-type要素に「LIST」を指定した場合
-
ファイル情報の一覧を設定します。
- 要求電文のgetinfo-type要素に「NLST」を指定した場合
-
ファイル名の一覧を設定します。
リモートサーバから取得したファイル情報が何もない場合,この要素は出現しません。
(2) SFTPアダプタの定義ファイルの作成
作成する定義ファイルの種類を次に示します。
-
SFTPアダプタ実行環境プロパティファイル
SFTPアダプタごとの構成情報を設定するファイルです。
-
SFTPアダプタ実行環境共通プロパティファイル
すべてのSFTPアダプタに共通する構成情報を設定するファイルです。
各定義ファイルの作成手順を次に示します。定義ファイルは,SFTPアダプタが提供しているテンプレートファイルを利用して作成できます。
(a) SFTPアダプタ実行環境プロパティファイル
-
テンプレートファイル(<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\SFTP\config\templates\adpsftp.properties)をコピーして,次のディレクトリに格納します。
- 全HCSCサーバ共通の定義の場合
-
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\SFTP\config
- 特定のHCSCサーバ用の定義の場合
-
サブディレクトリ<HCSCサーバ名>を作成して格納してください。Windowsの場合,HCSCサーバ名の大文字・小文字は区別されます。
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\SFTP\config\<HCSCサーバ名>
-
コピーしたテンプレートファイルのファイル名を「<サービスID※>.properties」に変更します。
-
定義内容を編集して保存します。
SFTPアダプタ実行環境プロパティファイルで編集できる定義内容については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.16.1 SFTPアダプタ実行環境プロパティファイル」を参照してください。
- 注※
-
サービスIDは,SFTPアダプタを新規に追加するときにサービスアダプタ定義画面で指定する任意の文字列です。
(b) SFTPアダプタ実行環境共通プロパティファイル
-
テンプレートファイル(<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\SFTP\config\templates\adpsftp.properties)をコピーして,次のディレクトリに格納します。
- 全HCSCサーバ共通の定義の場合
-
commonディレクトリはユーザが作成してください。
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\SFTP\config\common
- 特定のHCSCサーバ用の定義の場合
-
サブディレクトリ<HCSCサーバ名>と「common」はユーザが作成してください。Windowsの場合,HCSCサーバ名の大文字・小文字は区別されます。
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\custom-adapter\SFTP\config\<HCSCサーバ名>\common
ファイル名は変更しないでください。
-
定義内容を編集して保存します。
SFTPアダプタ実行環境プロパティファイルで編集できる定義内容については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.16.2 SFTPアダプタ実行環境共通プロパティファイル」を参照してください。
(3) データ変換の定義
データ変換定義画面を利用して,変換元の電文フォーマット定義ファイルおよび変換先の電文フォーマット定義ファイルのデータ変換を定義します。
データ変換の定義方法については,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編」の「7. データ変換の定義」を参照してください。
(4) サービスアダプタ定義画面での操作
SFTPアダプタを定義する場合の手順を次に示します。
-
サービスアダプタ定義画面を表示します。
サービスアダプタ定義画面の表示方法については,「3.3.1(4) サービスアダプタ定義画面の表示」を参照してください。
-
定義情報を設定します。
サービスアダプタ定義画面(基本)で設定が必要な項目については,「3.3.17(15) SFTPアダプタの場合」およびマニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「1.2.2 サービスアダプタ定義画面」を参照してください。
-
[サービスアダプタ定義(詳細)]タブをクリックします。
サービスアダプタ定義画面(詳細)が表示されます。
-
定義情報を設定します。
サービスアダプタ定義画面(詳細)で設定が必要な項目については,「3.3.17(15) SFTPアダプタの場合」およびマニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「1.2.2 サービスアダプタ定義画面」を参照してください。